「短編ドキュメンタリー風」Playground 校庭 すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
短編ドキュメンタリー風
ある兄妹が小学校で体験するいじめを、ドキュメンタリータッチで撮影した作品。
米映画でティーンのスクールカーストものの映画はよくありますが、ヨーロッパ映画で小学校低学年(たぶん)を主人公にしたものは珍しいと思って鑑賞。
徹頭徹尾、子供目線のローアングルで撮られた映像は学校の閉塞感と、不穏な空気が感じられてgood。校内の喧騒もリアル。
いじめはあんな風にさしたる理由もなく、些細なきっかけで起こるものです。
男子の虐めは暴力で、女子のいじめは仲間はずれ、はどこの国も一緒ですね。
外国の映画を観る楽しみのひとつに異文化を知ることがあるのですが、子供たちが「だるまさんがころんだ」にそっくりな遊びをやっていて、世界共通なんだと。
あと、休み時間に校庭で遊ぶ子供たちを見守るのは教師ではなく「監視員さん」と呼ばれる、それ専門に雇われている人がたった一人。教師も休み時間をしっかりとる、ってことなんでしょうが(労働環境にうるさいヨーロッパらしい)目が行き届かないし(案の定いじめが起こる)、親は不安しかないなと思いました。
原題は「un monde」(世界、世の中、社会)。
子供にとっての社会は狭い学校の中が全てで、その中で生き抜くしかない、というぞっとする感覚を久しぶりに味わえました。
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