「ものすごいインパクト!!!!!…だけ。」機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning Arさんの映画レビュー(感想・評価)
ものすごいインパクト!!!!!…だけ。
興行としては成功してます、それはほんとにすごい。
映画として評価したらもう散々言われてますけど出来が悪い…というか映画としては作ってないと思うので、そちらの評価はしません。
ファーストも軽くしか知らないけれど、一応いちガンダムファンとしての目線で書きますし、オタク的思い入れあるので、でもそれはそういうIP使ってるんでご勘弁ください。
で問題の本編。2編に分かれてるので最初から。
①前編
よくやったなあ!って思いました。でもそれで終わりです。
シャアがガンダムに乗ったらどうなるか?インパクトすごいですよね、でもそれで終わりです。
確かに魅力的なシャアってキャラを、魅力的な世界観を存分に生かしてIFストーリーで描く。
面白い試みですけど、二次創作…同人の域を出てるとは思えない。
ファーストのBGMを使用して、同じシーンを勢力逆にして描きなおして…いや、そりゃそこを題材にするならそうでしょうよ。
最初にコロニーに侵入して…せめてガンダムに乗るまでで十分です。
あとのシーンも台詞も、”オタクくん、こういう展開喜ぶでしょ?”と言わんばかりで鼻につく。
自分らしい色を出すためなのか、ガンダムのデザインとかちょいちょい変わってますけど、あれどういう評価なんでしょうね。
ザクとかはまあいいんですけど、肝心のガンダムがかっこ悪い…。スタイリッシュでもないし、工業的かっこよさにも欠ける。エヴァ風ガンダムって空気だけで半端。そろそろそこから脱却しません?
後の展開もただただ長いだけで”フーン”って展開が続く。まあこれは、1年戦争をあの短時間でまとめようとするのは無理なので仕方ないです。つまり試みが間違ってるように感じます。
ファンだからこそ、こうなるだけであってファン以外は見てても意味不明、ファースト知らない友人は寝かけてました。
何十年も前のアニメの情報仕入れてから来いって無理でしょ。
ところでシャリアブルさん、ガンダム奪ったシャアと出会っただけでそういう感じのキャラになっちゃうんですか、なんか人格変わってない…?
②後編
最近の、令和らしいデザインや雰囲気。嫌いではないです、可愛い。
クランの人たちだけさらに世界観違いましたけど。フリクリとかトップをねらえ2とかグレンラガンとか、スパロボ風味がえらく強い。
まあでもそれもいいんです、他に突っ込みどころが多すぎる。丁寧ではない。
まずストーリー…掴みはいいのだけど、主人公マチュがヤバすぎる。可愛らしい見た目に反して歴代最高峰の狂犬、バーサーカー、歩く劇物。
とにかく喧嘩っ早すぎる、喧嘩というより命を懸けるハードルが異常に低い。
まず1戦目、軍警察と遭遇戦。これなんでモビルスーツ乗って突っかかってった?シールド飛んできたから?それとも街の人々が酷い目にあわされてたから?
日々に何かしらの鬱憤や閉塞感はあれど、比較的裕福で不自由なく生活しているマチュにそんな動機が成立するのか?理解できない。
2戦目はもっとやばい。別に金が欲しいわけでもないし、やっぱり動機が感じられない。キラキラをもう一回みたい?ンなバカな。そんなん見たいだけで命を懸けたやりとりをするなんてヤク中でしかない。
とことん動機に感情移入ができない。水星の魔女では命までは懸かってない戦いで、でもあれだけみんな懸命に真剣に戦ってたのに…。
でもマチュがかわいいからいいや、という気持ちも。
”なんかわからんけどわかった”ってマチュも言ってたし、…いやわかんねえよ。
”キラキラ”…も含めて、なんていうかエモとか勢い?フィーリング?だけで話進行させるのやめません?さすがに無理を感じます…。
あとシュウジくんはちょっとこう、…これもいい加減にやめませんか、不思議系フィーリング男子…。お得意かもしれませんけど。
流石にいきなり女の子のにおい嗅いでくるのは…イケメンだから許されるのか?ンなバカな。
あとはガンダムジークアクスのデザインかっこ悪いです。ほんとにかっこ悪い。カブトムシかよ。フェイスガード閉じてるときはもうなんて言っていいかわからないくらいださい。
ユニコーンのジム調ヘッドがガンダムに成ったときのカッコよさを思い出してほしい。
も一個、固有名詞の気持ち悪さがちょっときついです。一番はマブ。軍事教練での用語って説明ありますけど、雰囲気としては”マブダチ”のマブですね、マヴなのかな?どっちでもいいけど。
もう軍事用語がなんで一般に浸透してんだって疑問はこの際置いておくとして、よほど広めたいのか?”マブ””マブ””マブ”、しつこい。劇中では”タッグ”や”コンビ”的使われ方をしてますが、”マブダチ”を意識してるのが明らかで、世界観とかみ合わなさ過ぎて気持ちが悪い。
ゼクノヴァも嫌いですね。要するにアクシズショックで、劇中での使われ方もアクシズショックとまるで一緒。ソロモンショックとかじゃダメだったのか?
固有名詞が、自分たちの色を出そうと一生懸命なんだろうけど、うすら気持ち悪い空気しか残してなかったです、ここまでくると悪口ですが。
とりあえず劇場に見に行って感じた不満点をひたすら書き殴れたので大変満足です、ありがとう。
…書くだけ書いて満足したのでまとめ忘れてました、まとめ評価追記です。
前半評価 ☆2
同人作品です、良し悪しではなく同人作品です。ファーストガンダムの素晴らしいキャラやバックボーン、知名度を良く言えば活かし、悪く言えば寄生した内容です。
それなりに楽しめましたが、別にシャアがガンダムに乗った、ジオンが勝利した世界を見たいわけでもなく、せっかくなら正史に新たな1ページが欲しかった。でもこれは好みの話。
ただ知名度ありきの作りはよくない。前述したけど、何十年前の作品だと思ってるのか。もちろんこのシーン知ってますよね?なんて言わんばかりの作り方は、さすがに甘え過ぎと感じる。
後半評価 ☆1
別に悪くないです、ガンダムでなければ。これはガノタの悪いとこ出てるんで話半分でいいんですけど、やっぱりガンダム作品にはガンダムらしさを期待するんですよね。でもガンダムらしさってそれぞれの解釈があってそれぞれに違う。自分は今回、それが感じれなかった、要するに好みの話です。
これがガンダムじゃなければ☆3だったろうし、なんなら新説エヴァとかなら☆4だったと思います。別にこれガンダム老害だからとは思いませんよ、だって水星の魔女とか(最終的なストーリー評価は置いとくとしても)ちゃんとガンダムだあ!って思いましたから。
余談ですが、最近の流行なのか、謎や伏線をとにかく散りばめるやつ、あんまり好きではないです。もうちょっと頭空っぽにして視聴したい気持ち。
総合評価 ☆1.5
これ一本の作品にする必要あったかな?なんならそれぞれに分けて、それぞれもうちょっと尺を使って別々の、でも繋がったお話にしたほうがスッキリしたと思います。もちろん諸般の都合で無理なんしょうが。
でも期待はしてるんです、評価なんて覆るし、これだけ伏線や謎を残してるんですから、きちっと回収してすごいお話が展開されると思います、されますよね?マチュとシャアが共闘してアムロと戦うとか。笑っちゃうかもしれないけど、そんなの見てみたい。
けれども今回の作品はこれで終わりなので、こういう評価になりました。
今回めちゃめちゃ批判したレビュー書いちゃった…って友達に言ったら、好きだからそんだけ書くんだね、って言われてハッとしました。評価低いけど、好きなんです。頑張ってください。