リボルバーのレビュー・感想・評価
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復讐劇ではなく回収劇な点が不満
女性が復讐しようとする映画は好きなジャンルの一つだ。大好物と言っていい。体格的に劣っていても、女性主人公が武器や武術を駆使し男をなぎ倒したりぶち殺していく姿に爽快感を覚えるからかもしれない。
本作は、愛する上司のため罪をかぶることにした元刑事が出所後復讐する物語と聞いていた。たしかに大筋はそうだ。でも、なんか違う。残念ながらあまりハマらなかった。
まず、約束された報酬を受け取るということがメインの動機だったところが引っかかる。もちろんそこは大事な要素ではあるが、そこがメイン?という気持ちになった。次に、アクションがしょぼいところ。剣道をやっていた(刑事として当然かも知れないが)特徴があまりアクションに活かされていない。報酬を確保することが目的だから襲いかかってくる敵をバッタバッタと殺したりはしない。元刑事というモラルを失っていないからかもしれない。でもあれじゃ物足りない。
そもそもリボルバーというタイトルにもっと意味を持たせてほしい。むしろ警棒の方がメインと思えるアクションだった。これならリボルバーというタイトルにしなければいいのに。
敵がそれなりに嫌なやつだったけど、あまりスカッとする終わり方ではない。たぶん復讐ではなく、報酬を回収することが目的だから。この手の映画のカタルシスを得られなかったことはやはり不満が残る。
チョン・ドヨンの好演
韓国映画に飽きてしまったらおすすめか。
今年69本目(合計1,611本目/今月(2025年3月度)3本目)。
今週の韓国映画の枠としては、どうしても「プロジェクト・サイレンス」より差がつきやすいのかな…という気はします。
要は濡れ衣で刑務所に入っていた女性とその復讐、またその人々にかかわる裏は何…といった趣旨の映画になります。
気になった点は2つで、まず1つは登場人物が妙に多く誰が誰かわからず混乱しがちなことと、2つめに野外行動シーンがいくつかあるところ(この点は、いわゆる人質解放や不法なお金の流れなどが夜間で行われるという「常識」から仕方がない)このために1の問題と重なってますます誰が誰かわからないといった状況がどうしても起きるのは避けられないかな、といったところです。
運悪くよりお客さんが来そうな「プロジェクト・サイレンス」の影には隠れる形にはなりましたが、韓国映画特有の「ノワールさ」や「あなたが犯人かと思っていたら(一部or全部)違うじゃないですか」というどんでん返しはままあるので、アクション映画の要素は少ない(ないわけではない)ものの、その向きにもおススメです。
採点上特に気になるものはないのでフルスコアにしています。
えぶりてぃん
警察と企業の裏金問題に巻き込まれ、対価を条件に罪を被って服役した元刑事の女が、果たされなかった約束を履行させようとする話。
2年間の服役を終えた主人公が出所したところに、後輩刑事とクソバエ女がやって来て始まって行くけれど、まだ姿も見せていない人物の名前とか状況もわからない過去のことを話されて、なんだかチンプンな序盤。
チョロチョロと時系列いじらないで、もっと早くそれをみせろよ!な流れがあって、いよいよ話しがみえたら、なるほどなかなかドロドロだしそれはクソ野郎ですね。
主人公の気の強さやスリリングな駆け引きはお見事だし、賑やかしのマダムも掴みどころがないけれど良いツボをおさえているし、ホントの意味での賑やかしなマンディとシンのから騒ぎにある意味振り回される保護者たち?と面白かった。
絶叫するまで、しばいたる
チョン・ユンソンがイメージ通りのバカ女を演じて、予期せぬハプニングを起こして面白くしてくれる。
だけど、全般的にストーリーがつかみずらい。主人公が暴れまくるところを期待しているんだから、余計な謎はいらない。
ワルツがBGMで流れて、眠気を催すシーンが多いんだけど、主人公のスヨンが、警棒を持つとパチっと目が覚める。
あるシーンでは、アンディが絶叫するまでスヨンがシバキまくる。警棒がしなって肉を打つ音が響くたびに、拍手を送りたくなる。それくらい、アンディがクズ野郎ってことなんだけど。
結局のところチョン・ドヨンのアクションシーン以外は眠っていてもよかった。しばかれるバカ男を見たい人は、かなり満足できる作品でございます。
血と汗が足りず、突き抜ける要素が皆無の無味無臭映画でした
2025.3.1 字幕 TOHOシネマズ二条
2024年の韓国映画(115分、G)
汚職事件の影響で服役することになった女刑事の犯人探しと復讐を描いたノワール映画
監督はオ・スンウク
脚本はオ・スンウク&チュ・ピョル
原題は『리볼버』、英題は『Revolver』で、ともに「回転式弾倉の拳銃」のこと
物語の舞台は、韓国のソウル
かつての汚職事件にて、その罪を一人で被ることになった刑事のハ・スヨン(チョン・ドヨン)は、当初は執行猶予付きの判決で、7億ウォンとマンションを手にするはずだったが、2年の実刑を喰らって収監されることになった
彼女には捜査課長の恋人イム・ソギョン(イ・ジョンジュ)がいて、それらの事件は彼が絡んでいるものだった
その内容は、あるクラブの摘発を揉み消し、警察と裏社会の癒着を指摘されていたものだった
2年の時を経て外に出ることになったスヨンだったが、恋人はおろか職場の人間は誰も迎えに来なかった
そこに来たのは事件の担当検察官ホン・インギ(オ・ウィシク)と、摘発の対象になったクラブの関係者チョンマダムことチョン・ユンソン(イム・ジヨン)だけだった
物語は、約束のマンションと金を受け取りに行くスヨンが描かれるものの、マンションは別人の名義で、金を持っている奴は約束を反故するという展開になっていく
不動産屋の話だと、スヨンからソギョンに譲渡され、今ではファン・ジョンミという謎の女に渡っているのだが売却された形跡はないという
また、金は事件に絡んでいた資金洗浄屋のチェ社長(チョン・マンシク)経由で渡されるはずだったが、それを反故にしようとしている人物がいるという
そこで、スヨンは収監後に何があったのかを調べるとともに、自分を刑務所に追いやった犯人を突き止めようと考えるのである
映画はわかりやすい仕返しもので、スヨンを騙したのは恋人のようで、彼は何者かに始末されている、という流れになっていた
その背景にチェ社長やイースタン・プロミスが絡んでいるという展開になっていて、スヨンはそのために元上司のミン・ギヒョン(チョン・ジェヨン)の元を訪ねた
彼はスヨンにリボルバー式の拳銃と弾丸、警棒を用意し、自分の足で事件の真相を追っていくことになったのである
かなりゆったりとした流れになっていて、ユンソンからアンディ(チ・チャンウク)のことを聞き出し、彼が金を勝手に使い込んで散財したことなどが判明する
怒りに任せてボッコボコにした後は、彼の姉でイースタン・プロミスの代表グレース(チョン・へジン)に金を用意立てさせようと考えるのだが、この事態に対処するのがイースタン・プロミスの本部長(キム・ジンソ)だった
彼はアンディを焚きつけ、スヨンを慕っていた後輩シン・ドンホ(キム・ジュンハン)などを動かしていく
そして、とうとう追い詰めるに至るものの、スヨンの方が一枚上だったみたいな展開になっていくのである
かなり地味な作品で、派手なドンパチはないし、暴力表現もそこまでキツくない
さらっとした感じの映画になっているのだが、ある意味では無味無臭のような感じもする
何を見どころとするかとか、鑑賞後に何が残るのかというところを考えても、何も残っていない
あえて言うならば、見た瞬間に母親とわかるのになぜ姉設定になっていたのかと言うところで、アンディがグレースを「母さん」と呼ぶシーンがクライマックスになっていたのは印象的だった
いずれにせよ、ファーストディということもあって結構席が埋まっていたが、映画サイトなどの評価はあまり芳しくない
主演の人の絵面とか雰囲気は良いと思うのだが、いかんせん犯罪の規模とか、相手のスケールが小さすぎて、ある町で起きた官民癒着の小さないざこざのように思える
拳銃にまつわる部分でも、撃ったことがある人が撃つので葛藤もないし、かと言って非道にもならないので、一言で言えば「血と汗が足りない映画」かなあと思った
約束を果たすまで追い詰める
静かなハードボイルド
前半は暇、後半は良い!
題名からすると
裏社会の映画でつきものの出所後の約束を反故にされるよくあるお話しであるけど本作のように荒々しい格闘はなくて、あっさりとしているのは初めてで、しかも『リボルバー』なんて題名なのでさぞかし派手なドンパチを期待していると... たまは、たまでも球界でもないのに弾かず制限なんて... 動画してるぜ!
結局のところ主人公の女性が "のらりくらり" 男のアンディにいいようにあしらわれ、右往左往し、振り回されるところを見学する映画となっている。付け加えるとストーリー展開がすこぶる遅く、しかも会話中心の演出なので退屈を容易に避けることはできません。
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