「こんなにハラハラしながら吹替版を観ることは多分もうない」リロ&スティッチ 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
こんなにハラハラしながら吹替版を観ることは多分もうない
とりあえず、ギリギリ大丈夫だったんじゃないかと思う。見ている間ハラハラした。それは、ストーリー展開のハラハラというよりも、ももな(この表記でいく)の吹き替えの演技がちゃんと上手く行っているかというハラハラであって。
自分が知る限り、ももなは演技経験がそんなに多いわけではないから、やっぱりすごいめちゃくちゃ吹替演技が上手いというわけじゃないんだ。
にも関わらず、序盤から思った以上にセリフが多くて。
クレジットでも主演のリロの吹き替えの子役の次というとんでもないメインどころで、ここまでセリフが多いのかっていうのはちょっと本当に予想外だった。
結構ね。大丈夫か、これ棒読みとか言われちゃうんじゃないかっていうようなちょっと心配な気持ちも正直前半はあった。
そこは否めない。それでも最後まで見て、まあギリギリ気にならないんじゃないかなと思うぐらいにはなった。
終盤のお姉ちゃんの見せ場が「重くなったスティッチを抱えて海の底を走る」だったところ。途中のトロフィー伏線回収であることも美しいと思ったが「見せ場が無言のシーンでほっとした」という感情が先にきてしまった。
ディズニー映画はアニメも実写もどちらかと言えばよく観ているほうなのだが、スティッチはたまたま観ておらず今作が人生初スティッチとなった。
まさか笠原桃奈きっかけで吹替版観ることになるとは予想してなかったよ。
自分はこの笠原桃奈という人をたまたま約9年前から知っている。前のグループ加入直前の研修生の頃からだ。そんな前から知っている人がこれだけ大きい仕事をとればまあ行くだろ。
ミーアイになる過程で注目されていたからこそ批判を受けていたのも知ってる。
だから今回心配だった。公式タグ#スティッチで泣いちゃったに対し「また泣けるアピプロモーションか」とツッコむ余裕もなく。「スティッチでももな吹替が叩かれすぎて泣いちゃった」になったらどうしようと心配だった。
とりあえずその心配は杞憂だったように思う。
スティッチというキャラに関して。
ハワイ舞台が先なのか、スティッチのキャラが先なのかよくわからないけれども、水に触れると体が重くなると言う設定自体がまず良かったと思う。
特に、周りが海に囲まれているという環境で、都会に逃げようとしても逃げられないというシチュエーション作りは良かったと思う。
これは初めて知ったんだけど両親が突然亡くなってしまって生活がなかなかヤバいことになっている若い姉妹の話だったんだな。
ここが結構ポイントだったんだろうと。
結構貧しい人たちの話。そこに来る凶暴異星人というところに面白さがあったんだろうと。
あと。話の筋自体は別にそんなに新しいものではないけれども、やっぱりハワイが舞台っていうところは結構新鮮だったんじゃないかなと思う。今作以外でハワイが舞台のフィクションがそもそも思い浮かばない。
意外とSF展開で、それがうまいなと思ったのは、移動するゲートを作る銃。銃を撃つとゲートが開くっていう武器の使い方。
基本的にあれで遠くへ飛ばすっていう技をまず使って。ゲートが通れず腹がつかえるというギャグもやりつつ。
かつ最終的には懸念材料であったお姉ちゃんが大学に行くと妹と離れて面倒見きれなくなっちゃうっていう距離問題解消に使っている。
そこら辺の場所の遠さを解消するアイテムとして使ったっていうのは、うまい落とし所だったなと思う。
とりあえず興行成績も評判もいいようでホッとした。
ももな、思いもよらない場所に連れてきてくれてありがとう。
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