「家族の小さく、種族間の分断」リロ&スティッチ ふぇるさんの映画レビュー(感想・評価)
家族の小さく、種族間の分断
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原作アニメはミュージカルは無く、劇中に使われている曲もエルビス・プレスリーとなんともディズニーらしくは無いが登場するキャラクターには愛嬌があり、ストーリーもよく出来ている。
原作の方は本作よりも短いが、その分内容も濃い。
本作では原作よりも20分程度長くなっているが、それ以上に内容も薄く、キャラクターも少なくなっている。
ジャンバとプリークリーは殆どは人間に擬態しており、スティッチ以外は人間しか登場しない。
予算の影響なのかスティッチとの差別化なのかは分からないが、スティッチ以外のキャラクターにも気を遣って欲しかった。原作でのそれぞれのキャラクターにフォーカスが当たっているのに対し、本作はスティッチのみに集中している。
ガントゥの登場はなく、それによりラストのアクションも無くなっている。その代わりに溺れたスティッチを助けるという陳腐で地味なラストになってしまった。
原作のエンディングではエイリアンと人間が共同生活をし、家を建て直すシーンもあるが、本作ではジャンバの姿は無く、プリークリーは人間の姿になっており、エイリアンは追放とはいかないまでも擬態で過ごす事になっている。多様性とは言い難いラストにはこじつけかもしれないが反DEIの影響もあるのかもしれない。
明らかにMIBの様に見えるバブルスは本作ではCIAにてなっており、議長とは初対面にした事で人間とエイリアンとの交流は無くなり、本作以前への世界観を語る余地がなくなってしまった。
原作でのエンディングは全ての種族に対し希望があったが、本作のラストは種族間では分断されているように思えて残念な印象だ。
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