ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師のレビュー・感想・評価
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ナチスが共産主義者を連れさったとき、私は声をあげなかった
ナチスが勢力を拡大し、教会内部ですらヒトラーの神格化が進みつつあった時代に、教会の神聖化を説いてヒトラー暗殺計画にまで加わった実在の牧師のお話です。
ヒトラーを暗殺していれば戦争とホロコーストで死ぬ人は確かにもっと少なかったろう。ただし、聖職者がその企みに加担する悩みはもっと掘り下げるべきだったと思います。正義を貫こうとしたこんな人が本当に居たと初めて知る事ができたのは収穫でした。鑑賞後に調べてみると、彼に関する様々な本が日本でも既に出版されています。
作中で、以下の有名な警句がボンヘッファーの説教中で述べられます。これは実際には彼の言葉ではなく、本作中にも登場するマルティン・二―メラの言葉です。独裁者による全体主義は、ヒトラーだけで広がった訳ではなくそれを無批判に支持し煽った国民の選択でもあったのです。まさしく現在のこの国の姿ではないでしょうか。手遅れになる前に。
ナチスが共産主義者を連れさったとき、私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから。
彼らが社会民主主義者を牢獄に入れたとき、私は声をあげなかった。私は社会民主主義者ではなかったから。
彼らが労働組合員らを連れさったとき、私は声をあげなかった。私は、労働組合員ではなかったから。
彼らが私を連れさったとき、私のために声をあげる者は誰一人残っていなかった。
政治と宗教
戦後の世界が変わっていたかも?
キリスト者として
クリスチャンとして見ました。神への信仰を第一とし、ユダヤ人を助けた牧師 ボンフェッファーのことはこの映画で初めて知りました。聖書に ユダヤ人を呪うもには呪われ、ユダヤ人を祝福するものは祝福される、とありますが、映画の中でも アブラハム、イサク、ヤコブの神よ と祈るシーンは印象的でした。恐怖政治に怯えて権力におもねってしまう当時の教会の有り様もまた戦争中に政府公認のキリスト教団におもねった日本の教会とオーバーラップします。地上での最後は絞首台の露と消えるボンフェッファーですが、天では主の慰め癒しそして祝福が大いに注がれていることはクリスチャンなら充分に理解できることです。まさにキリストに倣うものとして人生でした。途中、画面がくらいのと、難解なシーンもあり幾度か気を失いました。
まさに不屈の闘志
信仰のために行動をもって立ち上がった人
この映画の公開を長く待ちわびていましたから、非常に楽しみにして観に行きました。
ボンヘッファーの物語は、「軽く理解して流す」なんてとてもできない、心の深いところを揺さぶる重さがあります。
歴史も文化も日本と全然違うし、キリスト教文化が深く根付いたヨーロッパの物語は、どうしても理解しづらい部分も多い。映画なので、史実と違う部分も多分にあると思いますが、いろんな意味で距離があるのにそれでも心に響くのは、彼が「信仰のために行動をもって立ち向かった人」であるからだと思います。
もし今、戦争や迫害があったら?
自分ならどうするのか?
・・・考えさせられます。
ボンヘッファーはまさに「行動する神学」を生きた人ですね。
この映画は万人向けではないし、レビューも高くはならないでしょう。でも、「理解される人数は少なくても、深く届く人がいる」そのような作品なのでしょうね。私にも心の深いところに希望の灯がともりました。楽しみにして観に行けて、とても感謝です。
この作品の制作はもとより、日本上映のために力を注いでくださったすべての方に感謝しています。
彼の書いた詩でできた賛美歌「善き力にわれ囲まれ 来るべき朝を待とう」の歌詞のとおり、やがて御国に入る朝が来たときには、会ってみたい人物のひとりになりました。楽しみにしておきます。
生き様
クリスチャン映画ですね
どこまでも神を信じて教義に突き進む彼の姿は殉教者ですね
ストーリー展開のためなのか「まだホロコーストは起きてないのでは?」「チャーチルはもう首相だっけ?」とかちょっと史実と食い違うような気がします。
クリスチャンの方はきっと楽しめると思いますが僕は違うのですいませんでした。
彼の取った行動は正しかったのだろうか
あんな方法で暗殺出来るわけない
第2次世界大戦下のドイツで、牧師でありながらスパイ活動に身を投じた実在の人物ディートリヒ・ボンヘッファーを描いた伝記。
ナチスが台頭してきたドイツでは、独裁者ヒトラーを神のように崇拝する聖職者たちにより教会が支配されていた。この状況に危機感を抱いた牧師のボンヘッファーは、教会は聖域であり、権力の場ではない、と反発し、ヒトラーを全人類の脅威と見なした。ドイツ教会を守るべく国内外の協力を求め、スパイとなった彼は、ナチス政権を崩壊させるため、ヒトラー暗殺計画、に加担したが・・・そんな話。
教会の牧師が主人公だから、キリスト教に詳しくないと深くは楽しめない感じがした。
殺されるとわかっていてベルリンに戻ったのは、命よりも大切な事が有る、からなのだろうが、生きていてこそ、という面もあると思うのだが。
それと、あんな簡単な方法でヒットラーの暗殺なんか出来るわけない。もう少し入念に練った作戦かと思ったら、拍子抜けだった。
憎悪に人種は問わない…
ヒトラーに屈しなかった牧師
観なければよかった
エピソードがバラバラで理解しにくい
名前が難しい
テーマとしては非常に良かった
喪失と再建
時は第二次世界大戦、ナチスの台頭に危機感を覚えた牧師が、ヒトラー暗殺を企てた作戦に身を投じようとし…といった物語。
第一次世界大戦における最愛の兄の死、アメリカ留学先での人種差別…目の当たりにしたいくつもの経験が彼の思想を育て上げていくが、祖国はナチスがどんどんと大きくなり、まさかの教会までもが…。
成程、いくらナチスが支持されようとも、当時のドイツ=100%ナチスと言うわけでは当然ありませんからね。こういった人々もいたんだなぁ。あの状況での説教、どれだけ勇気のいったことか。
それでも、信仰と現実の狭間で苦しむボンヘッファー氏だが、とうとう暗殺と言う本来であれば忌憚とも言える手を打つことに。う~ん、こんなこと言ったら怒られてしまいそうですが、こんな状況で、敵を愛することで勝利を…なんて言ってもねぇ。祈るより決死の行動が求められる場面ですよね。
そんな彼らの勇気に感嘆させられる作品ではあるが、ちょっとワタクシには難しかったというか、話を見失いがちになってしまったかも。7人のユダヤ人を…の件、ゲシュタポの指示の意味がよくわからんかった。因みにあそこにいた兵達はスイス兵って理解であってるのかな?
そして、手を汚さない…か。
キレイな言葉に思えるけど、自分の手を汚さずに事を運ぼうとするヤツが一番信用ならんけどな…汗
さておき、あと2週間…にはタメ息が出そうになったし、危険すぎる悪を相手に命を懸けた人々の想いを無駄にしてはならないと思う今日この頃、と感じさせられた作品だった。
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