「監督のクセと雑なところが目立った映画」おいしくて泣くとき ぎんのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
監督のクセと雑なところが目立った映画
評価が高かったので、期待して観に行きました。
が…
オープニングから「え?」があって、心配になりました。
その心配は、的中しました。
まず、冒頭のシーンで車が店に突っ込むシーンがあるのですが、事故後の車がひっくり返っていました。
いやいや、そんな突っ込みかたしてなかったでしょ!と言いたくなりました。
そして、入口近くにいた客は?
あと、突っ込まれた衝撃での本の散らかり方が不自然…
学校のシーンでは、いじめに遭って机を油性マジックで落書きされるシーンがあります。
それを消すために、先生にシンナーを借りに行きますが、きちんとした理由がないかぎり、先生はシンナーを貸すことはありません。
仮に「落書きを消したいから」と言ったからといって貸すこともありません。
状況がはっきりわかって、「それなら」となったら貸すかもしれませんが、そうなるといじめが発覚します。
いじめ、先生に知られていませんでしたから、そのまま貸したのでしょう。
時代背景を考えてもあり得ないです。
他にも、「このカットはいらないでしょ」と素人でも思うシーンが多々あったり、夕花の母や夕花の虐待を目撃して止めに入った友達の扱いが雑だったり…
いたるところに「これを入れておけばドラマチックになるだろ」と安易に入れたシーンやセリフ。
そして、最後の最後で泣かせるシーンのところにも雑なところがあって、まったく泣けませんでした。
本編の中学生時代が描かれている夕花は左利きなのに、最後大人になった夕花が焼きうどんを食べるシーンでは右利き。
記憶がなくなったら、利き手も変わるの?
モヤモヤした気持ちで、「監督の自己満足、承認欲求の強さが見られる映画だったな」と思ってエンドロールを観ていたら、やっぱりそうでした。
エンドロールの最後、監督の名前が流れずに中央にストップ。
最後の最後まで、監督が主役の映画で残念きわまりなかったです。