爽子の衝動

劇場公開日:2025年10月10日

解説・あらすじ

「市子」の戸田彬弘監督が手がけたオリジナルの中編作品。生活保護の水際作戦やヤングケアラーなどの社会問題をテーマに、絶望的な環境での生活を強いられる若者に焦点を当てて描いた。

四肢麻痺と失明を抱える父・保と暮らす19歳の爽子は、絵を学びたいという夢を内に秘めたまま、介護と生活費のために日々を費やしている。生活保護の申請も水際作戦で通らず、社会から孤立していく中、唯一頼りにしていた訪問介護士が交代となり、不安を募らせる。ある日、ケースワーカーの訪問をきっかけに、爽子の生活はさらに不安定になり、心のバランスを崩していく。そんな中、新しい介護士・さとが現れるが、抑えきれない衝動によって、爽子は取り返しのつかない行動へと駆り立てられていく。

「市子」も手がけた制作会社「チーズfilm」と、脚本家・野島伸司が総合監修を務める俳優養成所「ポーラスター東京アカデミー」がタッグを組み、これからが期待される俳優を主演に映画を制作するプロジェクト「B.A.P(Boost Actor Project)」の第1弾作品。主人公・園田爽子役には新人の古澤メイを抜てきし、キーパーソンとなる介護士の桐谷さと役を小川黎がオーディションで射止めた。

2025年製作/45分/PG12/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
劇場公開日:2025年10月10日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
戸田彬弘
脚本
戸田彬弘
プロデューサー
King-Guu
亀山暢央
戸田彬弘
アソシエイトプロデューサー
西原龍熙
ラインプロデューサー
深澤知
撮影
春木康輔
照明
藤井隆二
録音
北野愛有
美術
坂入智広
ヘアメイク
七絵
編集
戸田彬弘
MA
吉方淳二
音響効果
吉方淳二
VFX
三輪航大
挿入歌
Norenn
助監督
片山名緒子
スチール
柴崎まどか
宣伝美術
大久保篤
インティマシーコーディネーター
西山ももこ
医療監修
堀エリカ
絵画指導
間瀬英正
全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6

(C)「爽子の衝動」製作委員会

映画レビュー

1.5 「由宇子の天秤」のタイトルと酷似

2025年10月18日
iPhoneアプリから投稿

この監督さんが合わないのか、前回の市子もツッコミどころ満載で少し精神年齢が幼いかな?と思いました。

社会的弱者を扱って、不条理を描くのは否定しづらくなりがちだけど、どうしてヤングケアラーになったのか?しか描いておらず、そしてその後の不幸が重なっていく事で社会が主人公を見放したと描いていますが、現実は本当にこの社会が=悪という問題なのだろうか?

作品を通しての問いがないと感じます。ヤングケアラーも自民党が出した法案などで、正直解決に向かったいますし、そこを否定していったい何になるのだろうか?そもそも論で解決していくのが目的なのだろうか?それは映画的な役割として良いのだろうか?などと市子と通じる欺瞞が強くあり、しかも手持ちカメラでさもドキュメンタリーかと観客に訴えようとするその安易な発想も少し違和感。

ダルデンヌが、この世代の監督さん達が好きなのはわかるが、由宇子の天秤はもっと違うアプローチや技術もふんだんに盛り込まれているし、同じように見えて段違いにレベルも高いように感じます。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ビビ

4.0 衝動なエンディング

2025年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

驚く

杉咲花主演の衝撃作「市子」の
戸田監督とは付き合いが長い。
その戸田監督最新作。

父親の介護をしながら
絵を描く夢を諦めたくない女の子の奮闘劇。
爽子!頑張る!!!

…なんつー美談はひとつもない。
介護をちゃんと描くと
苦悩、悲劇、汚物、性犯罪…more

この映画は、それを隠さない。
隠さないけど、ピックアップもしない。
だから、あざとくない。このバランスが見事。

丁度いいエグさ。

こんな介護の描き方は見たことがない。
これは苦悩ではなく残酷。
生活保護とは?
ヤングケアラーとは?

そして私は“終わり方マニア”である。(初出し)
こんな最高のエンディング…今年No. 1
この終わり方だけで居酒屋で語れる。

心が殴られる45分間作品でした。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
梶野竜太郎

3.0 ピンポイントな『悪い夏』

2025年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
uz

3.5 ぶどう味

2025年10月11日
Androidアプリから投稿

悲しい

脳梗塞による四肢麻痺で、糖尿病網膜症で失明している父親と2人で暮らす19歳の少女の話。

生活保護の申請に行くも舐めプなケースワーカーに苛立ちが抑えられず…と始まっていく。

帰路の買い物や竹を刈って帰る様ははなかなか勢いがあったけれど、ヘッドホンじゃなくてもしかしたらイヤーマフ?からのそんなことまで…。

19歳ならもう少し違う行動もできたんじゃ?と感じるところはあったけれど、何の意味が?と感じた設定をみごとに拾いながら、やり切れなさとか苛立ちを積み上げていくみごとな展開で作中にどっぷり引き込まれたし、決して駆け足でもないのにこの尺でみごとにみせてくれてとても良かった。

ただ、最近こういう残酷さを排除した様なぬるい締め方の作品が多く感じるけれど、もう5秒先までみせたり聞かせたりして、観客を立ち上がれなくしてくれたらなお良いのに…と勿体なく感じた。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
Bacchus