風のマジムのレビュー・感想・評価
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現実の東京はもっと卑怯で姑息なものだ
昔から変わった良いアイディアを出すのは東京の人よりもよその人の方が優れている。一例を上げるなら薩長同盟や大政奉還、船中八策などを考案し、実現した坂本龍馬だ。 本作では伊藤沙莉演じるマジ無が、あ、これをと閃くことでストーリーは進むが現実を言えばあれは僕が考えましたと言わんばかりに圧力をかけられアレオレ詐欺に会うだろう。この作品のタイトルを見て思ったのがマジムンとは沖縄で魔物を意味するだけに台風かなにか来襲するのかと思ってしまった、それにしてもよく魔物の名前など付けたなあ。沖縄感が非常に強く思い付いたままに突き進むまじむを見てると現実の東京なら僕が考えた企画でのようにアイディアトンビに油揚げなのにと思わざる得なかった。と言うのも私が昨年書き上げた本をアレンジし先に出版されたり、電子書籍だっただけに勝手に書籍化され売りさばかれたりソコまでして赤字を埋めてやっても原作者の私には何のお礼もないそれが現実の東京だ。
来月有る学会に応募した演題は研修医が発表するし東京はアイディア泥棒だ、のような激しい怒りが私のなかで渦巻いた。
自分らしく対処しようと思う
天才女優伊藤沙莉本領発揮 さとうきびなのにてんさいこれいかに
2025年映画館鑑賞90作品目
9月22日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1200円
原作は『カフーを待ちわびて』『ランウェイ☆ビート』『でーれーガールズ』『キネマの神様』『総理の夫』の原田マハ
監督はCMディレクターの芳賀薫
脚本は劇団「オッホ」主宰の黒川麻衣
どんな話か?
地元沖縄産サトウキビを原料に初めての国産ラム酒を作る会社を立ち上げた若い女性の話
しかもどうせやるなら主流のインダストリアル製法(サトウキビから砂糖を作る際にできてしまう廃糖蜜を発酵)ではなく希少価値が高いアグリコール製法(サトウキビの搾り汁から直接発酵)に素人がいきなり無謀な挑戦
サトウキビの搾り汁は傷みが早いため工場はサトウキビ畑の隣に作らないといけない
マジムとはヒロインまじむが由来
醸造職人瀬那覇仁裕が出来たばかりの国内初ラム酒に命名した商品名が「風のマジム」
「まじむ」と琉球の言葉で標準語だと「真心」
はじめは軽い気持ちだったものの段々と真剣になっていく過程が見どころ
実話に基づいたフィクション
伊波まじむのモデルはベンチャー企業「グイレス」の社長金城祐子
まじむは独身だが金城社長は子供も抱えていた
プレゼンと交渉がメイン
なんと言っても俳優伊藤沙莉の様々な顔芸に尽きる
エンドロールでもいろいろと振り返るが今回の伊藤沙莉はとても素晴らしい
彼女の代表作と言っても過言ではない
会社でのプレゼンが済んだ時の表情
南大東島でプレゼンしようとしたが断固拒否された時の表情
完成したラム酒を試飲した時の満足げな表情
などなど
兄は彼女を天才女優というがいくら身内でも煽て過ぎと感じたものだがやはり彼女は天才だった
彼女は大根ではないがムラがある
例えば山田孝之白鳥玉季が親子役で共演した『ステップ』で保育士で出演していたがコケかたがコントっぽく酷かった
『タイトル、拒絶』で泣くシーンも嘘泣き丸出しだった
それらも今になって思えば演出家の要求に従ったまでの話なんだと合点がいく
今回の伊藤沙莉は完璧だった
志保はゆりやんレトリィバァっぽかったが別人だった
孫に継いでもらえない豆腐店店主が悲しげでせつない
島の人たちに「ラム酒?マジムリ」と言ってほしかったが沖縄県民という設定では無理があるか
舞台が沖縄だけに沖縄っぽい苗字盛りだくさん
エンドロールのモブキャラのキャストに「運天」の文字が懐かしい
いたなあ元日ハム投手運天ジョンクレイトン
映画を観たあとラム酒が飲みたくなったがコンビニで扱っている店はなかなかない
ジンやウォッカはあってもなかなかラムがない
カンパリを扱っているようなスーパーなら大抵置いているのだが
配役
那覇の豆腐店店主の孫で琉球アイコムの契約社員から沖縄県産ラム酒の企画立案し子会社のラム酒メーカー社長に就任する伊波まじむに伊藤沙莉
まじむやカマルの行きつけのバーのバーテンダーで沖縄県産ラム酒製造のきっかけを作った後藤田吾朗に染谷将太
琉球アイコムの新事業開発部部長でまじむに理解ある儀間鋭一に尚玄
新規開発に関わる先輩社員でクールでちょっときつい糸数啓子にシシド・カフカ
まじむの部署の主任で職場に置くお菓子にうるさい仲宗根光章に橋本一郎
まじむの部署の正社員でまじむに協力する眼鏡の知念冨美枝に小野寺ずる
まじむの中学時代の友人でまじむの祖母や母にも可愛がられている南大東島商工会青年特使の仲里一平になかち
一平の妻で食堂手伝いをしている島の住人で若者がどんどん島を離れていくことを憂いまじむが提案するするラム酒製造事業に賛成し島の反対派に訴えかける仲里志保に下地萌音
一平にアグリコールラムを届ける配達員の友利に川田広樹
地元沖縄でワイン作りをしている伝説の醸造職人でまじむから熱心にラム酒作りをお願いされる瀬那覇仁裕に滝藤賢一
東京の高名な醸造コンサルタントで沖縄でラム酒作りをする気はなく琉球アイコムの方針に反してまじむからは敬遠される朱鷺岡明彦
南大東島の商工会の会長で歩いて1時間の距離を軽トラで村の中心部までまじむを乗せてくれた東江大順に肥後克広
まじむの母でカマルの仕事を手伝う伊波サヨ子に富田靖子
まじむの祖母で豆腐店店主で酒が大好きな伊波カマルに高畑淳子
琉球アイコムの社員に伊芸勇馬
琉球アイコムの社員の野原光雄に宮里紀一郎
プレゼンのライバル社員でサンゴの養殖を提案する仲村渠悠太に玉城琉太
バーテンダーに島袋らな
琉球アイコムの社長の桃原克博
南大東島の村長に大嶺淳
サトウキビ畑のオーナーに仲座健太
サトウキビ畑のオーナーの息子に呉屋栄大
南大東島の反対派に当山彰一
商工会議所のメンバーに大福みっちー
商工会議所のメンバーに金城真文
南大東島の島民に具志堅興治
南大東島の島民に前花友克
朱鷺岡の秘書に小池真名実
沖縄ことば監修&指導に今科子
NHK朝ドラ的な。
南大東島に、行ってみたくなるわけさぁ
9/22@渋谷ユーロスペース。
伊藤沙莉が主演という予告編を見て「即買い」(チェック)していた。
彼女の魅力が全開の佳作でした。これはぜひオススメ。
『虎に翼』以来のお目見えですな。
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沖縄の地場中堅企業に契約社員として働く伊波まじむ(演: 伊藤沙莉)。
まじむとは、沖縄の言葉で真心。自宅に続く作業部屋でゆし豆腐を作り、庭先の席で食べさせる商売をしているおばあ(演: 高畑淳子)が名付けてくれた。
父親はおらず、豆腐作りを手伝う母(演: 富田靖子)と女性三代で暮らしている。
まじむの毎日は、露骨に正社員と差を付けられて鬱々と雑用をこなしている。
同僚だった子は勉強して司法書士に合格して辞めていった。
まじむの唯一の楽しみは、定時後は大好きな酒を飲んで憂さを晴らすこと。ある日、行きつけのバーでバーテンダー(演: 染谷将太)からアグリコールラムの試飲を勧められ、その美味しさに絶句する。
アグリコールラムとは、一般的なラムは製糖のために搾ったあとのサトウキビを原料にするのに対し最初から醸造を目的として搾る、いわば「一番搾り」の高級ラム。
そして同時にラム酒の原料がサトウキビであること、しかしサトウキビが名産の沖縄に沖縄産のラム酒がないことに今更ながら気づく。
後日、いつものようにシュレッダーにかける紙の山を渡されガーガーと放り込んでいると、社内ベンチャー募集のチラシに目が留まる。そこには「契約社員の応募可」の文字が。
突然、沖縄のサトウキビからアグリコールラムを作る事業が天啓のようにひらめいた。
やがて一次審査、二次審査も通過し、意気揚々のまじむだったが、サトウキビの大産地、南大東島の村長をはじめサトウキビ農家は「今のままで良い」と大反対。
酒の設計者となるキーパーソンも、上司、糸数(演: シシド・カフカ)と会社の意向で東京の著名な(しかし片手間感が満載の)醸造家に指名が決まりそう。一方、まじむが惚れ込んだ地元の醸造家、瀬那覇(演: 滝藤賢一)には多忙を理由に断られてしまう…。
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原作は原田マハ。初の沖縄産ラムを作った金城佑子さんをモデルとして創造された物語である。
いやーさすが伊藤沙莉、上手い上手い。かつ、魂が入った演技だった。
そして、作品に派手さが全くないこと、TOHOシネマズ系などメジャーな配給ではないことを考えると、この脇役陣の顔ぶれは尋常ではない(今後の興収によっては公開館が拡大するかも)。
つまり、名だたる芸達者たちが作品の素性と伊藤沙莉に惚れ込んで手弁当感覚で参加している気がする。
南大東島のざわわな風景も目に染みた。まさにまじむの風だ。行ってみたくなる。
タイトル『風のマジム』の種明かしはエンドロール直前に。
大東島産のラム酒を飲みたくなって映画館を出て直ぐにネット注文
沖縄のご当地映画だと思って、少し避け気味でやっと観ましたが、中々良い映画でした。
話しとしては、在り来たりと言えば在り来たり。現実を基にしているお話しなので結末はかなり見えています。
しかし、主演の伊藤沙莉さんを始めとして、出演者の演技がとても良い。
祖母役の高畑淳子さん、母役の富田靖子さん、バーテンダーで友人の染谷将太さん、杜氏役の滝藤賢一さんなど、最初はうちなんちゅー役としてどうなのかな?と思っていたけれど、観ていていつの間にか違和感が無くなり、自然に感情移入ができました。
伊藤沙莉さんは、目の演技が良いですね。
多分、独りで作っている演技ではなくて、相対している役者との呼吸で、自然に演じているのだろうな、と高畑さんや滝藤さんとのやり取りを観ていて思いました。
これを観て、大東島産のラム酒を飲みたくなってしまって、映画館を出て直ぐにネットで注文してしまいました。
これも、映画の力ですね。
南大東島産のラム酒、飲んでみたくなった
沖縄の那覇で豆腐店を営む祖母カマルと母サヨ子と暮らす伊波まじむは、祖母とともに通うバーでラム酒の美味しさに感動し、その原料がサトウキビだと知った。契約社員として働いていた通信会社の新規事業コンクールに、南大東島産サトウキビを原料としたラム酒製造の企画し応募した。やがてその企画は、家族や会社、南大東島の島民をも巻き込む一大プロジェクトへと発展していき・・・という事実を元にした話。
実話ベースというのがなんとも良かった。
まじむ役の伊藤沙莉、祖母役を高畑淳子、母役の富田靖子、とみんなの素晴らしい演技が堪能出来、楽しめた。
上司役のシシドカフカが厳しく仕事の出来る上司役が良かった。
それと、バーテンダー役染谷将太が出しゃばりすぎず良い感じだった。
南大東島に行ってみたくなったし、あのラム酒飲んでみたいと思った。
追記
Amazonでポチッとしてしまった。
ストーリーが分かりやすい構図で面白かった
よかったさ、みたいな感触のよさ
よかったさ。みたいな気持ちになる。
普遍的というか、いま世界で起きてることからしたらたいしたことはないかもしれない「派遣社員女子の沖縄ラム酒づくり」と、一言で言えばそういうことを、そこから想像できることから大きく逸脱することなく丁寧に、ささやかに、その冒険が描かれる。
まるで昨日見た『宝島』と同じ島の話にはまったく見えないが、ワンカットワンカッット、こちらのほうがはるかに見ている時間は豊かな気持ちになる。まあまるで中身が違うけど。
良くも悪くもNHK的なドラマではあったが、親子三世代の、沖縄でこのままでいい、変わらなくてはいけない、という現実はちゃんとある。世代から世代へ、若い世代を応援しようという目線に目頭が熱くなる。沖縄のラムが生まれるその一滴には、本当に多くの人の人生があったればこそ、という展開もいい。そして高畑淳子のつくる豆腐がうまそうだった。そして映画館を出るとラムでもモヒートでも飲みたくなる。
風のマジム
沖縄の風が吹き抜ける
実話を元にした原田マハの小説の映画化。
原作がすごい良いのでそのまま映画にしたらすごい素敵な映画が出来上がりました。という映画
沖縄は人口あたりの居酒屋数が日本一の県(ちなみに2位は高知、3位が東京だそうです)
お酒が大好きなおばあちゃんと行く行きつけの居酒屋でマスターに勧められたラム酒が美味しくて、でも沖縄には泡盛はあるのに沖縄産のラムは無い。原料のサトウキビはいっぱいあるのに!ということで「沖縄産のラムを作る」と言う企画を社内ベンチャーコンクールに応募した派遣社員のOL。企画は見事に通りいきなり新規事業開発部のリーダーに就任。
「じゃあ次は事業計画書ね。工場予定地の選定建設計画、地域住民・市区町村との折衝、予算、収支見積もり、醸造家の選定・・・」
「え、これ全部私がやるんですか?」
「あなたが言い出したんだからあなたがやるのよ」
「人生の大切な事は多くが思いつきで決まる。でも思いついちゃった人は覚悟を決めることが必要。その覚悟ができないならやめなさい」
かくして、たまたま飲んだラムが美味しかったので作ってみたいと言う思いつきは南大東島を舞台に世界に誇る沖縄産のラムを作ると言う壮大なプロジェクトに!
めげない主人公を伊藤沙莉が好演。見終わった後に沖縄の風が心の中を吹き抜けるような実話ベースの優しいサクセスストーリーです。
カメ止め、そして侍…以来の掘り出しもの映画でした😆
丁寧なお仕事映画
沖縄で全てが沖縄産のラム酒を作った契約社員の実話の映画化。
お仕事映画というのは、面白い作品が多い。
自分が知らなかった仕事の世界を知る事が出来る。
ストーリーは定番であっても丁寧な作り。
そして、主人公が優秀な人物や、やたらと熱い人物ではなく、ただの酒好きなのが良い。
「思い付いた者は覚悟が必要」良い台詞だ。
ただ、ラスト近辺、ラム酒の披露会時の思い出の様に差し込まれるそれまでの名シーン、あれは要らないでしょ。泣かせよう演出満々、一気に白けてしまった。
#風のマジム
ジーンときた
実話をもとにしたサクセスストーリー。
予定調和で先がみえる内容でしょと思っていたけど、引き込まれて楽しめた。観に行ってよかった。
「こんなに上手くいくのは物語だから」ってなりがちだけど、この作品は…、どうしてかな?…そこまで自分は感じずスルッと感情移入できました。
演者さんたちの演技力がすごい!おばあの高畑淳子が厳しくてもあったかい感じがすごくいい。
シシド・カフカが怖いのもびったり。
お芝居の沖縄弁には、いつも虫唾が走るのだけど、この作品はほとんど走らず笑 沖縄出身の肥後克広さん、尚玄さんなどが出てたからかな。
とにかく、頑張るマジムこと伊藤沙莉さんが可愛くてかわいくて、スクリーンいっぱいに広がる彼女の表情は、映画館でなければ味わえない、と大満足でした。
ほっこりする
この映画では沖縄本島からだけど、大手企業がやって来て食い荒らされると、場合によっては島ごと駆逐されかねない。
離島の小さな村の人々が心配するのもよく分かる。
おばあが「人様の口に入るもの」と、真摯な姿勢で臨むことを促すのも胸を打つ。
一平のラムが届くタイミングが、予定調和の王道展開すぎるけど、まじむの気持ちが伝わってよかった。
沖縄の人々のおおらかな感じや、悪い人が出てこないのは観ていて安心する。
キツめのキャリアウーマン、なんかヤな感じの正社員、鼻持ちならない東京の醸造家、頑固な村長など、登場人物がステレオタイプなのも良い。
滝藤さんの醸造家は、職人気質でぴったりな役柄だと思う。
なんだか幸せな気持ちになれた。
とても温かい映画
南国感を少し想像してきたけど、それよりも島の人、上司、家族、出会う人々その対話や関係が暖かく描かれていて、スーッと入って来る。高畑淳子さんがとてもいい味出していて、沖縄言葉も素敵でした。
たまたま今年5月に南大東島へ行ったのですが、本当に何も無くサトウキビ畑しか無いと言っても過言では無い
情熱と行動力こそが世の中を動かす
お話としては安定の職業もの。
細々ツッコミたいところもありますし、ご都合主義的な展開も少なくないです。
ただ、なぜか心地よく見てしまう。
沖縄の風土もあるでしょう。伊藤沙莉さん・富田靖子さん・高畑淳子さんの一家の演技がいい意味で安定しているところもあるでしょう。バーテンダー役の染谷将太さんに加えて、会社の上司の3人もしっかり映画を締めています。醸造家役の滝藤賢一さんの存在感は素晴らしいですし、肥後克広さんは出てくるだけで涙が滲んできました。
ただ、本当に特筆すべきは小野寺ずるさん! 「ぶぶ漬けどうどす」に続いて、主人公をサポートする独特の存在感を発揮するキャラは素晴らしかった。
実際の出来事をどこまで忠実なのかわかりませんが、沖縄ならでは豆腐作りの家から沖縄の原料を使ったラム酒作る会社の社長を輩出するという流れがよかったですね。
ゆし豆腐食べたい。
ラム酒も飲みたい。
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