劇場公開日 2025年9月12日

「一歩踏み出す勇気をくれる」風のマジム NUMAYAさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 一歩踏み出す勇気をくれる

2025年10月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

娘の影響でラム酒に興味がわき、その流れで鑑賞。
その他の事前情報ナシで行ったので、キャストの豪華さに驚きました。
主演の伊藤沙莉さんはもちろん、おばあの高畑淳子さんの力強い存在感!言葉の一つ一つに説得力ありました。
そして、母親役の富田靖子さんには泣かされました〜!
ものづくりの物語であり、女三代の物語でもある。
おばあとは対照的に、言葉に出来ずに歌に心をのせる母親。
森山直太朗さんの主題歌ともリンクする素晴らしいシーンで、少し丸まった背中が泣けました。

言葉に出来ないこの胸の内を伝えたくて、私たちはいろんな手段を尽くす。
歌や映画も同じ。
想いを込めて伝わりますように。どうぞ届きますように。
きっとそれは、いま目の前にいない人、更には二度と会えない人にまで届いてほしいという祈りにも似た思い。
パンフレットには二つの歌の歌詞が載っているので、何度も映画の余韻を噛み締められました。
あと、パンフレットにはラム酒についてすごくわかりやすく解説されているので、これもオススメ!

単なる思いつきが、どんどん形になって行く面白さ。
マジムは決して夢に向かってグイグイみんなを引っ張っていくリーダー的な存在ではなく、いろんな人の助言や苦言に真摯に耳を傾ける。
そんな真っ直ぐなマジムを思わず応援したくたります。
様々な問題を対話をもって解決していくところにも感動しました。
目の前に居ない人に思いを届ける為には、それを作る側はきちんと対話を持って同じ方向を見なければ。
紛争や差別にも繋がる、相互理解の根本が描かれていると感じました。

実は私も思いついている事があり。。。ちょっとチャレンジしたくなっちゃいました。
「思いついてしまった人には責任がある」
「諦めたらそこで終わり」
一歩踏み出す勇気を後押ししてくれる映画でした。

NUMAYA