「需要、高っ!」顔だけじゃ好きになりません U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
需要、高っ!
このヒロインは好きだ。
怒涛のドUP攻勢に潔ささえ感じてしまう。
彼のファンには需要が高いのだろうなぁー。ネタがSNS関連の話だし、主観でも見れるとの狙いもあるのかもしれない。そして、その画面を一時停止して眺めるであろうファンの心情をヒロインが声高に叫んでくれる。
テーマとしてはそれなりに興味深い。
ルッキズムの弊害とでも言うのだろうか。超絶美形の外見が故に内面を見てももらえず、その外見とそぐわない内面を持つ主人公。
勝手に落胆される環境が続き、外見へのコンプレックスに不登校にまでなってしまう。
劇中で、彼が変装して顔を隠して登場するカットがある。その仕草というか、佇まいは外見からの影響を受けない状態で…なんだかいい奴なんだろうなと思えてしまう。
人は見た目が100%っいう作品があったけど、外見による補正に俺自身、驚いたシーンだった。
あの顔で言われるから受け入れ難い台詞も、ピントが合わない眼鏡なんかかけて見ると共感も同情もしてやれるんだろうなぁと思う。
そんなキャラを創り上げた宮世氏は天晴れだった。
ただ…
元が少女漫画で、しかも結構甘々な部類の話なので、繰り広げられるシチュエーションに、口元がひくつく。甘すぎて素直に堪能できない感じだ。
球速300キロくらいのド真ん中ド直球が、連チャンで投げられる。捕手として受け止める俺は、その度に10メートル程吹っ飛ばされる感じだ。
落とし所は悪くはないんだけど…ヒロインの前で跪いた時はミットが破れるくらいだった。
多少、強引な設定や展開はあるものの、嫌悪感までは抱かないと思う。
まぁ、とにかく劇場よりは円盤の方が売れるんだろうなぁと思わんでもなく…ドUP攻勢に舵をきった決め打ちとでも言うのだろうか。需要を最大限に意識し活用した作品に思う。