異端者の家のレビュー・感想・評価
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ヒュー・グラントの妙味を研究し尽くした唯一無二のホラー
かつてヒュー・グラントがロマコメ帝王だったことが都市伝説に思えるほど、ここ最近の彼は変幻自在だ。たとえ陰湿でナルシストな”嫌な奴”に振り切れたとしても、観客は苦笑いしながら、でもやっぱり彼の個性に魅了されてしまう。そんな彼が行きついたホラーの新境地。今回のキャラを構成するのはやはり”喋り”だ。ほぼ全編が彼のセリフ回しで占められていると言っていい。通常なら一人の俳優がこれほど喋り続けると観客も早々に飽きるものだが、相変わらずの甘いマスクで、まるで歌うように知的で優雅で緩急タイミングの絶妙な演技をやられると、この出口なき家さながらにもう止められないし、出られない。私自身、鑑賞中の自分が果たして恐怖しているのか、それとも魅了されているのか、最後まで分からなかったほど。どんな役でもグラントはグラント。これは他のキャストでは置き換え不可能な、もはや彼のために仕立てられたホラー。だからこそ最高なのだ。
サイコパスなのにいつものヒュー・グラント!?
宗教の布教活動をしている2人の若い女性がドアをノックすると、目の前にリードと名乗る気さくな中年男性が現れて、家の裏で妻がブルーベリーパイを焼いているから一休みして行かないかと提案する。女性たちはその誘いを受け入れる。
しかし、男は2人の話に耳を傾ける気などさらさらなく、宗教に関する持論を展開し始める。同時に、その家は脱出不可能な設えになっていて。という密室サイコパスホラー。
これまでも、入ってはいけない家に入ってしまった訪問者たちが死ぬほど怖い思いをする同じジャンルに属する傑作が何本かあった。しかし本作の場合、宗教にまつわる(まつわらなくても)持論というものが他者にとっていかに不快か!?というテーマが観客を苛立たせるところが異色と言える。そして、この世界のどこかでは閉ざされた家の中であらゆる異端者が息を殺して獲物が引っ掛かるのを待っているというリアリティが、異色に拍車をかける。
最大の見どころは多少既視感がある物語を独特の個性で牽引していくリード役のヒュー・グラントだと言って過言ではない。英国が生んだ世紀のチャラ男から、最近は軽妙や悪役までカバーするグラントが、ここではなんと、いつも通りのグラントを演じることで恐ろしいサイコパスになりきっていることに驚く。いう言われれば、グラントの目はいつも危険な光を放っていたことに気づく人は多いかも知れない。異なる役に挑戦し、都度変身するのではなく、役を自分に引き寄せてきたということに。改めてヒュー・グラント、凄い俳優である。
帰りの終電の地下鉄で
酔っ払いのイキり陰キャオタクがふたり
大声でポケポケのアルセウスの話してて
「お前は神を背負えるのか?」とか御託並べてるけど
日本の神様って本当にカジュアルで素敵よね。
過去も現在も世界の混乱は大抵は三大宗教と
そのバリエーションによって引き起こされてるし
(まあ自由主義経済が現在の最大の宗教だとしてもさ)
何かを信じさせることで人々を戦いに導いてきたから
結論を聞く限りこの話はその縮図でしかないんだよな。
オリジナルがユダヤ教で
あとは模倣とアレンジでしかないって言われて
それぞれの宗教を信じる人はどう思ったんだろ?
特にモルモン教徒とレディオヘッド教徒は
かなり複雑な心境になったと思うけど
いまいちピンとこない日本に生まれて良かったね。
でも日本には「無関心」と「意地悪」と「陰口」っていう
とてつもない宗教があるからなあ。
お天道様が見てても悪いことするようになってしまったし。
パパ活や風俗がすごいのも倫理観が宗教に根ざしてないから?
と思ってGrokに聞いたら全世界的な現象だったごめん。
そう考えるとシスター・バーンズの改宗させる手段は…?
ビショップとの関係は?とか邪推したりしちゃう。
なんだか所々に性的な話出てくるしね。
あとストーリーの核に荘子の逸話しか持ってこれないのは
西洋文明の持つ閉鎖性を如実に物語ってるわね(私見)。
まあ共通のナラティブはそれぞれの聖典しかないものね。
主演の2人は本当に可愛くて素敵。
ヒュー・グラントはすごい良いんだけど
狂気を演じるにはどうしても上品すぎるんだよなあ。
あと家のミニチュアの演出はすごく良かったです!
それではハバナイスムービー!
布教訪問って正直怖いなって思っていたら、まさかの訪問先が怖すぎた!
みなさんはご自宅に布教訪問されたことはあるでしょうか。
いきなりインターホンでピンポーンってやってきて、玄関開けると聖書を持った人がいるってやつ。
最近は少しずつ見かけなくなってきたけど、飛び込み営業みたいで、正直不気味だなって不安感を抱くことも多いです。
本作ではその布教訪問する人ではなく、逆に訪問された側の人の主が実はヤバかったって映画です。
いわゆる、舐めてた相手がヤバいやつだったの最新作。
「クワイエットプレイス」の脚本を担当していたスコット・ベックが監督を務めていることもあり、音のない緊張感の演出はかなり良かった。
なんといっても「ノッティングヒルの恋人」「ラブアクチュアリー」など出演し、ロマンティックコメディの顔であったヒューグランドが今回恐ろしい悪役を演じていただけで大満足。
また、布教活動する2人の少女には「ブギーマン」や「エクソシスト」などホラー作品に出演し、今注目されているソフィー・サッチャー。「フェイブルマンズ」にも出演しているクロエ・イースト。2人の健気に布教活動に取り組む姿、徐々に罠にハマっていく姿が辛い。
前半、宗教観を軸に繰り広げられる会話劇によるスリラーから後半、脱出できないし、何が襲いかかるかわからない良い不気味な展開までも面白かった。
単純なホラー映画とはいえない、まさにA24が放つ新感覚ホラーと言ってもいい作品。
ジャンプスケアも比較的多く無く、基本は対話や思想について描かれていく。
いきなり見せずに想像させる猶予がまた怖い。
ブルーベリーの香りするキャンドルに気づいたとにに、キャンドルとカメラが一緒に回るためすぐには視聴者は見えない。
扉を開ける際にも、空いた扉側からのカメラカットになり、一体何があるのかが、すぐには見せてくれない。
このちょっとした猶予が恐怖を煽る。
本作の魅力の一つなのがリードが住む家。さまざな奇妙な仕掛けが用意されており、しかも不気味なのが、微かに気づけるように仕組まれていることである。
気が付かない仕掛けなら意外に怖くないが、気がつく仕掛けほど不安感を抱く罠はない。
オープンに議論しにくいテーマを選んだらしい。それが「宗教」らしい。
たしかに、本来宗教は人を支え、導くもの、救うものから、他のもので例えるさまは非常に興味深かったし、共感する部分も多かった。
神様からの助言であればもともと受けたお言葉が最も正しい助言になるはず。
ただ、実際は時代や生き方に合わせて変化しているのは、結局のところ人の解釈によって調整している気がする。
ようは都合よく人間が解釈しているのでは。
しかも、いろいろ派生していいとこ取りみたいなのって違和感である。
ここに関する疑問視や着地の思想については映画表現として興味深かった。
ただ、本作でもう少し見たかったのは、なぜリードがその思想にたどり着いたのか?
リードは宗教について関心があり、かなり勉強をしていた、ただその結果、信じていた思想が違うと否定された瞬間があったはず。
その結果、本作のリードが生まれてしまったのだと思う。
そのリードが生まれたきっかけをもう少し深く知りたかった。
まさにエスターのエスター0みたいな内容がいずれみたいと思った。
ヒュー様見たさに頑張った💜
脱出できるよう祈ります
宗教の種類はあれども
どの宗教も説いていることは同じである。
同じことを説いていても、人種地域生息環境により
説いていることの解釈に差異が生れる。
この差異を比較し何が優れているか?
と違いを強調しオセロゲームを繰り広げてきたのが
一神教の世界だろう。
この一神教を強く支え広く普及することに
貢献してきたのは、間違いなく母となる
女性達であったことは歴史的に
明らかだと思うが、そこに着目し
それが歪んでくるきっかけとなることを
露わにしストーリーへと落とし込んだ秀作が
本作だと思う。
僕はその点で本作を良い作品だと評価したい。
強く支え広げる原動力となりうる女性達は
信仰でありながらも利益追求が短期の現世利益的で
現実的である。
だが信仰は人間が生み出した幻想で理想故
現世利益を求めるものではなく勿論現実的なものではない
この歪みに気づいて宗教的解決が起これば
そもそも宗教の説く最高値は得られるのだから◎
以上、
僕にとって現状の最終地点に到達した
今だからこその名作(^^)ええ鑑賞でした和
普通のブルーベリーパイが食べたいのだよ
観たことの無いホラー?映画。
これ迄に観たことの無い、会話劇、推理劇サスペンスホラーとでも言うのだろうか物凄く面白い映画でした。
ヒュー・グラントのうざ似非アカデミック親爺の人物造形と演技!あまりにも素晴らしい!被害者である2人の少女達の聡明さと宗教的頑迷さが混在した人物造形と演技も負けず劣らず素晴らしかった。
登場人物の誰にも好意を抱けませんが、共感出来るのは圧倒的にヒュー・グラントという意地悪さ、監督さんクレバー過ぎです。モルモンの一夫多妻への突っ込み、ワクワクし過ぎて仰け反りました。
何故か本格推理劇をも織り込みつつお話は楽しく進み、美しいエンディングのまとめ方も素晴らしく感動でした。
レディヘなんて若者は知らないんだよ!って事で傑作です。
エンディングの妙
ホラーなんだか、スリラーなんだか、サスペンスなんだか・・・?
えーっと・・・ソフィー・サッチャーってこんなに美人だったんか・・・と、終始ソフィーの美しさに魅了されました。撮り方が素晴らしい。とにかく美人でした。
・・・それだけ?(汗💦
ヒュー・グラントの怪演があってこそ、寝ずに済みました。
がしかし、ほぼほぼ宗教の話で、賛否が分かれるのは明らかでして・・・
宗教信仰というものがいかなるものか、逆手に取って語る手法。そこにホラーのごとき存在を出すことで、なんかゴチャゴチャなホラー?スリラー?サスペンス?なジャンルになってしまっており、面白かった!とはならない。
微妙ですね・・・
GWに映画館で見る映画も尽きてきたところで、最後に観るには、題材が重すぎました(笑)
いっそ、もっとホラーに振り切ってもらった方が良かったという感想ですね。
脱出モノではあるが、予告に裏切られた感が半端ないw
何故人は祈るのか?
モルモン教の宣教師の女子二人組が主人公という設定が珍しく、面白い。
もしこれがメジャー宗教の信者だったら、
リードおじさんの宗教についての力強い追求、モノポリーに例えた反復という主張に対する脆さ、危うさのようなものは描けなかったのだと思う。
実際、金髪の方の女の子はかなり信仰が揺らいでいたように見える。
前半は不気味な家の中での恐怖の演出がよく出来ていたけれど、
リードの軽妙で飄々とした振る舞いがプッシュされ始めてから、純粋なホラーというよりは知的スリラーのような雰囲気を帯び始めるので、あまり怖くない。
後半部分はどうもリアルさに欠けて、失速したような雰囲気があった。
「無意味とわかりつつ何故祈るのか」という問いに対する金髪の女の子の返答はとても考えさせられた。
宗教に生きる者として美しい返答だと思う。
黒髪の女の子の体内に入っていたアレのこともあるし、
後半の知的を気取った感じを無くして、主人公達の友情と絆をもっとプッシュすれば、怖くも美しい映画になれたと思う。
最後まで恐さが続く
期待してたのと違った
どなたかのレビューで、「思っていたのと違った」というのがありましたが、まさしく私もそう感じました。
中盤での、ヒューグラントが語っていた宗教観に関してはある意味興味深く、面白かったけど、私としては脱出ムービーと思っていたので、ちょっとそれとは違うかなと。
定番のドキッとする場面はあったけど(恥ずかしながら身体がビクッとしてしまった)
ユナイテッドシネマで、早くも狭いスクリーンに移り、しかも、かなり上映期間が短そうだなと嫌な予感がしたけど、実際に入場者も少なく、やっぱりそういうことですね。
アメリカ(それともカナダ?)とかではああいう森の中の一軒家とかが良く出てくるけど、こんなとこに女性二人で訪問させるなよと思ってしまったのは私だけですか。
あの家には布教に行きたくありません。
家の外観がスクリーンに映し出されると、もう定番のような
雰囲気なので、それでグッとストーリー展開に対して期待値が
上がった。
最近いろいろな役を演じているヒュー・グラントが刃物を持って
襲ってくる殺人鬼でもなく、理路整然と自分の考えを述べるだけで、
部屋の内装と相まって、漂う空気や雰囲気が怖い。
アメリカだと本当にこういう内装の家がありそう。
ストーリー展開はタイトルの「異端者の家」というところから、
宗教絡みかなと想像していたけど、それ以上でした。
シスターを演じた二人の女優さんが役の入り込み具合がすごくて、
特にパクストン役のクロエ・リードが素晴らしくて、
今後確実に伸びてくると思います。
それにしてもA24って作品を見つける嗅覚が鋭いと思う。
ハズレもあるけど。
「脱出系オバケ屋敷を期待して入ったらすぐに出口だったけど、途中の展示はけっこう良かった」
劇場予告を見て「仕掛け満載の迷路みたいな家から脱出する話なのかな?」と思ってたら全然違いましたわい。
(YouTubeのCMは、その勘違いを更に加速させる作りになってて、なんともかんとも)
ヒュー・グラントん家にモルモン教の宣教にやって来たシスター二人は快く招き入れられるが、実はヒュー・グラントは、あらゆる宗教を研究した既存の宗教を論破したいオジサンでした。しかも、内面は非常に邪悪なクソ野郎で、二人を招き入れた目的は…。
ホラーと言うより、会話がメインのサスペンス。2つの扉を選んでから脱出までのハラハラを期待すると肩透かしを食らう。実は2つの扉に行く前がサスペンスの山場だったんだよなぁ。
家に入って、にこやかに対応してくれるヒュー・グラントだけど、「あれ、なんかこの状況、ヤバくない?」「でも相手は常識の範疇の振る舞いだし、ここで帰りますって言うのも失礼になるし…」「何とか退室する口実を見つけないと」と、モタモタしている内にどんどん状況が悪化して行く感じは、キャッチセールスや、まさに宗教の勧誘に引っ掛かった時に似ていて、他人事なら無茶苦茶面白いサスペンス。
しかも、ヒュー・グラントの話すモルモン教(他の既存の宗教も)の教義の矛盾点や、バーガーチェーンやモノポリーの普及発展に例えた宗教の話が、「こんな講義授業があるなら聞いてみたいな」と思えるくらいに結構面白くて、聞き入ってしまいましたよ。
「宗教の教え」と「システム」の問題など、観賞後、家に持ち帰って色々考えたりも出来る、小ぶりながらも中々の良作。
例えるなら「脱出系オバケ屋敷を期待して入ったらすぐに出口だったけど、途中の展示はけっこう良かった」という印象でした。
自称クリティック派から、あれは奇妙な隣人程度ですな。
微妙だけど楽しかった
全153件中、1~20件目を表示
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