異端者の家のレビュー・感想・評価
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雨と音とヒューグラントと
家に誘い込むのに、「雨」というのは古典的な手法。「ムカデ人間」そうだったよね。
それに、自転車とか時計の音を意味ありげに響かしているのも導入としてはいいね。
個人的には冒頭の2人の無駄話が好みだなあ。タランティーノっぽくて。ヒューグラントの語りも意味があるようでなさそうで、でもなんか説得力あってよかった。
あのラブコメの帝王がねえ!あのキャスティングはほんとお見事!そしてその期待にしっかり応えるヒューグラントもお見事!
今回はパンフ購入しましたよ!しかーし、★は4.5なぜ、0.5下げたのか。
やはり、ラストだよねぇ。死んだと思ったシスターBが釘角材でぶんなぐるの、意味あった?あのままでもリード氏はアウトだったはず。なんだかんだで全員死亡がよかったのになあ。ファイナルガールとなるシスターPも途中から聡明な人にキャラ変しちゃうし、そこが弱くなってた。それに、「支配」というのなら、リード氏はシスターを絶対に傷つけないでほしかった。中盤までは、全く傷つけず不安で縛っていく流れがよかったのに。カッターで切り付けていくのは、普通の殺人者だよね。
あと、2人を探しにくる同僚の男の存在感が皆無。あれなら名無しの郵便屋でもよかった。あそこら辺もやるならもっと絡ませないと。
家の仕掛けも改めて考えると全然脱出不可能じゃないしね。キャスティングと作品コンセプトはよかったけど、
やっぱ、ラストがなあ
A24にしてはラストが、、、、でもパンフは買いたくなった!
2025年劇場鑑賞21作品目(22回鑑賞)
アンチ宗教家ひろゆきVS似非アイドル布教活動家2人
今週も金曜日がやってきたぜ👍
と言わんばかりにマ王、仕事終わりに映画館へと直行🏃
愛車を走らせ映画館に着くと目当ての「ベターマン」······な、何ぃ‼️
今日から「異端者の家」を公開してるだと⁉️
音速で浮気心が炸裂し「異端者の家」(R15)のチケットを購入してたマ王🌀←前回と全く同じ
まぁ、おそらくだが「ベターマン」はU-NEXTかアマプラになるだろう(今後も観たい映画が目白押しだから)
さて本作の内容だが現在、何らかの宗教を信じている方々にはオススメ出来ない😅
特に一神教の信仰者には少々キツい映画であるのが感想だった😬
映画としては構成もシッカリしてるし脚本も良く練られてる✨
ヒュー・グラントの演技にも面白味を感じたしモルモン教信者の女性2人も適度に地味でキャスティングも成功していると思う🥸
また物語の伏線回収が見事で最後まで楽しめる映画でした👍
が、色んな要素を詰め込み過ぎてて全体的に薄口な印象が否めない🤔
当然、R15を期待してはいけないし冒頭が長過ぎて本題に入るまでが間延びしてる気がするのよ💦
アップテンポな映画ではないので、その点にだけ注意すれば良作と言えよう🌟
しかしヒュー・グラントがどうしても『ひろゆき氏』と重なって見えたのはマ王だけかいな😑
どうにかして論破しようとエグい方法を使って、神、の存在を否定し剰え自分の信じる神の存在を証明しようとする姿が「それって貴方の考えですよね」と言ってるように思えたのよね😆
彼の言う、奇跡、は結局自分自身で体現するし体験させられるというオチは見事と言えばそうなんだけどさぁ~
マ王的には、都合が良過ぎねぇか?、と感じてしまったワケよ😶
それでもエンドクレジットで流れる「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」にはニヤリとしてしまったマ王🥴
全体的には暗くて地味な映画だけど合格点ではある😋
ただし前述通り神様を信じてる方々には業腹な内容なので、なるべくなら多神教か無神論者辺りには観てもらいたい✨
所でマ王はラストの20分くらいからトイレに行きたくなっちゃってねぇ~
眠気を紛らわす為に購入したスタバのコーヒーがアカンかった(カフェインは利尿効果がある)
エンドクレジットが終わって即立ち上がりトイレに駆け込んだマ王はギリギリセーフで用を足した🚽
TOTOの文字に神の姿を見た金曜日の夜⛩️←危なかった
映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
ジュリア・ロバーツの尻を追っ掛けてた頃のヒュー・グラントでは無い度★★★★★
モルモン教信者の女性2人微妙にブス度★★★★☆
ごめんなさい、追記という形でマ王の『神』に対する考え方を書いときます💦(今回のレビュー、読み直すとマ王も薄口だった)
マ王自身も現代の信仰心には疑問を持っております。
信者の持つ希望に対価として金銭を要求する姿勢は、資本主義且つビジネスライクに感じてなりません。
システムを批判するつもりはありませんが、そうしないと成り立たない、と言うのならマ王的には願い下げです。
しかし人間てのは弱い存在なので心の拠り所として何かを信じないと立ってられない瞬間がある場合もあります。
ソレは愛する人を思う時であったり進学に悩む時期であったり自身の将来に向けての漠然とした不安であったりと様々な形だと感じています。
マ王自身も(マ王と名乗ってても)神頼みした事だって多々ありますが、大体にして結果を出す為に起こった事象に神の介入は見られませんでした。
マ王の経験上、結局は自分で何かを起こさなければ何一つとして成せないのよね。
愛する人に対しては神より先に傍にいなけりゃ伝わらない、進学だって単語一つ勉強するなら机に向かうべきだし、漠然とした不安にはそれこそ行動するしか答えは出ない。
起爆剤としての神頼みは必要だとは思います←人間だから仕方無い
でも神に対して依存するのは正直なトコ、自分の人生への冒涜というか責任を放棄しているようにしか感じません。
無神論者のマ王ですが、心の拠り所は持っています。
マ王はソレを神とは思って無いだけで皮肉の上手な人なら、それこそが神の存在なのです、とか返されそうな気もするけど、だとしたら神とは個人的な支えでしか存在せず何か希望を叶えてくれるドラえもんでは無いのをマ王は強く信じてます。
『先ずはこの壺を買いなさい』系から始まる宗教は、んじゃ壺こそドラえもんなんだな、と思うのがマ王でありマ王の人生観の一つでもあります。
以上、追記でした😁
⭐︎4.0 / 5.0
宗教の本質を問う異端者
冒頭の
シスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)と
シスター・パクストン(クロエ・イースト)の会話や異端者の家に向かうまでの道中で
二人のキャラクターを印象づけているのが、後半実に効いてくる。
そして、異端者ミスター・リードの家が教会っぽいのも効いてくる。
ミスター・リードに宗教の本質を問うような議論をふっかけられ、
両シスターの信仰をゆらがせつつ、家の中で仕掛けをつかいながら、どんどん追い込んでいく。
この辺りからホラー要素を交えつつ、リードの歪な宗教観を具現化した
囚われの女性たちが登場し、実に陰鬱な気持ちになった。
一方、シスターたちも負けてはいない。
バーンズは強く凛とした佇まいでリードと対峙、パクストンの支えにもなっているが
後半よもや殺されるとは思わなかった。
パクストンは弱々しい印象だった前半とはうって変わって、バーンズが死んでから覚醒!
特にメガネをとってからは、どんどん逞しくなっていくパクストンに惚れた。
リードとのラストバトルも秀逸&まさかのバーンズが一瞬蘇生するのも予想していなかったが、
伏線回収をちゃんとしていてスッキリした。
が、教会から二人を探しにきた神父?は、かなり肩透かし。大空振りだった(笑)
すごく思わせぶりなまま、大空振り三球三振的な?すごい脱力感。
でも、それ以外は面白いからOK。
リードを演じたヒュー・グラントの
優しくも不穏で不気味で冷酷なサイコキラー演技がすごい。不気味すぎて怖すぎる。
顔の皺が余計にリードを怖くしていると感じた。
バーンズを演じたソフィー・サッチャーの凛々しい演技も良かったし、
何よりパクストンを演じたクロエ・イーストの徐々に強く変化していく様を演技で
見事に体現していたのが私にはもっとも刺さった。すごい。素晴らしい!!
ラストショットのパクストンも神々しくて魅入ってしまう終わり方で大満足。
宗教とは何ぞや?というのも大いに考えさせられ、ただのスリラー作品ではないなと感じた。
パンフレットを買った(A24のビニールバッグ付でお得な気分に!)ので
じっくり余韻に浸ろうと思う。
本日レイトショーで鑑賞したが、品の良さそうなおばさま5人組が、鑑賞後にめっちゃ怖かった〜と
感想を言い合っていたのが微笑ましかった☺️
論破王
「洗脳」・「支配」
日本でもよくカルト宗教にのめり込む信者達へ使われるこれらの言葉は実は全ての宗教を信仰する者へ当てはまるのではないか、と狂った宗教研究家?に詰め寄られるモルモン教布教中のシスター達の悲劇のお話。
全米でスマッシュヒットしたらしいが、アメリカのエンタメは何事にも優先されるという事かw
抗議もあったそうだが、なかなかの寛容ぶりに驚く。
家に閉じ込められ、布教や戒律(避妊の否定や服装・食事等の制限)だけでなく、日常の大小様々な選択でさえ実は自らの意思で決めていないのでは?それはまさに支配されてることと同意でしょ?と詰められ、信仰心を疑いそうになりながらも必死に逃げようとするが、用意周到に何重にも罠が張ってあり、お望み通り信仰を否定してやっても解放してくれない気満々な宗教オタク役のヒュー・グラントが恐ろしくもハマり過ぎて面白かった。
キリスト信仰の宗教のオリジナルはユダヤ教でそれ以外は派生したものだが、モルモン教が世の中に広く広まっているのは布教活動をしたから、というのをモノポリーを例に論じるシーンは凄く納得。
一夫多妻制は教祖ジョセフ・スミスの個人的な趣味?・・・確かに聞いたことはあるが大丈夫かw
そう言えばユタ出身のケント・デリカットもモルモン教徒だったっけ。
シスターズがだんだん魅力的に見えてくる不思議。
避妊インプラントって初めて見たけどあんな場所に設置するとは驚き。
学生時代、自分の周りにもただ議論したいだけの面倒くさい奴っていたなあ、と懐かしく思いながら観てた。
ド変態ヒュー(褒めてる)
ヒュー・グラントがハマり過ぎ
またまたKnockin' on Heaven's Door
復活のシスター・バーンズ を演じてたSophie Bathsheba Thatcher
がエンドロールで聴かせてくれる、この曲
作品にもあってて彼女の声が最高です。
ホリーズの
The Air That I Breatheも聴けます。
狂信者のタワゴトやストーリー、それにホラー表現に目新しいところは感じませんでしたが、
3はマジックナンバーですね、三人の演技で、作中に引き込まれてました。
映画館、行ってよかったです!
楽しみにしていたので公開初日に映画館で
ストーリーがしっかりしていて奥が深い。グロで怖がらせるホラーとは一線を画す。ヒュー・グラントの演技が秀逸でリビングで穏やかに話してる時からゾクゾク、ザワザワしてきて、途中からずっと気を張り詰めて見入ってしまった。効果音の使い方もさすがA24。何度も驚かされ心臓に悪いなと。笑
宗教絡め具合が欧米人に受けそうと思ったらかなり賞も取ってる。モルモン教やキリスト教の信仰の厚いアメリカ人の友達(映画に出てくる二人のシスターみたいな)がいるので宗教の話はよく理解できた。そのあたりは欧米と日本で評価が分かれるかもしれない。
信じるように言えば信じることについて考えさせるため、今夜君たちに一つのアイデアを売り込む
『ドント・ブリーズ』ならぬドント・ビリーブ?! 唯一絶対の宗教、その正体を知りたくないか…それは、ノリノリな恐怖のヒュー・グラント劇場だ!一挙手一投足に寄りのショットがヤバいし、まさかあの歌を聴けるとは!! そんな絶好調な名優のキャリアにおいてもハイライトになりそうなくらい強烈なインパクトを残す怪演に対峙する、若き2人のシスターを描いた宗教ホラーは、まるでブルーベリーパイのように悪魔的だ。
"反復"。焼き直されていく内に当初のメッセージや意図は希釈されてしまうのが世の常。そして、それでも手を変え品を変え擦っては搾り取れるだけ搾り掠め取る資本主義ビジネスのシステム(「新しい」作品を作れなくなっている昨今の映画界もまさしく)。人生の選択を他人に委ねてばかりいたら、自分の人生を支配される。不運に付け入られては、いつしか主導権はなくなり、他者にていよくコキ使われる。
人生は選択の連続ならばあなたは何を信じてきただろうか。ちょっと立ち止まって考えてほしい、時に行き過ぎた宗教観や対立に一石を投じる疑問符?長きにわたって人類の戦争の原因にもなってきた宗教というものを、芯を食った見方で描きながら、最後にはそれでも(意味がなくても)誰か他者のために祈ることを説く。大切な人の周りを飛んで見守る…。
思っていたような迷路映画ではなかったけど、撮影や見せ方含めた語り口が独創的で良かったし新鮮だった。
P.S. 日本人の大半よりも信仰心が厚く、そもそも密接に結びついているであろう海外の人が観た方が、賛否問わず深い深度で本作のこと刺さりそう。という意味で、この島国での海外レベルの大ヒットは難しそう?宗教モノの壁。
蝶
ホリーズ、モノポリー
BELIEF DISBELIEF
支配
イカれたおっさん劇場
キリスト教と宗派
世界に24億人いるキリスト教徒
だが聖典となる旧約聖書の解釈
イエスを産んだマリアの方が偉い
というマリア信仰
何なら新約聖書など
様々な宗派がありおおまかには
全世界のほぼ半数を占める
先日逝去されたローマ教皇を
中心としたカトリック
その次に多いのは
16世紀にルターの宗教改革以後
生まれたプロテスタント
である
今作はその宗派における
(プロテスタントとする定義もある)
「末日聖徒イエス・キリスト教会」
かつてはモルモン教と言われた宗派の
の布教活動を行うシスター達が
軽いノリで訪れたおっさんの家に
入ったが最後トンデモな目に
遭うサイコスリラー
どうだったか
ブラピほど突き抜け過ぎず
さりげないナイスガイの代表格
だったが今はいいおっさんになった
ヒュー・グラントのイカれた
演技は最高でしたが
どうしてもテーマがテーマ
宗教観からくる受け取りが
どうしても日本人にはなじみにくく
会話劇も本国の人らの方が
もっと面白いんだろうな~と
感じてしまうところがあった
二人のシスター
バーンズとパクストンは
家に入る前に確実に嫌な予感がして
独身男だったらさっさと帰るよと
決めた者の
「奥さんいますか?」と聞くと
「いるよ!(ウソはついてない)」
と答えられたりして
結局どんどん引き入れられてしまう
ご都合的に通じないスマホの電波
なんだそれはと笑ってしまう家の
わけわからんギミック
A24系特有のいつものチープ感と
合間って怖いと言うよりギャグに
なっていました
「一夫多妻制は認める?」とか
それあっちの宗教じゃんと
誰もが思ったり(笑)
ラストも投げっぱなしな感じで
多分すぐ忘れそうな映画だが
まぁたまにはホラーもね
ってホラーじゃなかったけど
演技力
終盤に動きはありますが、それ以外はほぼワンシチュエーションの会話劇です。また、題名からも察せられるように、その会話の内容も宗教についてが殆どで、宗教に興味がないと退屈に感じるかも知れません。それに、驚くようなオチが用意されている訳でもないです。
ただ、ヒュー・グラントの目的が分からず、先の展開が読めない事に加えて、三人の役者の演技がとても上手いので、緊張感と怖さは伝わってきました。という訳で、人に勧めるかと聞かれればNOですが、観て良かったと思います。
追記
ブリジット・ジョーンズの日記を鑑賞したばかりだったので、ヒュー・グラントのことがそれとダブって変に見えるかなと思ったのですが、そんな心配は無用でした。それだけ演技が良かったのだと思います。
これぞA24のサイコスリラー!
文句なし!魂が震える程の余韻があった!!
ラストのまばゆく神々しい光の光景に魂が震えました。
ソウ系の脱出劇を予想していましたが、宗教の小難しい会話劇が多めです。しかし、その会話劇も苦にならず、宗教の本質に迫る内容です。ポイントは「支配」と「祈り」です。
リードが序盤に多妻婚を話し、それを支配によって望みを叶えていることなんでしょう。
神が本当にいるのかは誰も証明できませんが、少なくとも私達は、神に祈ることによって救われる奇跡があると感じた映画でした。
奥が深く、秀作だと思います。
もともとヒューグラントという俳優がソレほどすごい役者だとは思ってい...
どの要素もちょっとずつ楽しめる
モルモン教について、ネットで確認してからみたほうがいいです。たぶん、以下四点を押さえておけば、映画のおおよその流れにはついていけると思います。
①正式名称「末日聖徒イエス・キリスト教会」
②1830年にアメリカでジョゼフ・スミスによって創立
③聖書に加え、モルモン経を聖典としている
④モルモン教徒は道徳的、勤勉で宣教活動に熱心
難しい宗教論はさておき、ホラー、サイコ、サスペンス、ミステリー等、なんでもいいけどちょっとゾクッと怖いのが観たいという人にはうってつけ。
いたいけな少女たちの逆転劇の要素もあるので、〝萌えポイント〟は意外と多い。モノポリーとか駆け引きのあるゲームが好きな知的好奇心のある人も相応には楽しめる。
逆に言うと、どれも少しずつなので物足りないと感じる人もいるかもです。
物足りないと思う人は、自分ならどう反論するか、とか、どのタイミングで脱出機会を見つけるか、なんてことを検証してみるのも楽しそう🤗
洋楽、映画、宗教ネタに詳しいと面白さ倍増。
爆笑した。無神論者サイコパスvs信教者というシンプルな内容だが宗教や洋楽や洋画に興味がないとなかなかウケないかもしれない。「スワンプシング」の台詞が引用されるシーンなんてよっぽどのホラー好きじゃなきゃ誰が知ってんだよと思った。笑
この映画はエンディングまで「パクリ」ネタのオンパレードで洋楽に詳しいと楽しさが増す。Mazzy Starの「fade into you」が流れるかと思いきやBob Dylanの「Knocking on heaven's door」が流れたのも爆笑した。
ホラー映画でありながら笑える映画だがこれは万人ウケはしないだろう。個人的には楽しめるネタがてんこ盛りで非常に面白かった。
マニア向け。ヒュー・グラント最高。
「いい導入」、そして「いい余韻」に浸れる巧い一本
さて、「A24作品」の公開ラッシュが続く配給元のハピネットファントム・スタジオ。TOHOシネマズでは幕間での宣伝など「力の入れよう」が見て取れますが、本作について言えばDolby AtmosやDolby Cinemaなどその作品性に対して「要らないかな…」と感じるアップグレード上映も目につき、少々「空回り」している感も否めません。と言うことで、私は敢えての「通常版」を選んでTOHOシネマズ日比谷のSCREEN8をチョイス。平日11時からの回ですが、小さい箱のため席数は多くはないこともあってなかなかの客入りです。
1980年代、私が住んでいた埼玉(東部)ではちょいちょい見かけることのあった、モルモン教徒による街中での宣教活動。当時は「アナタハ、カミヲ、シンジマスカァ?」なんてギャグもあった記憶があります。などと、冒頭から脱線しまくりですみません。本作、始まって早々にベンチに腰掛ける若い女性二人の話題は「コンドーム」。実は二人はモルモン教のシスターなのですが、宗教関係について門外漢な私でも何となく知っている「モルモン教における厳格な規律」に対し、この「今時」を思わせる二人の会話があるからこそ、と観進めるうちに気づく「(本作への)巧い導入」になっています。
誰一人まともに相手をしてくれず、疲れも相まって凹み気味な二人の宣教活動。いよいよ日も沈みかけ、さらには雨も降りだす中、ようやくに辿り着く「とある一軒家」。意を決して扉を叩けば中から現れた男性・ミスター・リード(ヒュー・グラント)は感じがよく、「妻もいるから」の言葉についつい気を許して家に上がるシスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)とシスター・パクストン(クロエ・イースト)。ところが、なかなか本題に切り出させないばかりか、意図不明で素っ頓狂な質問ばかりしてくるミスター・リード。出来るだけ誠意をもって回答をしようとする二人ですが、ミスター・リードの強引或いは屁理屈とも言える論理に言いくるめられ、話はいつしか二人の「信仰心」を試されるような問答になって戸惑いを隠せません。そして、なかなか姿を見せない「妻」と不意に見つける「あるアイテム」に最早抗うことの出来ない不信感で、その場から逃げ出すことを画策する二人なのですが…。
思いのほか「会話劇」の要素が多い本作、宗教についての基礎知識や慣習を持ち合わせないで観ると、残念ながら解らないことが多いことも否めず、謎めいた家の構造を活かした「動き」が出てくる中盤まではまあまあな集中力が試されます。とは言え決してつまらないことはありませんし、全てがミスター・リードの「罠」にしか見えないギミックと展開に対し、二人のシスターが「切り抜けるなんてことが可能なのか?」と絶望に近い状況に、それぞれのキャラクター性を活かして困難に立ち向かうアプローチは面白く、中盤以降は終始目が離せなくなります。
そしてしっかり「A24らしさ」を裏切らない終盤の展開、からのその顛末に「何とも言いようのない」気持ちでエンドロールを遣り過ごし、帰途に就くやや蒸し暑い午後。映画の内容同様に「逃げ出すことの出来ない」劇場鑑賞だからこその「いい余韻」で満足の一本でした。
全229件中、181~200件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。