劇場公開日 2025年4月25日

「焦点の定まらないヒュー・グラントが凄い!」異端者の家 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)

3.5焦点の定まらないヒュー・グラントが凄い!

2025年5月17日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

ドキドキ

作品によっては当たり外れの振り幅が大きいコンビ監督による新作ゆえに大きな期待もせずに鑑賞しに行ったのですが…
ヒュー・グラントが凄い!
単なる会話劇になりかねない導入を彼の演技が支えます。
目を見開き焦点の定まらない彼の表情を見た瞬間、背筋が凍り付きました。
女性たちの不安が募って行く表情も相まって、ただならぬ緊張感が増していきます。

仕掛けにも無駄がありません。
魔法の下着、
蝶、
自転車の鍵、
ブルーベリーパイ…、
一見すると本筋に関係ないものまで伏線として利用してきます。
中でも良く知られたボードゲームと音楽を出して来た時は度肝を抜かれました。
怖いシーンの最中に、絵面とは合わない玩具や音楽を使う事で、「空恐ろしい雰囲気」を増幅させる異化効果を狙っただけかと思ったら、きちんと物語の根幹を伝える要素として利用して来ました。
誰もが抱くであろう信仰に対する疑問や問題点を浮き彫りにしていくこのシーンは瞬きを忘れるくらい真剣に聞き入ってしまいました。
ヒュー・グラント(監督たち)の思う壺です。

クライマックスでは「唯一無二の宗教とは何か」に答えが出ます。
全ての宗教に紐付けできる答えですが、納得する人、否定する人、それぞれが言及したい事が出てくると思います。
映画を見終わった時、誰かと答え合わせしたくなるかもしれませんね。

かもしだ
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