劇場公開日 2025年1月10日

オークション 盗まれたエゴン・シーレのレビュー・感想・評価

全45件中、21~40件目を表示

5.0文句なし!面白すぎる美術オークションドラマ

2025年1月16日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

幸せ

文句なし❗️素晴らしかった。
美術オークションにまつわるドラマだが、オークション業者側、売る側、買う側のエゴン・シーレにまつわる思惑、駆け引き、絵に対する想いもスクリーンから伝わった。
観ごたえ満点。
ラストも後味がいい。面白かった。
洋画ファン、フランス映画ファンはぜひおすすめしたい作品。

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ナベウーロンティー

3.5小判に興味がない猫

2025年1月16日
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鑑賞方法:映画館

真贋や正統性は美術作品の価値に直結するが、それを扱う人の価値は出自より能力なのだ、という対比が面白かった。

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ひろちゃんのカレシ

3.0人生と大金を天秤にかけて、それでも自分の人生を歩める人が幸福への入り口に立てるのだろう

2025年1月16日
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鑑賞方法:映画館

知的

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Dr.Hawk

3.5フランス映画らしい説明不足もまた味

2025年1月16日
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鑑賞方法:映画館

主人公の競売人マッソンの目を通して、オークションの仕組みや、バイヤーたちの裏での詐欺まがいな駆け引きなどが見どころで、かなり楽しめました。

マッソンのところに来たインターン女学生のオロールが、何故誰に対しても怒り、呼吸するように自然に嘘をつくのか、その後何故素直になるのかの説明描写が一切なく、「察して感じろや」的に突き放した不親切設計具合に、フランス映画らしさをたっぷり味わえましたよ。

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コージィ日本犬

3.5配給会社に感謝!

2025年1月14日
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鑑賞方法:映画館

ナチス・ドイツによって退廃芸術と見做され、1939年に喪われたエゴン・シーレの「ひまわり」の再発見をめぐって、実話をもとに紡ぎ出された物語。

再発見されたのは、フランス東部のミュルーズと聞いて、まず思い出されるのは、バーゼル・ミュルーズ空港、そうなのだ、この地はアルザスに属し、スイス、ドイツとの国境に近く、特にこの空港はバーゼルとも直接つながっていることで知られている。ドイツのフライブルグにも近く、その地で「ひまわり」が見つかったことに意味があるのだろう。そのせいか、映画でも、飛行機の飛ぶ姿が何度か出てきた。なんと言っても、ミュルーズはフランス鉄道博物館、国立自動車博物館(この映画で出てきた)で知られている工業都市、その化学工場で夜勤の労働者をしている若者マルタン・クレールの家で、その絵が見つかったと言うわけだ。

ただ、ゴッホのひまわりの影響と言っても、ゴッホのひまわりは、アルルで友人の到着を待ち侘びて描かれたものだけでなく、やや暗い色調のものもある。またシーレには、恩師クリムトの影響もあるに違いない。クリムトは、その比較的初期に、庭に花が咲き溢れる風景をたくさん描いている。

見つけ出されたこの絵が、エゴン・シーレの真作と鑑定したのは、パリのオークション・ハウスで働く競売人アンドレ・マッソンと、彼の元妻でシーレの専門家であるベルティナ。ただ、それから一悶着あり、なんと新米の研修生にすぎない、しかも少し変わったオロールの助けにより、無事、オークションにたどり着く。

そういえば、この映画の中には、地方出身者が(アンドレはションリュプト・ロンジュメール、オロールはモントーバンの出身)貧困もあったのだろうけど苦労したり、鑑定人のお得意には、あからさまに黒人を差別する老夫人がいたりする。

それにしても、これだけの内容を91分で理解するには、美術やフランスとドイツの歴史などの知識も、ある程度は必要だろう。今でもフランス映画の半分近くは、90から100分で、入れ替えを考えると、(午後4時、6時、8時、10時の)定時に映画館で鑑賞が可能、でもこれ以上長いと大作で料金も高くなったりする。池波正太郎さんが、いつもあと10分切ったらもっと良くなると言っていたのは、このことだろう。少し前だったら、エール・フランスの機内で見るくらいしかできなかった普通のプログラム・ピクチャーをミニシアターで観られるなんで、配給会社に感謝したい。

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詠み人知らず

3.0夫と映画デート

2025年1月14日
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新婚旅行中に函館で偶然見た
エゴン・シーレの展示を思い出して
祝日のデートに丁度良いおしゃれフランス映画
内容はとても興味あったのだが、出来は薄い
深い感銘はあえて求めない感じの作り
モヤモヤを足し気味のこれぞフランス映画

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mamagamasako2

4.0競売人の世界

2025年1月14日
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鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

アートオークションの煌びやかな世界の裏側が垣間見れて楽しかったです。
騙し騙され、みたいな手に汗握るシーンもないわけではないですが、オークションをめぐる人間ドラマがメインです。
主人公の競売人とその元妻、絵を発見した労働者一家、主人公と研修生の女性、研修生の女性とその父親、などの間で断片的なドラマが展開されますが、やや散漫な印象。
特に研修生の女性がやたら謎めいていて、なぜその行動をするのか不明なシーンが多く、もうすこし丁寧に説明してほしかったです。
数十年間、行方不明になっていたエゴン・シーレの絵を労働者階級の家族が所持していた経緯はリアリティがありました。

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すーちゃん

3.0何を見せられたのだか

2025年1月14日
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鑑賞方法:映画館

ナチスが敵国の美術品を強奪する中で近代美術に関しては興味がなく、その絵画をナチスへの協力者に対する礼に使っていたが、その中には有名な作品もあり、フランスのある家にエゴン・シーレのひまわりの絵画があった。その家を譲り受けた赤の他人の家の息子の友達が有名な絵画であることに気づく。
性格に難のある競売人の主人公と、ウソで固めている主人公のアシスタントの女性、絵画の持ち主の家の息子の3つの話が、何も説明がなく進む。特にアシスタントの話がわかりにくい。
「黄金のアデーレ 名画の帰還」と共通のモチーフかと思ったが、あちらはナチスの愚行による悲劇を描いていたのに対して、その絵画を安く処分しようとするアメリカ人を除いてこちらは特に劇的な展開がなく、見終わった時に「何を見せられたんだ⁇」という気になった。

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ミーノ

2.5トレビアンとは…

2025年1月13日
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鑑賞方法:映画館

笑える

難しい

30年ぶりに世に出たエゴン・シーレの「ひまわり」を巡るオークション関係者のドラマを描いたフランス映画。

鑑賞前は、事前情報を取得してなかったのもあり、エゴン・シーレの「ひまわり」を巡る歴史ミステリーなのか美術オークションでの騙し騙されのフレンチな駆け引きゲームなのか、とそれなりの心の準備をしていたが、私とは笑いのセンスがマッチしないコメディ映画だったようだ。
そもそも絵の所有者の青年を「夜間工場労働者」みたいな呼び名で連呼したり、気ままな助手の父娘の訳のわからない話のくだり、海原雄山みたいなドイツの絵画界の大物のチョイ登場、夜間工場労働者の若者は彼女もいないが、お風呂に浸かるのが大好きなハイソサエティの主人公の元嫁さんは「複雑な関係」のパートナーとチュッチュしたり、エゴン・シーレの子孫一族はご先祖様の名画を売り飛ばして祝勝会を開いているし、エゴン・シーレとは関係のない複雑な現代フランス人社会を見せつけられた感が強い。
私自身がフランス映画に不慣れなせいか、このあたりの物語のふくらみが理解できず、鑑賞後は消化不良な印象を持った。

果たして、この映画を天国のエゴン・シーレはどう見ているだろうか?

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ihatakaeight

3.5フランス人と付き合うのは、大変だと思い知らされる映画。

2025年1月13日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

エゴン・シーレは今私が一番好きな画家だ。先年、東京で大規模な回顧展が開催された時、名古屋から駆けつけたほどだ。
観てみたら、エゴン・シーレの絵よりも、発見された絵にまつわる人間模様を描く作品だった。フランス人は個人主義の国だと聞いている。絵を発見した青年の家族を除くと一癖も二癖もある人間ばかりで、私などとても付き合えない。まぁ、面白くするため創作しているだろうけれど。絵の価値なんて関係ない。絵の付く値段(金欲)に動かされる人間を描く作品だった。これはこれで評価出来る。多かれ少なかれ、世界共通だからだ。オークションの裏側を見れるのも勉強になった。

ナチスが頽廃芸術として、強奪したエゴン・シーレを評価しなかったのも、私には興味をそそられた。
私は先ずクリムトに惹かれたが、弟子筋に当たるシーレの絵を観て驚いた。師匠を超えていると直感したからだ。50年前か。日本で人気を呼ぶようになったのは、ここ30年くらいだと思う。エゴン・シーレの伝記映画も作られたが、観てみたら今一つだった。

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いなかびと

3.0ナチスによる大罪

2025年1月13日
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知的

登場人物たちの関係性が複雑。これに振り廻されるとストーリーが判らなくなりそうなので、諦めた。
ナチスによって多くの美術品が奪われたが、これも然り。諦めかけていた逸品の発見によって運命がガラリと変わってしまう者がいる中で、一番賢かったのはマルタンだ。「大金を得たからと言って、現状から遠退くのではなく、身の丈に合った生活を送る」ことって、凄く難しいけれど、凄く賢明なことだ。

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ちゃ坊主

3.0実話ではなかった…

2025年1月13日
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インスパイアされただけでした。シーレにまつわる歴史世界が知れると思ってたのは大きな勘違いだった。人間模様もわからなくはないがフランス映画っていつも思うんだけど表現がくっきりしてないから自分には少し難解。

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peanuts

2.5Collector

2025年1月13日
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オークションでの模様を90分尺で描く感じの作品でオシャレなフランス映画でした。
実話ベースというのもあって突飛な展開はなく、淡々と人間ドラマを見せる感じの作品で観る前になんとなく思いましたが肌には合わなかったです。

予告編くらいしか情報を入れてなかったのもあってオークションの中で起こるミステリーなのかなと思ったら絵画探しと意地汚い人間模様がメインなのもなんだかなーとなりました。
全体的に登場人物は特別多くないんですが、関係性が複雑かつ入り乱れまくっているのもあってややこしさに拍車をかけているようでした。
登場人物も性格がイヤ〜なやつが多く陰湿なドラマがメインなのもあってうだつが上がらなかったです。

普段見るオークションの様子から一歩踏み込んだ事情だったりは良かったんですが、流石にそれで見せ場を作るのは難しい、というか知らないものの値段を札を上げて金額が釣り上がる様子で楽しむってのに無理がありました。

ユダヤやナチスのエピソードも入ってくるんですが、そうなのか…というくらいの納得感だったのもあってのめり込めずでした。
終わり方もどうもあっさりしていて消化不良でした。

こればっかりは相性なんですが、何かフランス映画を好きになるようなきっかけがあればいいなーと思った次第です。

鑑賞日 1/12
鑑賞時間 17:10〜18:45
座席 D-13

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ブレミン

3.0複雑な人間関係。きちんと理解できたかどうかはわからないけど。

2025年1月13日
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原題は「Le tableau vole」直訳で盗まれた絵。盗まれたエゴン・シーレを発見するのはキュレーターでもコレクターでもなく競売人であるところがこの映画のオリジナリティであるわけで邦題には納得する。
でも、発見された絵が、元々の持ち主(ユダヤ人のコレクター)の遺族に返還される、そして事情も絵の素性も知らないフランスの労働者の青年にも一定の所有権を与える、っていうところは理解できるものの、なぜ遺族がこれをいきなりオークションにかけるのかっていうのがよく分からない。コレクターの血筋にかかわらずコレクションを持つことに関心がなく全部、売っぱらってしまう主義なのか?まあ確かにエゴン・シーレの作品がアメリカにあるって話はあまり聞かない、ほとんどがオーストリアに戻っているらしいから。(実際の「ひまわり」もウィーンの美術館にあるらしい)分からないといえば、主役の一人でオークション会社のインターンでアンドレのアシスタントであるところのオロールさん。彼女の父親がどうしたのこうしたのというところもよく分からない。彼女は彼女なりに後半、オークションに貢献するものの、私生活の問題は本筋とは絡み合わない。なぜそのようなわがままがインターンの身で通用するのか、言ったもの勝ちの世界なのか。
最後まで謎でした。でも最後はアンドレさんの目が覚めるようなオークション仕切りが炸裂し、とんでもない金額がついてめでたしめでたしで終わるのでした。90分の作品。尺が丁度よいです。

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あんちゃん

3.0憧れのインディ・ジョーンズ

2025年1月13日
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単純

興奮

幸せ

1939年から行方不明だったエゴン・シーレのひまわりがみつかり沸き立つ話。

ミュルーズの化学工場で夜勤労働者として働く親孝行の青年マルタンが、ロトを買いに行った店に置かれた美術の冊子が目に入り巻き起こっていくストーリー。

半分以上あらすじ紹介に記されている通りだけれど、上司の紹介で雇った嘘つき研修生のドラマや、絵のを交えつつ展開していく。

大波がある作品ではないけれど、絵を巡って揺れ動く登場人物たちの機微がとても面白く、そんな中でみせるオークションはお見事だった。

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Bacchus

4.0等身大に生きることの幸せ

2025年1月12日
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知的

それほどミステリー色は強くなく
静かで上品に、取り巻く人の心中を丁寧に描いたヒューマンドラマに感じました

降って湧いた世紀の逸品
欲というものはキリがなく
プロといえど眼を眩ませ
友人をも変えてしまう

冷静に、等身大に
生きることの幸せを
暗に教わったような気がします

マルタン君には拍手を送りたい!

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タケミカンパニー

4.0フランス映画好きにはたまらない

2025年1月12日
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笑える

知的

難しい

いやー、とにかく会話のテンポが早い!
ちょっと自分に置き換えたりなんかして考えてしまうとあっという間に置いてかれる。2回は観た方がいいと思うが、最初はとにかく人物背景など深く考えずサラッと観た方がよい。
イギリス人ともまた違うストレートな物言いは観ていて気持ちがいい。よくいる表面的なご機嫌取りではないので、人として信用出来るし魅力的。
確か『死んでるわ。恋してないから』と言ったかと思うが、人に対してとも絵画に対してとも、多分両方に対してとも取れるセリフはカッコよかった。
全てがオシャレ。さすがフランスと思わざるを得ない映画。

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関東Blues

4.025-002

2025年1月12日
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複雑でスピーディーで思考能力を試される作品でした。
何とも表現が難しい余韻を残してくれる。

ただラストの拍手喝采のシーンは良かった😁

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佐阪航

4.5錯綜する登場人物と深い余韻、名作!

2025年1月12日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

 休日だが、1回目の上映のせいか文化村ル・シネマは空いていた。あんまり評判ではないのかな、と思いつつ、見終わった後の余韻は大きかった。今もまだまだ、なかなか消化できない感じである。

 本作は事実を元にして、登場人物と物語は創作だという。その登場人物たちが錯綜して、だれが主人公なのか、自分を託して見る人物が定まらない。そこがこの映画の消化を難しくしている。
 が、それこそが鑑賞後の考えさせられる要素の多さでもある。それぞれの人物が、この映画の軸となる事実に翻弄されつつ、自分の道を見つけていく、その様が魅力的だ。

 軸となる事実はタイトルで示されている通りだ。エゴンシーレの絵が盗まれて、それが発見されオークションにかけられた。その歴史的事実も映画の中で丁寧に登場人物たちによって説明される。
 ナチスの強奪した絵画だったのだ。しかし、エゴンシーレの絵は価値のないものとされ、無名のナチス関係者の手に渡り、その価値に無関心な労働者階級の家庭に引き継がれていた。
 その名画の歴史的発見からドラマは始まる。現代においては、その名画の金銭的価値は途方もないものだ。その周囲に欲望と駆け引きのドラマが展開される。サスペンスたっぷりの展開に引き込まれる。
 そして、たくさんの登場人物たちの個人的な想いが交錯し、その金銭的価値も膨れ上がっていく。その結果は…。
 ということだが、ネタバレを避けつつ、一人の人物に惹きつけられた。

 宝くじにあたり、途方もないお金を手に入れた人が必ずしもその後幸福になれないというのは、知られていることだが、ある人物はその富に惑わされない素晴らしい智慧を持っていた。意外な人物だ。
 思わぬ幸運にも惑わされず、平穏に生きる億万長者が身につけている人物たちの共通点を読んだことがあるが、その人物は、そうした億万長者たちにつながる智慧を持っていた。
 そのほかの人物たちもこの事件からなにかしらの人生の知恵を手に入れていく。
 ハッピーな気持ちにさせてくれ、なおかつ自分の人生の選択に多くの示唆をくれる映画だった。映画館の混み具合からあまりヒットしているようではないが、ぜひオススメしたい。
 整理しきれないほど多くの示唆に考えさせられると同時に、心温まる素晴らしい映画でした。

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ノンタ

5.0アイヒマン、またお前か

2025年1月12日
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コビトカバ