「複雑な人間関係。きちんと理解できたかどうかはわからないけど。」オークション 盗まれたエゴン・シーレ あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
複雑な人間関係。きちんと理解できたかどうかはわからないけど。
原題は「Le tableau vole」直訳で盗まれた絵。盗まれたエゴン・シーレを発見するのはキュレーターでもコレクターでもなく競売人であるところがこの映画のオリジナリティであるわけで邦題には納得する。
でも、発見された絵が、元々の持ち主(ユダヤ人のコレクター)の遺族に返還される、そして事情も絵の素性も知らないフランスの労働者の青年にも一定の所有権を与える、っていうところは理解できるものの、なぜ遺族がこれをいきなりオークションにかけるのかっていうのがよく分からない。コレクターの血筋にかかわらずコレクションを持つことに関心がなく全部、売っぱらってしまう主義なのか?まあ確かにエゴン・シーレの作品がアメリカにあるって話はあまり聞かない、ほとんどがオーストリアに戻っているらしいから。(実際の「ひまわり」もウィーンの美術館にあるらしい)分からないといえば、主役の一人でオークション会社のインターンでアンドレのアシスタントであるところのオロールさん。彼女の父親がどうしたのこうしたのというところもよく分からない。彼女は彼女なりに後半、オークションに貢献するものの、私生活の問題は本筋とは絡み合わない。なぜそのようなわがままがインターンの身で通用するのか、言ったもの勝ちの世界なのか。
最後まで謎でした。でも最後はアンドレさんの目が覚めるようなオークション仕切りが炸裂し、とんでもない金額がついてめでたしめでたしで終わるのでした。90分の作品。尺が丁度よいです。
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