隠された記憶のレビュー・感想・評価
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眠くなるけど、かなりゾッとする。
『隠された記憶』鑑賞。
*主演*
ダニエル・オートゥイユ
*感想*
キャスターの夫と作家の妻、その息子が幸せの日々を暮らしてたら突然、送り主不明のビデオテープが届く。
再生してみると、自宅の映像が流れていた。
不気味な絵も添えられていて、謎だらけ。
BGMもないし、地味なので、退屈なシーンがたくさんあって、何度も眠たくなりましたが、あのシーンは強烈だった。マジでビックリした。
ラストシーンは意味がわからず、解説を読んでからもう一度だけそのシーンだけ見たら、なんとなく解りました。
・・・ゾッとしましたw
ハネケ監督にしては失敗作?
自宅前の盗撮映像。防犯カメラのゆな雰囲気だが、送り主は何を目的にしているのかさっぱりわからない。映画の始まり方が無言状態なので、そうした恐怖を倍増している。
見逃しちゃダメだ!と思いつつもパソコンを触りながらの鑑賞となってしまい、何か見落としているのかもしれないが、そんなことはどうだっていい。息子を誘拐されたと思い、自分の過去の罪を思い出して疑心暗鬼になるジョルジュ。その罪の意識が問題となるだけ。具体的な描写もなく、会話だけの判断となってしまうが、黒人に対する後ろめたさはかなり見受けられた。
男に呼ばれて、その場で首切り自殺されるシーンがショッキングなだけに、後半がどうしてもだるくなる。最後のロングショットの2シーンによってビデオの隠し撮り犯人は未だ健在だと暗示して、非日常の恐怖を描き出す手法は凄いと思う。けど、つまらないんです。
え?え?え?え?え?
評価が難しい作品です。なので間をとって50点にします。
正直2時間と決して短いわけではないのにあまりにも単調な作品で退屈してしまいました。アパートのシーンで引き戻されるわけですが、この作品結果的に最後まで何も明言しません。そのため逆に実は過去の出来事はこうこうであれこれだったんじゃないかとか深読みしてしまったんですが、もやもやします。衝撃のラストということで、一回見逃したんですが巻き戻すと確かに衝撃はあります。ただそれさえも何を示しているのかもわからない。なぜってその時間軸すらも定かではないから。過去だと言っている人が多いらしいんですが、あくまで服から判断しただけみたい。過去の構成の同じシーンに戻ってみても、なんら手がかりはなく。じゃあこれはこの人が犯人ということなの?それとも今後の展開を示唆するものなの?もうもやもやです。2回目は何かわかるかもしれませんが、あまりすぐ観返したい作品でもないです。あぁ、もやもや。ビデオと現実が切れ目なく切り替わるのはその辺の虚実交錯の作品よりよっぽど秀でているけれど。
このもやもやが、Haneke監督なのかな。
犯人分からなかった
けっこう面白かったんだけど、犯人が誰か分からないまま終わってしまい非常にモヤモヤした。
そこでネット調べるとラストカットに、自殺した人の息子と、主人公の息子が親しげにしているとのことなのだが全然気づかなかった。もう終わったと思って油断していた。
確かに、あいつじゃないと部屋にカメラを仕掛けられない。でもそうだとすると、会社まで押しかけてしらばっくれるとか、そのせいで父親が自殺しちゃうとか、おっちょこちょいだし意味が通らない感じがした。
全体的にとても雰囲気が悪いのだが、特に奥さん、とても感じ悪かった。弱っている人に容赦ないタイプで、最悪だ。
ぬれぎぬを着せられて施設に連れていかれる場面、可愛そうで胸を締め付けられた。主人公の両親にはもっと冷静になってほしかった。
人が心に抱える「やましさ」は禍の元ってことでしょうか
今年度カンヌ映画祭の最高賞に値するパルムドール賞を取ったのは、オーストリア人監督ミヒャエル・ハネケさんです。この人の代表作といえばなんといっても「ピアニスト」なのですが、それ以外にも不快指数度強烈な「ファニーゲーム」とかもあります。それら日本でDVD化されていなかった彼の全作品が晴れて本作の公開を機にリリースされました。
そんな本作はサスペンス映画で公開時にミニシアター作品としては話題になりました。それは「衝撃のラスト」というキャッチコピーによってです。わたくしもこのキャッチにまんまと引っ掛かり、劇場に足を運びました。そして数時間後映画館を出た時、頭の中は「?」マークでいっぱいでした。
内容は、とある富裕層の夫婦のもとに一本のビデオテープが送られてくる所から始まります。それはこの夫婦の家を同じ所から撮影され続けたテープで、同じ物がそれから何回も何回も送られてくるようになるのです。そして、そんな映像を観ながら主人公の夫は、記憶の彼方に埋もれていた少年時代の過去を思い出す・・・
といった感じです。(ここからはネタばれになるので書きません。)
一言でこの作品の魅力を言うと、誰も真似できないハネケ監督の無音無臭無味乾燥な描写でしょうか。すごく怖いというよりも、いつのまにか怖くなってるんです。心の平衡感覚を吊るしている糸が一本一本さーっと切られていくような感じでしょうか。しかも、それに観る人はあまり気づいていない。それに気づくのは後半に、おぞましいシーンが一回だけ数秒でてきたときです。ほんの一瞬なのに、それまでの布石があるからけっこう背筋凍ります。
恐れ入るハネケ監督の技でした。ファンになっちゃいました。
作品としてはある種の密室サスペンス劇のような感じですが、二回観るとけっこう社会派でもあります。問題のエンディングは、よく目を凝らさないと気づけない「衝撃」になっています。それを二回目見たときに、なにやら寒気がしました。心のやましさは解決できるならしていきたいと思ったものです。
恐ろしく知能犯な監督さんです。
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