劇場公開日 2025年2月21日

「ミスマッチ」奇麗な、悪 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ミスマッチ

2025年2月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最近は「アカデミー賞ノミネート作品」中心の作品選びが続いているので、ここいらでその系統を外した一本をチョイス。奥山和由さんと言えば、かつて「時代の寵児」ともてはやされた映画プロデューサーで、勿論50代の私も当時はお名前をよく聞いていました。その後いろいろありましたが、最近では息子さんたちのご活躍も目覚ましく、今作では久しぶりに自ら監督を務められたと言うことで楽しみにしてテアトル新宿へ。公開初日12時からの回はまぁまぁの客入りです。
なお私、中村文則さんの原作は未読ですが、前日にUNEXTで『火 Hee』を鑑賞してからの参戦。ちなみにチケット購入は一昨日だったのですが、もし先に『火 Hee』を観ていたらチケットを買っていたか?或いは、『火 Hee』を観ずに本作を鑑賞していたら?…
で、鑑賞後の感想は…正直、期待外れでした。或いは、前日に観た『火 Hee』の桃井かおりさん(監督・主演)の演技にすっかりあてられた影響もあると思いますが、二つの作品はやはり別物であり単純に比較したわけではありません。ただ、今作の主人公「女」と瀧内公美さんはちょっとミスマッチかな。。
確かに、今作においても瀧内さんの演技は素晴らしいとおもいます。彼女自身、多くの作品で挑戦的な役にも体当たりで演じ、ここまで申し分のない結果を残していて決して力量不足とは思いません。むしろ引っかかるのは、奥山さんの演出や脚本にやや古さを感じる点が多く、残念ながら劇中の「女」の話にイマイチ感情が動きません。ちなみに、劇中において男性は「精神科医」、他「女」の回想に出てくる(確か)6名。全般において「男女間」の話であるため、怖がらずに「男性目線」で発言させていただくと、瀧内さんは劇中の「女」から想像するよりやや若すぎる(或いはそう見える)かな、、、それに今回のような見せ方だと、語られる「女」に比べて瀧内さんが凛々しすぎでヤサグレた感じがあまりしない。そして、オチがあれなだけに彼女の美しさ以上の「危険な魅力」が感じられないと、いくら過激な話を聞かされたところでそうなるかな?と感じます。これらは演技というより演出の問題だと思いますし、そもそも脚本から感じる印象は「平成(それも前半)」で止まっているような感じが。また、狙ってやっているはずの「絵画」「口笛」「燭と火」「死にかけの電球」などの小道具も果たして如何なものかと。。
と言うことで、地に足がつかずに「雰囲気先行」な印象で、正直に言えば「つまらなかった」という感想です。ごめんなさい。

TWDera