劇場公開日 2025年1月17日

「ジェンダーの問題を意識させようとはしていない?」アーサーズ・ウイスキー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ジェンダーの問題を意識させようとはしていない?

2025年2月2日
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鑑賞方法:映画館

若返りの薬ってとても魅力的だけど、実際に目の前に置かれたときに自分だったらどう使うのか迷う気がする。この映画を観ても考えることは多い。体だけ若返っても、センスや心は若くならない。話す言葉やファッションセンスを若者に寄せるのはとても苦労するはずだ。
それでも本作のように、若返って若い異性との恋愛に走るのもアリ。他にやりたいことがあれば試みるのもアリだ。コメディテイストだから、若返った3人の行動を面白く描こうとしていることは伝わった。でも、それほど笑えない。自分が若返る側の年齢ではなく、彼女たちのように若返る側の年齢に近いからなのかも。
男性3人が若返ってすることを想像するとあんなことにはならない(んじゃないかと予想する)。ある意味ジェンダーの問題を意識させる内容だった。でも、若返る時間が限られているからという理由もあるが、あの女性たちがやろうとすることは(映画として)あまり痛快ではなかった。脚本上用意されているトラブルやアクシデントは若干意外だったが、それも時代の流れを考えるとそんなものだよなと納得できるレベルのもの。設定が面白いだけに少しもったいないなと感じてしまった。
久々に見るボーイ・ジョージは嬉しかったが、コーラスでステージに上がったならちゃんとあそこでコーラス入れろや!と思ってしまったのも事実。全体的に笑いにしても痛快さにしても、こちらが想定したものを上回るものではなかった。気軽に楽しめるものの、深みに欠ける感じだ。嫌な気分にはならなかったから一応3.5とした。

kenshuchu