「どんな人生を送って来たのだとしても今の自分を認めてくれる人の大切さと、新たな挑戦は何歳になっても出来るのだという事とを、静かに(でもない)語りかけてくるお話です。」アーサーズ・ウイスキー もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
どんな人生を送って来たのだとしても今の自分を認めてくれる人の大切さと、新たな挑戦は何歳になっても出来るのだという事とを、静かに(でもない)語りかけてくるお話です。
作品紹介を読んでいて面白そうと思っておりました。
お話の舞台がウイスキーの産地イギリスということも
あって鑑賞することに。
さあ鑑賞。
人生の終盤に差しかかった老齢の女性が3名。その3名
一人一人が主人公。…と言っていいのか悩ましいのですが、
3名それぞれの人生が均等に描かれていたような気がします。
そのご婦人方3名とは…
リンダ (ダイアン・キートン) 離婚歴あり。元夫の浮気が原因?
ジョーン(パトリシア・ホッジ)発明家アーサーの奥さん。息子あり。
スーザン(ルル) 優れた味覚を持っているみたい
始まりの場面は、夕闇に稲妻光るジョーンの家。…の離れの小屋。
そこでは、ジョーンのご主人(アーサー)が発明に勤しんでます。
今も、何かの薬の開発に取り組んでいるようなのですが…。
” 完成した ”
研究室の外に出てきて、腕を突き上げて喜ぶアーサー。
その体に落雷。ちゅどーん☆
アーサー、カミナリに撃たれて死亡。
不慮の事故で夫を無くしたジョーン。…あらら
葬儀を一通り終えたジョーン。尋ねてきた旧友二人と一緒にアーサー
の発明小屋の中にあった遺品の整理を始めていた。
そこで見つけたのは、瓶に入った琥珀色の液体。
” 何だろう… ”
どうやらウイスキーらしい。その瓶を手にして母屋に戻る三人。
故人を偲び、そのウイスキーのグラスを傾ける。
酔ってそのまま寝てしまい、明け方に目が覚める。
隣に寝ているのは見知らぬ若い女性。
” 誰? ”
一人が追いかけ一人は洗面所に逃げ込む。ふと正面の鏡を見ると…
” 私? ”
映っていたのは自分。それも若い頃の自分の顔。
ならば、部屋にいたのは…。
落ち着いて互いに顔を見合わせる3名の元・老婦人達。
どうやらこれは、飲むと肉体が若返る薬なのでは。
そう結論付けて、喜ぶ3名。
” やりたかった事が出来るわ ”
” 膝も腰も痛くならないのよ ”
3名で地元のパブに繰り出してみたものの、思わぬ落とし穴。
このウイスキーの効目は、数時間で切れてしまうようなのだ。
そうと分かった3名。その条件を理解した上で、若い体で出来
ることを探してやり始める。
浮気元夫への精算 過去の夫にお仕置きよ
過去への向き合い 昔日のパートナーは今どこに
未来への歩みだし どのみち歳の離れた相手だわ
三者三様にやりたいことを実現しながら、最後の総決算として
実行することにしたのが、ラスベガス行きだった。
パーティーにカジノ、そしてスカイダイビング。
果たして彼女らの夢は満たされたのか。
とまあ
女性3名の、それぞれの終活(?)を描いたドラマでした。
※1名にとっては、人生の出発のお話でしょうか ・-・
鑑賞後の感想として、悪くはありません。
観て良かった。
※強いて言えば、アーサーとジョーンの出会いとか関係性
が分かるエピソードがあっても良かったかも。
冒頭シーン以降、ストーリーに絡まなかった気がします。
◇あれこれ
■シャーウッドの森って
聞いたことがある気はするけれど、何だったか…? と
鑑賞中ずっと気になっていて、帰宅後に調べてみたら
「ロピン・フッドの住む森」でした。
伝説の英雄にして弓矢の名手で、弱き民衆の味方。
ああ なるほど。
■老後にやりたい事…なのかな
人生の終わり近く、もしくは一念発起してやりたい事のひとつに
スカイダイビングに挑戦する映画が割と多い気がしたのですが、
気のせいでしょうか? ・_・;
” 最高の人生の見つけ方 ” とか
” 最高の人生の見つけ方 ” とか ・-・タイトル同じでリメイク
” 最強のふたり ” とか
” THE UPSIDE 最強のふたり ” とか ・-・原題は違ッテマス
それにしても。
スカイダイビングって、それほどまでにやってみたいですかぁ?
私には歳態ムリです。…高所恐怖症 @△@
万に一度の事故が自分が飛んだときに起きそう …ビビリ
■素朴な疑問
アーサーさん、何を考えて若返りの薬をつくったのかな と
あれこれ想像しております。
若い肉体になってイケナイ遊びを…。うーん 違うかも。
単純に「若返った肉体で更に研究に没頭したい」とか
なのでしょうか。はて。
■素朴な疑問 その2
完成した薬は、ウイスキーの小瓶に小分けにされていました。
完成を喜んだ後すぐにカミナリに撃たれたように見えたのです
が、「いつ・何のために」小分けにできたのかと悩んでます。
まあ、分けて隠してある方が楽しくはあるかも ですが。
■若返りの薬といえば
アタマに浮かんだのが、梅津かずおの「アゲイン」。
(1970年頃の漫画です)
家庭内で邪魔者扱いされていた老人が、若返りの薬を飲んで
高校生くらいになってしまい、若々しくなった体で色々な行動
を起こしては騒動になるという内容でした。
梅津かずおの作品は恐怖マンガだけではなく、 ”まことちゃん ”
もこの作品からの派生キャラだったりするのらー。ぐわし☆
■もし瓶の中身が違ったら
中身が違うのが混じってたら面白いかも と妄想。
ただの紅茶だった とか
実は出汁だった とか
蕎麦の麺つゆだった とか
あ 臭いで分かってしまいますね。 残念(自爆☆)
◇最後に
ウイスキーがお好きでしょ? ♪
という歌があります。CMでも流れるかと。・_・
歌っているのは SAYULI (石川さゆり)さん、他数名?
しみじみとした気分になれる曲で好きな曲なのですが
ウイスキーも人生も、年月を重ねて熟成されるほどに味わい
が深くなるものと思っているのに、自分のことになると
全く当てはまる気がしないのは何故なのでしょう…。うーん
そんな事を考えて、過去に想いを巡らせるひとときのお供には
ウイスキーグラスがふさわしいかも。そんな気がします。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。