「わたしたちを裁く家父長制」私の想う国 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
わたしたちを裁く家父長制
チリの人口約1900万人のうち、120万の国民がデモに参加し、更に女性と若者がデモの中心だったということに大変驚きました。彼女たちは石を手に持ち花を頭に飾り詩を歌いながら闘っていて、こんなにカラフルでリズミカルな闘争映像を観たのは初めてです。
女性たちのインタビューがとても印象的で、彼女たちは貧しく希望の持てない現状を諦めて自宅に帰ることはできない、だからデモに行くしかないと言ってました。女性たちのインタビューを観ていると、過去の女性たちから現在の女性たちへ長年の痛みや怒りが時代を超えて引き継がれているように思います。
今までの闘争は結局は男性同士の権力闘争だったのかもしれないですね。なぜなら女性のポジションはまだまだ低いですし、女性たちを苦しめる家父長制度がそのままあり続けているからです。平等を求めるならばもっと女性の意思を取り入れませんか?
女性たちはリーダーを求めていませんでしたが、これが権力争いをする男性たちとは違うところですよね。今までは平等・権利を掲げた政党やグループの中ですら、意思決定ができるポジションに女性はほぼ付けなかったですから。
“もう家父長制(男性社会)には私たちのことを何も決めて欲しくない”
と、本作は私に語りかけてくるようでした。これはチリの女性だけの声ではなく、世界中の女性の声だと思います。もう老齢期の男性に権力を集めるのはやめましょう。
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