遺書、公開。のレビュー・感想・評価
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学園ミステリーとしてはなかなかの良作
正直『学園ミステリー』というジャンルで
満足出来る作品が個人的に少なく、
この作品も不安混じりの鑑賞でしたが、
今まで見た学園ミステリーの中では
なかなか好みの作品だと思いました。
そもそもそのジャンル自体少ないですが。
監督・英勉さん、脚本・鈴木おさむさんは
さすが力入ってるなと感じました。
言ってしまうと粗もそれなりにあります。
特に今作は顔芸な場面がなかなか多かったのですが
「ちょっとやりすぎかな」という箇所があったり、
メインの展開にもっていくために
それなりに強引な場面もいくつか見受けられます。
しかしテンポが良く、展開もいい感じで巡るので
眠くなることはありませんでした。
鑑賞者でも推理出来る系のミステリーではなく、
脚本が後出しで新事実を持ってくる系なのは少し残念です。
学園モノに限りませんが、近年のこういった
『徐々にお互いが秘密を暴露しあっていく系ミステリー』
な作品たちと比べても
今作はよかったと思います。
生徒が主役ということで全体的に若い役者さんですが
演技は悪くなかったと思います。
まだ発展途上の方はいましたが、
『演技が酷い』と感じる役者さんは特にいない印象です。
しかし20人以上の生徒たちが演技しあう場で
高石あかりさんの演技はダントツで上手かったです。
先に言った『やりすぎな場面』でも
高石さんだけは狂気と恐怖を感じました。
残念な点としては、
『クラス全員誰も彼もが美人過ぎる問題』です。
陰キャもオタクも先生すらもほぼ全員顔が良くて
堀越学園でもここまでの顔面ハイレベルクラスないだろ
とか思ってました。
しかしこれはこの作品に限ったことではなく、
邦画全体の問題なのでとても歯痒い感じです。
賢い生徒の居る教室でした
出演者が知らない役者ばかりで観たい映画ではなかったけど時間の関係で観てしまいました。優秀な生徒の自殺があった後その子が書いたと見られる遺書がクラス全員に有りました。遺書を公開し合う生徒の暴露話で読み聞きする読解力の応酬でとても面白かった。
No. 1は誰しもが憧れると思うけど担ぎ上げられ好き勝手に祭り上げられたらたまったもので無いね。人間の裏表を女学生の遺書を通じて暴露話は人間の強さや弱さを浮き彫りにしてしまい追い詰められるという事に気づいた時には取り返しの付かない事になり得る事もある言う事…
鋭い観察力を持つ生徒たちでクラス中がぶっ飛んでいた!
序列1位、水槽の中で
自殺の理由をみんなで考える話
全く期待してなかったんだけれど意外や意外、かなり面白くて満足でございました。
若手俳優がそれぞれ個性豊かな演技で実力を発揮していたし、顔芸もよかったね!
自分の見おぼえない俳優さんがかなり多かったけれど今回の作品で顔を覚えたので他作品でも注目していきたです。
ストーリーもよかったですね、スクールカーストがここまで明確に出ちゃうとこんな感じになるだろうなって現実じみてたし、自分に置き換えて色々と考えちゃいました。
バトルロワイヤルとかでも自分がこの状況になったらどうしようとか考えこんじゃうタイプの私ですが、久しぶりに学生時代のクラスの事を思い出しましたよ・・・。
舞台はほぼ教室内だけなのに、まったくもって見飽きないし登場人物が多くてキャラの渋滞起きちゃうけれどそれぞれバランスよくセリフや見せ場があって見ごたえ十分。遺書が公開されるたびに真実に近づくのはほんと気持ちがいい。どの遺書も一見普通なんだけれど、裏に隠された意図や集合することでわかる事実。
ほんとによくできた物語でございます。
俳優陣ではやはり「ベイビーわるきゅーれ」の髙石さんよかったですね~!
キャラの豹変っぷりがお見事でございます。その他にも魅力的な方々はいますが、全部持ってかれたね。
でも物語のなかではそこまで遺物じゃない感じもバランス感あってよかったわ~。
有名俳優と有名コミック原作の大作やTVドラマの続編などお金を払う価値のない駄作が多かった昨今、邦画の未来は暗いのかと心配してたけれど本作の様なしっかり練り込まれた原作、脚本と実力ある若手を使う映画が生み出された事に安心しています。
英監督の実力を認めざるを得ない、邦画の未来は明るいと思える良作でございまいた。
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劇中セリフより
「人間観察、いい趣味でしょ?」
人間観察が趣味の奴がクソ野郎だってそれ、一番言われてるから!
実はアレ、「⚪︎⚪︎な人ランキング」だったのかも知れませんね
2025.1.31 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(119分、PG12)
原作は陽東太郎の同名漫画(スクウェア・エニックス)
序列が作られたクラスで起こる悲劇を描いたミステリー映画
監督は英勉
脚本は鈴木おさむ
物語の舞台は、日本のどこかにある私立灰嶺高校
2年になったD組では、クラス替え早々に「序列」となる一斉メールが各自に届いていた
担任の甲斐原(忍成修吾)も含めた序列になっていて、1位は姫山椿(堀未央奈)という生徒だった
それから4ヶ月後、クラスは序列に馴染み、何の問題も起こっていないように思えた
だが、ある日のこと、授業が始まったのにも関わらず、姫山椿が行方をくらましてしまう
甲斐原先生は親友の御門凛奈(髙石あかり)に彼女を探させたところ、凛奈は椿を女子トイレで「発見」してしまうのである
理由もわからない序列1位の自殺騒動
だが、この件はそれだけでは終わらなかった
参列を終えてクラスに戻った生徒たちは、そこで驚くべきものを目の当たりにする
それは、クラスメイト全員に宛てて書かれた姫山椿の遺書が、それぞれの机の上に名置かれていたのである
映画は、学級委員長の大島由梨(川島鈴遥)の進言を筆頭にして、椿の自殺の真相を探るために、遺書を公開していく様子が描かれていく
序列25人に対し、椿を除いた24通の遺書はパソコンで印字されたものだったが、それぞれに思い当たるエピソードが散りばめられていた
当初は、生前の感謝などを綴っていたように思えたが、ある時から「言葉には裏側がある」ように思えてくる
言葉通りに受け取ることもできるし、それ自体が椿と当人との関係性の裏側であるようにも見えてくる
だが、担任の甲斐原は「椿以外の誰かが作成し配布したもの」だと疑わない
また、遺書公開の中で、序列を作った人物が炙り出されていくのである
物語はそこまで複雑ではなく、ほぼワンシチュエーションミステリーとなっている
想定しうるあらゆることが起こり、それが単調に思えるシナリオに起伏を持たせていて、椿の遺書によって、クラス内で形成されたグループの意味も生まれてくる
序列を作ることによってできるグループ化と、それに付随する過ごしやすさと過ごしにくさ
それぞれは、誰かが作ったスクールカーストを自分の優位さに利用し、それが「椿自身が見たかったもの」を再現していくことになるのである
ネタバレレビューでも、流石に確信を書くのは憚られるのでこれぐらいにするが、驚きがある一方で、想定内であるようにも思える
ただし、24通を飽きさせずに最後まで公開させるシナリオはよくできていて、公開の順序によって緩急が生まれているところも面白い
最後には「誰にも知られずに済んだ犯人の本音」と言うものが登場するので、最後の一言一句まで集中して聞き逃さない方が良いだろう
映画のエンドロールは、キャラクターと演者名が絵で表現されていて、誰がどの役をやっていたかを復習できる仕様になっていた
また、パンフレットには全24通の遺書全てと公開順序、さらには「裏相関図」なるものまできちんと作られている
これを覚えた上で2回目を鑑賞すると、様々な意図的なカット割があることに気づく
水槽の中にクラスがあるようなカットも何度も登場するし、誰と誰が関係性が濃くて、その公開に違和感を感じているかもわかる
それによって、誰が遺書を書いたのかは読めるので、勘の鋭い人は初見で看過できるだろう
だが、本作は犯人探しがメインではなく、人間を観察することによって、どこまで思考と行動を誘導し支配できるのかと言うところを描いているので、実際にこれを行える人がいるかもしれない
そう言った意味では、サイコホラーの要素もあったのではないだろうか
いずれにせよ、この手の映画に限らず鑑賞本数や考察をしてきた経験から言えば、映画の構成である程度の着地点が見える映画でもあった
作り手目線だと非常にわかりやすい構成になっていて、配役でバレているところもある
それでも、どういう着地点になるのかの興味を維持していくので、うまいつくりになっているなあと感じた
映画は、ネタバレなしの方が楽しめるので、騙されたと思って、今読んだことを消去してから臨んでも良いのではないだろうか
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