「犯人探し映画の王道(某映画展開激似)」遺書、公開。 よっちさんの映画レビュー(感想・評価)
犯人探し映画の王道(某映画展開激似)
物語の展開はどこかで見たなーと思ったら『六人の嘘つきな大学生』と似た雰囲気があり、心理戦や人間関係の駆け引きが激似笑。
また、大袈裟な演技が目立つシーンもあり、せっかくの脚本の面白さを損なっている部分もあったのが惜しい。教室がメインのシーンが多いため、視覚的な単調さを感じる部分もあった。正直、途中で少し眠気を誘われたのも事実。
突っ込みどころも多々あり、全体的にキャストが大人びており、リアルな高校生像からかけ離れている。また三宅があそこまで簡単に引っかかる展開には少し違和感があった(笑)。さらに、ネットの日記から情報を得る展開には疑問が残る。なぜ「しゅうちゃん」と呼ばれていることを知るに至ったのか?犯人心理だと”変換”も日記をそのまま引用するのでは? その点にもう少しリアリティーが欲しかった。
一方で、物語の中で、人間の汚い部分が垣間見えるのはよかった。ストーリー中の、単純な好き嫌いという二元論ではなく「愛している」というそれらをひっくるめた高次な視点は考えさせられる。志田彩良の魅力が際立ち、スクリーンに映るたびにその可愛らしさに引き込まれた。セリフにもあったけど、「彼女を一位にしたのは私と、あなたたち」と心理学の「ラベリング理論」をわかりやすく理解できる構成になっていたのは興味深かった。
テンポは良く、会話の掛け合いも軽快で見やすい作品だったが、全体として、感動する作品ではなかったものの、心理的な駆け引きを楽しむ作品としては十分に見応えがあった。
考えられるとすると、日記の『周ちゃん』の方を誤字と捉えて『柊ちゃん』に直したくらいですかね。
人間観察が趣味故に遺書が書けたのかと思えば、日記からというのは肩透かしでした。
(もちろん、その趣味が動機に繋がってるので無意味な設定ではないのですが…)
6通<25通、どうなる事かと思いました。結果全て覚えてる訳じゃないですが、どうでもいいのがほとんどじゃないんですかね?ラストに彼が来るのと、SNS日記を彼女しか知らないのはどうかと思いました。