「序列1位の苦悩と葛藤の『何か』とは…」遺書、公開。 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
序列1位の苦悩と葛藤の『何か』とは…
同名人気コミックを、『東京リベンジャーズ』や『ヒロイン失格』等の青春映画で定評のある英勉監督がメガホンを撮り実写映画化。一人の女性徒の自殺を巡る学園サスペンス・ミステリーとして、これからの映画界で注目を浴びるであろう、若手俳優陣25人が集結。
鑑賞前は、よくある人気若手俳優による青春ミステリ―程度と、それほど期待はしていなかった。しかし、自殺をした少女から、少女が在籍していたクラス全員に遺書が届くというミステリアスな設定と、遺書を一人一人が読み上げる中で自殺の真相に迫り、そこにクラスの序列が元になって二転三転する展開は、観る者にいろいろな結末を巡らせ、興味深い内容であった。
新学期がスタートした灰嶺高校の2年D組の生徒全員と担任、合わせた25人に1位から25位までの『序列』が記されたメールが届く。その1位には、美しく優しく頭の良いと思われていたクラスのマドンナ・姫山椿が記されていた。しかし、その半年後、姫山は学校のトイレで不審な自殺を図る。そして、その葬儀の後、残されたクラス24人の机上に、姫山から遺書が届く。姫山の死の真相を探る為に、クラス全員が、各自に届いた遺書を読み上げて公開することになる。
その遺書には、一見するとそれぞれの長所と感謝が書かれているように見えた。しかし、その言葉の裏に隠された真実にたどり着いた時、それぞれが姫山に対する恨みやつらみ、嫉妬等の本音が明らかになって行く。同時に、姫山自身も自殺に関わる『何か』を抱えていたことと、序列1位という立場で苦悩し葛藤する姿も炙り出されてくる
物語は、教室で一人ずつが遺書を読み上げていくシーンだけで進んでいく。しかし、その中で24人が姫山との愛憎劇をバランスよく語り暴露され、それぞれのアップ・シーンが織り込まれ、鈴木おさむの脚本も良かったし、最後まで飽きさせない、謎を含んだ内容だった。中でも、高石あかりと金光ほのかの百面相の様な演技は、なかなかの見所。全体的にも、若手俳優が、ここぞとばかりに、仰々しい演技の競い合いで、舞台演劇の様相でもあった。
共感ありがとうございます。
見守っていますの繰り返しにまた・・と思ってましたが、違うパターンの遺書もありましたね。
一番手のゲス彼も序列さえ無ければあんなゲスにならなかったかも?