「【”人間観察の得意な人。”今作は組織の中で序列を付ける愚かしさを描いた作品かと思いきや、それを逆手に取ったヒューマンホラーだった!。人間の表面的な顔と真の顔を描いた、実に嫌な気持ちになる作品である。】」遺書、公開。 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人間観察の得意な人。”今作は組織の中で序列を付ける愚かしさを描いた作品かと思いきや、それを逆手に取ったヒューマンホラーだった!。人間の表面的な顔と真の顔を描いた、実に嫌な気持ちになる作品である。】
ー 冒頭、序列20位の廿日市くるみ(志田彩良)が、1位の姫山椿(堀未央奈)を見ながらノートに白黒で彼女をカリカチュアした似顔絵を描いている。勘の良い人であれば、その絵を見ただけで廿日市が、サイコパスである事が分かると思う。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・とにかく、徹頭徹尾、嫌な気持ちになる映画である。英勉監督なので、タイトルは表面上でもっと違う内容かと思って観ていたら、ドンドン嫌な気持ちになって行った作品である。
・まずは、年度初めに、二年D組のクラスの中での序列を記したラインがクラス全員と教師(忍成修吾)に送られる。そこから半年経ち、二位の赤崎(松井奏)が姫山の恋人になり、三位の御門(高石あかり)が、親友になっている。
所謂クラス内ヒエラルキーであるが、嫌な気持ちになるのは、赤崎と御門が姫山に抱いていた本心が、遺書公開の際に明らかになるシーンである。
松井奏と高石あかりの、狂ったような開き直った演技が物凄い。
・因みに他の生徒の、姫山に対する屈折した思い、妬み、嫉みが明らかになるシーンでの、狂ったような演技がコレマタ凄い。嫌な気持ちになるが、若き役者さん達は頑張ったなあ。
・そこから明らかになる、姫山椿の序列一位は、或る者の作為により作られたモノである事が明らかになる過程や、姫山椿がネットに記していた本心を綴った”一位になりたい。”という日記を読んだ廿日市くるみが”一位にしてあげる。”と、レスを返す所からの、姫山椿が七歳上の完璧な姉を慕っていた事や、一位をキープする苦しみに漸く気付く様なども、嫌な気持ちになるが、ミステリーとしては中々である。
・姫山椿が唯一心を許していた、小学校の同級生で仲良しだった池永(吉野北人)との関係性が再後半に明らかになる描き方も、面白かったな。
<それにしても、ラストの二年D組が集合写真を撮るシーンからの、彼らがガラス張りのケースに入っていて、それを上から眺めて”人間観察する”廿日市くるみを演じた志田彩良の表情は、正にホラーでありました・・。
あー今作、怖かったなあ。嫌な気持ちになったなあ・・。(褒めてます。)>