映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れのレビュー・感想・評価
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井手上漠君を思い出した
高校2年生の花岡まことは男子なのだがかわいいものが好きで、学校公認で女子の姿で校内生活を送っていた。そんな彼に恋をした後輩の蒼井咲は春休みになり、ハワイで暮らす父に会いに行った。ハワイで父との時間を過ごした咲は、父からハワイで一緒に暮らさないかと言われたが、母からも連絡をもらっていたため、父と母のどちらを選ぶか、それとも今まで通り祖母との生活を続けるのか悩む事になった。そして3年生になったまことと親友の竜二は卒業後の進路について・・・そんな話。
前知識なく観たので最初はまことの金髪がウィッグとは分からず、時系列がどうなってるのか、ちょっと混乱したが、観終わってググって確認し理解出来た。
まことを観てて、隠岐の高校生だった井手上漠君を思い出した。
ストーリー的には、咲が両親のどちらかと一緒に住むか、これまで通り祖母との生活を続けるか迷うくらいで何も事件は起こらず終わった。
え???という感じで、特に良かったとも悪かったとも思えない作品だった。
自分好きな自分になれ。
大人になれない
TVアニメから今作を知り、テーマの深さやもし自分が性別についての悩みが描かれており、このキャラの立場だったらと色々と考える要素の多い作品で強く印象に残っていました。
TVシリーズでは途中で終わってしまい、そのまま劇場版に繋がる形だったのですが、クオリティ的にスクリーン映えはしないだろうと思ってしまい、なんとかOVAか原作をしっかりやり切っての2クールにできなかったものかとは思いましたが気になったので映画館へ。
特典は書き下ろし漫画とイラストステッカーでした。
TVシリーズの続きでメインは咲の物語でした。
というのもあって、タイトルが機能していたのは後半以降で、咲が自分の殻を破る物語構成になっていました。
咲の両親が方向の違う良くない親というのもTVシリーズから強調されていたなと思いました。
母親はどうにも壁があるような感じが否めなかったですし、実際咲を見捨てて、どこか余裕が出てきたから咲を迎えにきたと自分本位なところが目立っていましたし、そこからパートナーがいることも隠していたりと咲の事よりも自分のことが好きなんだろうなというのが滲み出ていて気持ち悪さが勝ってしまいました。
最後の咲にかける言葉もどうにもしっくり来ずというのも不思議なところです。
父親は仕事優先で自分の家に咲を呼んでおいてほったらかしにするシーンもあったり、変に気遣うところがあったり、咲の好きなものを決めつけ&更新しないという娘の成長を見ていないというところも腹立たしいところです。
そんな状態で自分の元に来ないか?と聞く様子はあまりにも…な感じで咲もそりゃ空気読みになってしまうよ…となってしまいました。
進路というところもしっかり描いているんですが、竜ニは大学進学を目指す中で、まことと咲はそこんとこちょっとぼかしていたかなと思いました。
まぁ2学期に入る前って悩みもするけれどあやふやな人はまだあやふやなのでそこんとこリアルだなと思いました。
終盤の展開はやや強引…というか告白の流れがあんなにダイナミックでいいのか?とはなってしまいました。
2階から1階への飛び降りはおいおいおいとなりましたし、なんだか好き同士が繋がるところのエモさがあんまり感じられずでエンドロールへ突入していくのでなんか勿体無いなとなりました。
心は女の子、見た目も女の子にしていたまことと、そんな先輩であるまことを好きになった咲が付き合うまでのカタルシスがどうにも足らずじまいでした。
内容はやはり良い、うまいこといかない展開にヤキモキさせられるのも題材にマッチしていて考えさせられるのに圧倒的にアニメーションが足を引っ張っていました。
TVシリーズの時からデフォルメな感じ(漫画のタッチをそのまま口パクで動かすだけの変化)はコメディシーンならまだしも、シリアスな時に突然に挟み込まれるとどうしてもノイズになってしまいますし、TVシリーズよりも止め絵のシーンが目立っていて、紙芝居を観にきている訳ではないのにな…と首を傾げてしまいました。
アニメ放送終了から半年足らずですが、もっと前から映画も作っていたとは思いますし、劇場で流すクオリティでは無かったと思います。
あとモブキャラの目を描かないのも仕方ないとはいえ手抜きに見えてしまうのも残念でした。
声優陣は安心安全な本職でしたし、宮田くんも何度かアフレコ経験があるのもあってしっかり聞き取れる声で良かったです。
少数精鋭でも高クオリティのアニメーションが作れる時代でこれをお出しされても…という感じはやっぱりあって、せっかくの話の良さを台無しにしていたのが残念でした。
制作会社がもっと力を入れてくれれば…とはなりましたが、話の良さとアニメーションを割ってこの評価にしておきます。
鑑賞日 2/16
鑑賞時間 16:40〜18:15
座席 H-6
TVほぼ未見。物語は平凡でありきたりかもしれない。だけど僕は、咲に目いっぱい感情移入したので、こんなに心を揺さぶられたのは久しぶりだっていうぐらい大揺れした。
TVは見てないに等しいぐらい見てない。3、4回、しかも毎回5分程度見ただけだ。マコトが赤いハイヒールはいて海岸で誰かと踊ってたのを覚えてる。
だから、取りあえず鑑賞前に分かってたことは、
・マコトは、かわいい物と女装が好きらしいこと。
・咲はマコトが好きらしいこと。
・竜二は、女子が好きなのだが、たまにマコトが可愛く見えてドギマギしてしまうらしいこと。
まあ、これぐらいである。
(疑問)
映画の中で、下校中にマコトが男子の制服で髪が短かったので驚いた。もちろん理由は分からない。なんでかのう (^^)。
マコトがセーラー服のまま家に帰ったら、ママが慌ててたみたいなので、登下校の際は男子なのかのう?電車ん中でセーラー服のままの時もあったような気もするが。
ラストは短い髪だけどセーラー服で家の玄関を出たので、ますます分からない。まあ、そこら辺は別にイイんだけど (^^)。
で、「この作品はコメディなのかな?」と思って見に行ったら、かなりマジメな展開だった。
また、マコトが主人公かと思ってたが、咲の物語だったのも意外だった。
咲は、おばあちゃんと,ママと,パパの間で迷う。咲はおばあちゃんに心配かけまいと、ママとパパを悲しませまいと、自分の泣きたい気持ちや叫びたい気持ちを隠してしまう。
自分の思いや悲しみを言えばいいのにと思うけど、それが出来ない咲の胸の苦しみが伝わってくる。
更に自分は誰かの特別に(おばあちゃん、ママ、パパ、マコト先輩の特別に)はなれないのかと思い悩み、自分にとっての特別は何なのか、誰なのかと考える。
子どもや若者のこんな心の葛藤なんて、今までイヤというほど多くの漫画、アニメ、TVドラマ、映画、小説、舞台で描かれてきたんじゃないかなと思う。ありふれた物語といえるかもしれない。
だいたい僕は、咲のおばあちゃんの年齢に近いから、咲の年頃の気持ちなんてサッパリ覚えてないし、その頃の事は断片的な記憶しかないから咲に共感するって事もない。
だけど僕は、咲の心の揺らぎの物語に心を揺さぶられた。咲に感情移入して見てると、けっこう悲しみが襲って来て泣けるぜって感じである。
竜二がイイやつで、マコトにも咲にも救いになってると思いました。もう竜二サイコー。
自分の好きを理解してくれて良かった
テレビアニメを観ててその流れで鑑賞。
最初はギャップ萌えから始まりつつも、次第にまことの魅力に惹かれ、最後は転校して離れる事になってもお互いに繋がることが出来、本当に良かったと思いました。(^_^)
最後にオトコの娘って本当に癒しになるなあ。
(女性の方ごめんなさい。m(_ _)m)
動かないアニメ
テレビシリーズの続きを完結まで同じクオリティで作り上げた映画版だった。同じクオリティと言ってもテレビシリーズが特別クオリティが高かった訳ではないので、劇場のスクリーンで観ると情報量が少な過ぎてスカスカの画面を見ることになって、これならそのままテレビで終わりまでやってくれれば良かったのでは?、はたして映画化とは…?という問いが脳内を巡ってなかなかストーリーに集中出来なかった。
しかも絵の密度は置いといても、やばいぐらいに動かない止め絵連発の演出はテレビ版より酷かった。感情がもっとも高揚するシーンですら止め絵で演出されていて、なんだか逆に時間も予算もないまま作らされたのかな、と心配になった。元々、原作自体が美麗なフルカラーの漫画なので、動かないならアニメ化そのものに意味を見いだせなくなるのだが。
原作の主人公キャラクターたちの愛らしさや清々しさ溢れる真っ直ぐな青春劇による面白さはそのままに、主人公たち世代以外のキャラクターが同じ顔に皺の線が入っただけの造形だったり、背景美術が無いに等しかったりする弱点を補完しつつ、それなりにアニメーションとして動かしてくれさえすれば充分にいい作品に出来た筈なのに、すごく勿体無いと感じた。
自分の中の”好き”こそが特別
原作未読ですが、テレビアニメを楽しく視聴していたので、続きが気になって公開2日目に鑑賞してきました。自分の中で勝手にマイナー作品と思っていたのですが、劇場はかなりの客入りでびっくりしました。年齢層も幅広く、多くの人から愛されている作品なのだと実感しました。
ストーリーは、かわいいものが大好きで、自分の好きを貫いて女子の姿で学校に通う高校生・花岡まこと、そんなまことに恋をした後輩・蒼井咲、まことの幼なじみで一番の理解者でもある竜二の3人が、楽しく学校生活を送って一年が過ぎた春休み、咲は離れて暮らす父と母のそれぞれから一緒に暮らすことを提案され、まことは咲に惹かれる気持ちに戸惑い、卒業後の進路が定まらず、それぞれが悩みと向き合う中で大切な決断をしていく姿を描くというもの。
テレビシリーズを締めくくる素敵な作品で、鑑賞後の満足度は高く、後味も爽やかです。誰かから”特別”な存在として認めてもらいたくて葛藤する咲と、自分の気持ちに素直に行動するまこと。この二人の気持ちに寄り添いながら優しく進むストーリーが切なく尊いです。
特に本作では咲にスポットを当て、祖母のもとで暮らすことになった生い立ちを背景に、父母のそれぞれの思いとそれに対する自身の思いの狭間で揺れ動く彼女の心情が、丁寧に描かれます。咲の父も母も祖母も友達もみんないい人で、誰一人として悪意を感じさせません。咲もそれがわかっているからこそ、どこかで遠慮して心に蓋をして生きてきたのかもしれません。
そんな咲にもまことにも、いちばん近くで寄り添い、二人の思いに真剣に向き合い、温かく見守り続けた竜二の存在が極めて大きいです。本作での出番はやや少なめですが、彼は本当にいいやつで間違いなくキーマンです。こんな感じで、基本的にいい人しか登場しないので、それぞれの気持ちに共感しながら、物語にどっぷりと浸れるのは心地よいです。
目の前の人や物や出来事、そこにある思い、その何が本物で特別なのかは誰にもわかりません。でも、自分の思いだけは本物の特別で、それに従えばいいのだと教えてくれている気がします。まことと咲と竜二が、自分の”好き”に素直に行動し、互いをかけがえのない存在だと捉える思いこそが、特別で尊いものだと思えてきます。
本当に素敵な作品で誰にでもおすすめしたいところではありますが、本作単体ではそのよさは半分も伝わらない気がします。できるだけテレビアニメ視聴後に鑑賞することをおすすめします。
キャストは、梅田修一朗さん、関根明良さん、内田雄馬さん、加隈亜衣さん、葵あずささん、梶原岳人さんら。関根明良さんの明るく屈託のない声に癒されます。
気持ちが少しわかる😌
TVシリーズから気になってて鑑賞いたしました‼️。
私も男ながら可愛い物には弱くて、つい手元に置きたくなってしまう(ぬいぐるみとか)。
女性ものの服が欲しいとかは思わないがそれがまことにとっては可愛いし好きだから着てみたいとかになって女装してるんだよね、だからなんとなくまことのその気持ちがわからなくはない😌。
ジェンダーレスの今時の作品内容なんだよねきっと😊。作品を見てて以前から感じ出た事を書かせてもらいました。
さて映画ですが、メインは蒼井な雰囲気でしたが、まことや竜二も色々な思いを抱えながらの劇場版。
徐々に蒼井への気持ちに気付くまこと、まことが蒼井を好きなになり始めてるのに気付きモヤモヤする竜二、母と父それぞれから一緒に住まないかと問われ葛藤する蒼井。
と蒼井の葛藤中心におきつつもまこと達の恋❓の葛藤もある。
竜二は優しく見守るが(カッコいいな☺️)。
TVから絵も綺麗だし、時折入る三頭身の面白いシーンも劇場でも健在でシリアスなシーンから、笑えるシーンまですべて良かったです。
時間を忘れて見入っていたし、物語的に終わったのか❓まだまだ続きが見たい作品ですね😄
TVアニメ版の予習が必須
TVアニメを視聴していることが前提で制作されている映画だと思います
なので「たまたま時間が空いてたから」「絵が可愛かったから」で観てしまうのはもったいないかもしれません
この作品は「男の娘(おとこのこ)」というキャッチーな言葉がタイトルに入っているので女装趣味の男子の話だとか、アニメの1話で女子だと思って告白したのに男子と知って告白した子が「男の先輩も女の先輩も楽しめるなんて!二度美味しい!!」という発言が話題になったりしましたが、実際はとても繊細な作品です
私はアニメ版が大好きでこの映画も楽しみにしていて初日の一番早い時間帯で観ましたが、とても満足しています
中でもご都合主義な展開にならないところがとても良かったです(普通は晴れるようなシーンで晴れないとか)
願っても時間をかけても晴れないものは晴れない。でもそういう時もあるし、それでもいい。そんなメッセージを私は受け取りました。
評価の星を1つ減らしたのはアニメ版の視聴が必須である映画だからです。
映画は一期一会的に「絵が可愛かったから」「時間があったから」で観るのも良い出会いだと思うのでそういう出会いを許容しないのはもったいないと思っています
アニメも映画も精神的に重くなく、底抜けに明るいキャラを見て元気になれたりする作品なので気楽にたくさんの方にアニメ&映画版を見てほしいです
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