「矛盾を感じつつも美しい世界に魅了される」Flow ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)
矛盾を感じつつも美しい世界に魅了される
今作は家族と予定が合わず一人で観に行ったんですが、「どうだった?」と改めて聞かれると言葉にするのが難しかった。物語は至ってシンプル、洪水で浸水してしまった世界は、現在進行系で沈んでいる。そこで生き続ける動物たちの営み、命がけの舟旅。
猫の鳴き声が可愛いくて感情表現が豊か。ただ、その声に胸がぎゅっと苦しくなる人もいると知って、受け取り手次第だなぁと思った。安全圏が小船しかないことにずっと不安がくすぶってるなか、動物たちのやり取りが人のように個性的でユーモアがあって楽しめた。後半の不思議なシーンの解釈にちょっと悩むところ。なんとなくこれが原因なのかしら?と思うことも。ところどころシーツが綺麗すぎたり、部屋全体も蜘蛛の巣や汚れがなかったり、魚はピチピチいわないし、黒猫や他の動物たちの毛は濡れ感とかフサフサすることもなく、筆で描いた絵の具のような質感に見えました。そんな矛盾を感じつつ日本アニメとは違った美しさに魅了される。やはり人間がいない方が世界は美しいのだろうな。新鮮な思いで楽しめました。
結局家族に説明は難しく、幻想的で美しい映像が素晴らしかったとだけにとどまる。
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