彼のイメージのレビュー・感想・評価

TIFF2024

他国の未知の過激は組織が絡む内容で、難しいかも･･･多少たじろいだものの、ナレーションを多用して非常に分かりやすい構成であったため、意外と見やすかった印象です。雰囲気にあったカッコ良い音楽なんかも効果的で、素直に感情移入もできた気がします。
ただ、途中異国で出来事が唐突に終わってしまった感があり、そこはちょっと謎というか多少混乱してしまいました。
彼のイメージというタイトルは、内容と非常にマッチしていてなかなか絶妙だなと思うのですが、その関係性があまりにも多様だったため“彼の”とされると誰の？となっちゃう危険性もあるのかなーと。その上、彼女のでいいのでは？と思っちゃうことも･･･しっかりとイメージを提示されたところでもねぇ、などと思ってしまいました。
音楽はマジで良かったので、サントラが欲しいところなんですけど、どっかで出るかなぁ

交通事故で亡くなったコルシカ島の写真家アントニアの人生を、コルシカ独立運動などの社会的背景を踏まえて、元恋人が回想していく…
前知識としてフランスからのコルシカ独立運動についてある程度知っておいた方がベターかも。一応劇中でもフッテージ映像を使った説明はあるが、ちょっと分かりにくいかもしれない。
独立を主張するコルシカ民族解放戦線 （FLNC）のメンバーとなった恋人パスカルと別れたアントニア。ネタバレになるかもだが、タイトルが示す“彼”とはパスカルではない。その“彼”を通して見たアントニアのイメージ。それは、紛争がもたらす悲劇を戦場カメラマンとして伝える姿だ。
緊迫シーンはあるものの、良くも悪くも淡々とストーリーが進むのでメリハリに欠ける。