白雪姫のレビュー・感想・評価
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「いつか山賊のお頭様が」でも歌えばよかったのにね?笑
ディズニー映画の実写版って年々酷くなってると思うのはおれだけ?😓
ポリコレを過剰に意識しすぎじゃない?
実写版のリトルマーメイドの時も思ったことで、白雪姫も案の定過ぎたわ💦
そして今作も薄々気づいてたけど白雪姫があんま可愛くないわ!
どうしたディズニー⁉️
今までは、リリー・ジェームズとかエマ・ワトソンとかナオミ・スコットとか、誰が見ても華があるプリンセスだったのに……
ウブ感というか芋っぽいというか、ガキに見えてあんまノレない💦
と思って調べたら白雪姫って14歳なんだね💦
そりゃクソガキだわな💦
代表的な白雪姫の衣装もコスプレ感というか、ハロウィンの日にドンキで買って着た中学生にしか見えない申し訳ないけど💦
そんな中坊の白雪姫と山賊の恋愛描写なんて、見せられたところで何も感じないよ。
あとストーリーが単純に面白くない。
薄っぺらの内容に、薄っぺらの登場人物たち、なんもオモロない😭
歌唱シーンは基本どこも良かったと思う。
白雪姫のレイチェル・ゼグラーは歌上手いし、
オープニングの色鮮やかな街の人たちのダンスとラストの真っ白なダンスシーンは、画的にも可愛かったし、聞き馴染みありすぎるハイ・ホーも楽しい気分になれた🪓💎
でも「いつか王子様が」が無かったのは残念。
そりゃそうだ、王子様出てこないんだもん。
「いつか山賊のお頭様が」でも歌えばよかったのにね?笑
まいどのミュージカル
退屈で盛り上がりに欠ける
簡単に言うと、全体的に退屈でした。
おそらく、内なる美しさを秘めた白雪姫が、暴力に頼らずその心の美しさによって王国を取り戻し、悪の女王を打ち倒す——そんな物語を描きたかったのだと思います。しかしながら、脚本があまりにも薄っぺらく、説得力に欠けていたように感じました。
特にそれが顕著だったのがラストシーンです。たった4人の兵士が寝返っただけで女王が発狂するのは、さすがに無理があるのではないでしょうか。挙句の果てに、自らの栄華を支えてきた鏡を割って自滅するなど、白雪姫は何もしておらず、「え、これで終わり?」という印象でした。
ただし、7人の小人たちが「ハイホー」を歌いながら働くシーンはとても良かったです。この場面だけは素直に楽しめました。
激ヤバ毒リンゴを語り継ぐ先人になる
俺はディズニー映画を何本も見てるし、過去のアニメ作品もたくさん見てきたし、近年の実写も見てきてるんだけれども、自分がこういう低評価を下さなければいけないということが本当に悲しい。
以下、比較の為にアニメ映画版のネタバレも含む。
本当に信じられん、こんな脚本が通ったということが本当に信じられねえ。問題点をどんどん上げていく。
これがディズニー公式から出たという事実が本当にすごい。
「先人達の知恵」的な歌詞の歌がありながら先人達から何を学んだんだというひどいアレンジ、付け足しの連続。
これはリアルタイムで劇場で観た我々が「ひどい実写化」の例として語り継ぐべき、驚くべき作品だ。
とにかく脚本、演出が雑。主演女優が白人ではない、なんてことは些細なこと。とにかく元になったディズニーアニメ映画からの余計な付け足しがひどすぎる。
例えば最初の歌、ここは素晴らしい国的な歌も曲はいい。しかし見せ方の工夫はもっとできただろう。
最初にカラフルな衣装で歌い踊る。これ自体はいい。しかし後述するラストはこのカラフルさとは真逆になっている。
序盤に白雪のソロ曲がある。両親が死んで新しい女王にこき使われ掃除させられているのだが。これは本当の自分じゃない、いつかなりたい自分になる、国を取り戻す的な歌なのよ。
単調な見せ方ももちろん良くないんだが、もっと良くないのが雑に洗濯物を叩き落とす演出があること。
これが何が良くないかっていうのは、そもそものディズニーアニメの白雪姫ってもっと能天気な人で、掃除すら楽しそうにやるところが魅力的だったわけで。
自分の置かれた境遇にひたすら不満を持ってる感を、わざわざ足してる。なんでそんなにキャラ付けするのよと。
自分の国を取り戻したいという意思を見せること自体は悪くはないんだけど、描き方がひどい。
例えばその洗濯物を叩きつける描写がなぜ良くないのかっていうと、その後に小人たちの家に行って、小人に楽しく掃除しましょうよというような歌を歌って諭すわけよね。
そんな洗濯物を叩きつけるようなやつに楽しく掃除しようよなんて言われたくねえよって思っちゃうわけよ。この映画ってのは本当にそういうひどいことを平気でやるのね。
本当に中途半端にアニメ映画のストーリーに沿ってる上で余計なもの足してるからすごい不自然で変な展開がたくさんある。
自分の国を取り戻したいみたいなところもまずあれなんだけど、新しい女王になってから国が良くない方向に行ったってのがとにかく分かりにくい。
この展開やりたいならまずはもっと人々が貧しくて苦しんでるんだみたいな描写をもっと増やすべきだ。こういう展開にするべきなら、そこの描写がまず弱い。
例えばね、盗賊の男が、今回の王子様の役割、王子のポジションになるっていうアレンジ自体は、そうしたかったなら、そうしたっていいんだけど。これだって別に盗賊にする必要性を感じない。
何だったら、元々王子だった人が、何か盗賊のフリしてて市民を助けている王子だったでもいいんじゃねえかと。
本当に盗賊にする必要性を感じない。
わざわざ、名曲『いつか王子様が』をカットする必要があったのかと。
男に頼らない姫を描きたかったんだろうが盗賊アレンジに何のこだわりも感じさせないのが逆にすごいまである。
そして!ある意味見所である、七人の小人ね。本当に、なんでこのキモ可愛い、いや、単純に気持ち悪い変なデザインが採用されたのか。なんでよっていうような、すごい変な不気味なデザインで、実写版キャッツの次ぐらいにやべえなっていう。
これはよくCMで隠したなって思えるほどに、とにかく微妙にリアルで、微妙に不気味な。これは何が良くないかって言うと、盗賊団の中に本当に実際のリアルなパチンコ打つ小人の役者がいて、その小人の人は別に不自然ではないのよ。
でも、その小人のパチンコ打つ人に比べて、七人の小人がすごい不自然さが余計強調されてて。
この七人の小人たちが触ると岩が光って、宝石のある場所がわかるみたいな、元のアニメにない謎の設定が付け足されて、その謎設定は最初の鉱山で岩を掘ってて、そこのシーンが綺麗に光るという演出以外で、特に活かされない。余計な設定だ。
しかも274歳だ、いや275歳だみたいなことをいちいちセリフで言うんだけれども、そんな年を取ってることをいちいち示さなくたってよかったじゃないかって言う。
その年を取っているという要素も全然ストーリーに活かされていない。
おそらく七人の小人はいわゆる人間ではない、ということを強調したかったんだろうが。ならそれはそれで光らせ能力や長寿をストーリーに活かせよと。
でね、小人が出てきたタイミングで盗賊団も出てきて、盗賊団が白雪姫を捕まえに来た兵士たちと戦うんだけれども、ここのバトルも何か薄くて。一応雪姫の見せ場もあるんだけれども、勇気凛々戦ってますよ的なことをチラッと見せるんだけれども。
ここをやるんだったら、もっと白雪姫なりのアクション的な、例えば動物と仲が良いのであれば、動物と一緒に戦う的な展開にした方が良かったんじゃないかと。
でさ、ひどいのがさ、この盗賊の頭の男ジョナサンが、王子ポジションの男が白雪姫をかばって、矢を受けて倒れてしまうと。
で、ここ白雪姫が、そのドクターである、先生ね、小人の一番長である先生に治してよっていうんだけど、とにかくそれがすげえ上から目線なんだ。
なんか、治してよ、やってよって言う、ただ単に頼むだけで、すごい他力本願なわけよ。そういう描写を平気でやるわけね。
白雪姫はみんなで分け与えるべきだって事あるごとに言うんだけれども、だったらまずお前が薬に効くような薬草でも取ってきて労働を分け与えろよって思うぐらい、なんか偉そうなのよ。
ドクターこと先生は、すごい奴だから、あっという間にやられたジョナサンを治療してくれるんだけど、その直後に、よっしゃ、宴会!的な感じで、急に小人たちと盗賊団のダンスが始まる。
このダンスの取ってつけた感もひどい。
そこでなぜか、白雪姫と盗賊の頭ジョナサンが急接近で仲良くなり、お互い愛してます的な雰囲気になる。
表現も安っぽくてひどい、失笑もの。しかも、周りに人がいる中で、いい感じになるのが、無理矢理過ぎる。
原作アニメ映画だと白雪姫と王子が1対1で出会って特別感があったのに、そういうのもない。
わざとやってんだろうけど、愛している人のキスという要素を入れるために、ここで急接近をさせざるを得ないという、無理やりさがひどい。
ジョナサンさんだ、ジョナサンさん、あの名前を覚えてやろう。ちょっとこの盗賊ジョナサンの扱いもすげえ雑でかわいそうだから、せめて劇中でも言ってたように名前は覚えておいてやろう。
このジョナサンも、白雪と仲良くなった後に、南に行くぜと。白雪のお父さんがどうなったか調べてやるぜ的な感じで、わざわざ白雪からペンダントを受け取るんだけれども。
勇ましく出発したのに即効で女王の兵隊の罠で捕まって、城に閉じ込められるという。
もう全然見せ場も作ってもらえない。すげえひでえ展開ですよ。
でもってそれでペンダントを女王に奪われて、女王が老婆に変身して、この老婆を白雪姫が信用するきっかけがそのペンダントを持っていたというところで。
かつこれも良くないのが、分け与えようという、みんなで分け与えようという言葉を、お父様が言ってたよねと。
だからその分け与える心で私、老婆は、このリンゴ(毒リンゴ)をあなたに分け与えるんですよという、このマイナスの意味での伏線回収をわざわざ作ってる点な。
やりたかったことはわかる。白雪姫が怪しい老婆から貰ったリンゴをすぐ食べると言うには、やっぱり理由が必要なんじゃないかというのを考えたと思う。
しかし、そういう伏線回収をするなよ。分け与えるという行為、言葉によってマイナスの出来事が起きるっていうことが、映画全体のイメージも悪くしている。ペンダントすらマイナス面で役立っている。
で、雑に捕まったジョナサンは、何日もかけて牢屋の鎖を解くことができました。雑に脱獄成功するわけよ。
で、死んでいた白雪姫にキスしたら、白雪姫目覚めました。真の愛でしたね、と。
ここで、また中途半端にアニメ映画と同じ展開を作ってるの。これ、本当、同じ展開をわざわざ作るんだったら、全然王子でよかったじゃねえかよっていう中途半端さがまずある。
この白雪姫が目覚めてからの余計なおまけがまたひどくて。
まず白雪姫、目覚めた白雪姫が、城下町に戻ってきて女王と対峙するのよ。
うんで、町の人がなぜか白雪姫の味方ぽい雰囲気になってくる。そこも説得力がないのよね。なんか結局、親父の七光り。
これも良くないんだけど、ずっと父さんが、父が守りたかった国を取り戻す的な、父さんは立派だった、ということを言う白雪なの。本当父親頼みなので、父親の七光り、だから町民に愛されているのかなみたいな。
この白雪姫自体の実績がないっていうのが、余計強調されちゃうのね、父親が父親がっていうセリフが多いことで。
これは原作にない余計な付け足し要素ね。
女王と対峙して、女王が私を刺せと言うんだけど、白雪姫としては刺すことはできないわけよね。で、女王が兵士にみんなの前で白雪姫を殺せと命じる。
この後の展開もね。その兵士の名前を白雪姫は覚えていたと。1人1人の名前を覚えていて、どういう家族構成かも覚えていたと。
それによって兵士が、覚えていてくれてたんだと感動して、白雪姫を殺さず、戦闘放棄するという展開になるんだけれども。
これをやるんだったら、女王が1人1人の名前を全然覚えられない白状なやつだという描写対比が必要なわけで、そういう描写もなく、白雪姫が名前を覚えるのが得意っていうのは、小人の自己紹介のところで初めて示されるんだけれども、それもそこぐらいで、その積み重ねがないの。
積み重ねがないのに、それをちょっと切り札としてるところも良くないし、映画としても地味すぎるのよ、展開として。
最終バトルがあるわけでもないし。
女王の最後まで雑で、女王が最後に魔法の鏡に語りかけて一番美しいのは誰だって聞いたら、女王は肌だけが美しいだけで、本当に中身、心が美しいのは白雪姫ですって鏡が言って。
それに怒った女王が鏡を割ってしまって、鏡が割れたら、その鏡の魔力が無くなっちゃって女王も真っ黒になって死んでしまうという、本当雑すぎる自滅で女王も死ぬという。
もうね、本当この女王も可哀想で、どうにかならなかったのか、このひどい脚本はっていうところで。
ラストは、白雪姫が立派な女王となり統治しました。めでたしめでたし的なナレーションで、冒頭の歌のアレンジで、最後みんなで歌う。
この時の衣装がみんな真っ白なのよ。すげえ全体主義なんじゃねえかっていうくらいみんな真っ白なの。白雪姫だからっていうところなんだろうけど、この真っ白さがすげえ不気味なものがあって。
だって最初のシーン、冒頭のシーン、カラフルだったにも関わらず、すげえ真っ白にしたオチって、これ本当にお父さんの意思を受け継いでいるの?と感じる。
すげえ不気味さを全然自覚しないでやってるというところが本当にね、この映画はずっとやばすぎて、もうここまで来ると逆に面白すぎるんだよね。
これはマジですごい、実写版ドラゴンボールや実写版デビルマンなみに語り継がれるだろう究極のヤバ毒リンゴだった。
俺達は、この激ヤバ実写化毒リンゴを食らった俺達は、先人として語り継いでいかなければならない。星1をつけなければ失礼だとすら思う。
いろんなことを忘れて作品だけを思っても「ウィキッド」を観た後では超見劣りする その10分の1以下にしか感じない
ディズニー作品は、毎回、ポリコレやらジェンダーやらいろんなノイズばかり気になってなかなか素直に楽しめる状態になれなくて困る。
本作なんて特にそう。
そこを何とか頑張って、いろんなことを忘れて作品だけを楽しもうとしたのですが。
七人の小人が、デザインはアニメのままでリアルな3Dアニメになると何か気持ち悪い。
「ハイ・ホー」は良かったのですが。
女王が老婆になったのは、自分だと気づかれないように変装したと。
なぜ毒林檎食べる???
なぜ王子様来ない???
白馬の王子様は現代に通用しない???
通用するようにどうとでもアレンジできるでしょうに。
ちょいワル盗賊リーダーのほうが今風???
何でキスしたんでしたっけ?
盛り上がるところなのにちょうど睡魔に襲われて良く分からなかった。
自分から行動しようと女王に立ち向かうけれど、白雪姫の切り札は「国民の名前とプロフィールの記憶力」?
いやそこは、覚えてるだけでなく、一人一人に親身になって寄り添っているところを描いてくれないと、単なる記憶力がいいだけになってしまう。
対決の場に集う国民たち…少なくない?
村みたいな規模の国でしたっけ?
やっぱり、「ウィキッド」を観た後では、超見劣りする。
王道中の王道、おとぎ話の決定版のはずが、「ウィキッド」の『10分の1以下』の規模感では話にならない。
いっそのこと、割り切ってアニメ版そのままを豪華絢爛に実写化してくれたら、それで十分だったのに。
色々考えるのをやめようと思いましたが、やっぱり無理。
白雪姫は、白人女性の話なんだから無理に変えなくて良くない?
他の人種は、他の話で主役にすればいいだけの話。
七人の小人は、小人なんだから小人でいいじゃないか。
「ロード・オブ・ザ・リング」のホビットみたいなものでしょ。
無理に盗賊メンバーにそういう人を配役しなくてもイイのでは?
七人の小人は3Dアニメで、盗賊にはそういう役者を配役する意味が分からない。
どこからどこまでもバランスの悪い、立て付けの悪い話で、スッキリ見れない話でした。
また、王様や白雪姫が語る、「国の理想」が、現在のアメリカが目指そうとしている姿とはあまりにも遠くかけ離れているようで、まさに絵空事で、「よく言うよ」と思ってしまい白けてしまう。
もう、ただの童話として愛された幸せな時代(おめでたい時代)は、二度と戻ってこないのだ。
ずっと脳裏で
♪ちがう ちがうっ (´Д`)
そうじゃ そうじゃなーいっ (´Д`)
なぜ白雪姫にしたんだ
別の新たなプリンセスでも良かったじゃないか
王子様の代わりが芋泥棒でも
びしょ濡れで他人のベッドに寝る失礼な姫でも
小人には指示して己は家事しない姫でも
いつか王子様がを歌わなくても
最後皆で白い衣装でも
なぜ白雪姫にしたんだ
なぜあの本来の白雪姫の衣装を着せたんだ
別のプリンセスの話だったら
まだ後味良かったのに
もう一度、次は平常心で観てきます
話はダメだが、レイチェル・ゼグラーが魅せる
先ず言いたいのは、この映画は5〜11歳位までの女の子を対象とした低年齢層向けの作品。なので酷評しようと思えばいくらでも酷評できます。美しいヴィジュアルとレイチェル・ゼグラーの歌唱力で普通に楽しめるので、ネットのアンチの酷評は信用してはダメです。実際、ロッテントマトの観賞オーディエンスは70%以上のFRESHと高評価です。
ディズニーアニメ「白雪姫」は子どもの頃観た記憶があるが、バカバカしい女の子向けの話で「くだらない」という印象だった。でも大人になってからは制作当時の時代を考えると、アニメーションとして何とも偉大な作品であったことを思い知る。
つまり映像作品としてはめちゃくちゃ凄いが物語はつまらない、それがディズニーアニメ「白雪姫」の印象。
それがレイチェル・ゼグラーとガル・ガドットで映画化と発表され、監督はマーク・ウェブ、脚本はグレタ・ガーウィグが担当。いまハリウッドで乗りに乗ってるキャスト&スタッフではないか!バカらしい話が傑作になる可能性が出てきたと、すごく楽しみにしていた。
でも後にグレタ・ガーウィグが脚本名から外されたのはちょっと残念というか嫌な予感がした。
映画はスタートから絢爛豪華なミュージカルシーンで飛ばす飛ばす。映像は迫力満点。小さな子は恐怖を覚えるだろう。
そして何と言っても白雪姫を演じるレイチェル・ゼグラーが良い。歌唱力は抜群で、彼女がスクリーンに写るだけでその場の全てをかっさらって行くスター性。ワンダーウーマン=ガル・ガドットのスター性はすごいと思っていたが、ゼグラーと並ぶと歌唱力も演技もイマイチで、美しいだけの人にしか見えない。もしこれがマーク・ウェブの演出力だったら神業だ。
でもこれが7人の小人が出て来てからトーンダウン。小人のCGがとにかくキモく、正直モンスターだ。ハイホーなんて歌わないで早く消えて下さいと願ってしまった。なんで小人症の人を起用しなかったのか理解に苦しむ。以降のミュージカルシーンもイマイチで物語を盛り上げるどころか、盛り下げてしまうのはキャラクターの気持ちより、その場限りのとにかくミュージカルシーンにしましょうという事務的処理になってしまったからだと思う。
そして一番の問題は白雪姫の死と復活の描かれ方。これはキリスト復活がモチーフにあると思うが、ドラマとして盛り上がらない。「原作がこうだからその通りにしました」というこれもまた事務的な処理で、プロの仕事とは言えない。王子から変更した山賊団の長の存在も物語として機能してない。レイチェル・ゼグラー以外のシーンだけで見れば星2.5くらいが正直なところ。
でもレイチェル・ゼグラーのおかげでラストまで楽しく観れました。今後、彼女がどう成長して行くか楽しみです。
白雪姫というアトラクション
自分が対象年齢外であることを忘れてた
なんでわざわざ「白雪姫」を観に行ったかって、グレタ・ガーウィグが脚本に1枚噛んでるからだ。だって気になるでしょ?
しかし、そもそも「白雪姫」という童話がベースであることを失念していたのは私の落ち度である。童話とは、結局子どもの為の物語なのだ。大人が、それも成人なりたてじゃないベテラン大人が観るような作品ではないのだ。
正直退屈したのは否めない。多分ファンサービスであろう7人の小人が仕事に行くシーンや、動物が寄ってくるシーンなんかは、知ってるって事を差っ引いたとしても魅力を感じなかった。
ただ、21世紀の「白雪姫」という点では悪くない仕上がりだと思う。「風と共に去りぬ」が今観るとヤベーのと同じで、「白雪姫」の、世間が原作と言い張っている「王子様のキスで解決するストーリー」が色々ヤベーのは間違いないのだから。
その「そこちょっとマズイんじゃない?」を補正したうえで良いシーンに仕上がったのは、小人たちと家を掃除するミュージカルシーン。口笛を吹き、ハミングし、ダンスしながら協力して家を綺麗にしていく白雪姫はあんまり掃除に積極参加してないのである。
働く小人と家事をする白雪姫、という関係を踏襲せず、何でも「みんなでやろう」というのは白雪姫による「自分の利益を少し手放すことで、みんなが大きな恵みを得る」精神とも合致するとみて良いだろう。白雪姫も小人たちも晴れやかで良い。
考えてみれば、色々と問題だらけのまま凝り固まってしまった「白雪姫」をこれからの時代にもフィットするようにリブートしようという野心的な試みなのだが、いかんせん壁が高すぎた。
衣装の制約もキツいし、復活キスも外せないし、小人は出さなきゃならないし、女王はわざわざ老婆に化けなきゃならないし、白雪姫も女王を処刑するわけにはいかないし。
これ、ディズニーじゃないならもっと自由にやれただろうな。もしくはディズニーが「金は出すけど口は出さない」ブラムハウススタイルなら良かったのに。
ちょっと新時代の香りはしたかな?くらいの仕上がりだが、子どもに観させるならちょうど良い。
なんたって私が退屈に感じた部分も初見だから楽しめるはずだしね。
純粋に疑問なんだが、ディズニープリンセスの白雪姫に憧れて「私も白雪姫みたいになりたい」と思った場合、その後の努力というのは美白を頑張ることなのだろうか?そして「いつか王子様が」見初めてくれることを願いながら雌伏する?
そういう意味では「いつか王国を治める」ための努力シーンが無かったことは(子どもが観ることを考えても)残念なのだが、きっと「原作にない」から必要とされなかったのだろう。
考えれば考えるほど、理想とは遠いものであることよ。
CGの失敗例がまた一つ・・・
ラテン系の女優が白雪姫を演じることについては、特に異論はないのだが、「7人のこびと」をあからさまなCGキャラクターにしたことについては、違和感しか覚えなかった。
おそらく、このCGには、多くの費用が掛けられているのだろうし、確かにその「出来」も良いのだが、生身の人間と同一の画面に映し出された時のミスマッチ感が甚だしく、表情などが精巧に作り込まれている分、「不気味の谷」のような気持ち悪さも感じてしまった。
違和感のない小人の描写に関しては、「ロード・オブ・ザ・リング」のホビットや、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のウンパルンパのような成功例があるのだから、それにならえば良かったと思うのだが、アニメ版の「再現」を狙った結果なのか、フルCGという選択は、明らかに失敗だったと思わざるを得ない。
アニメ版の「再現」と言えば、白雪姫のコスチュームも同様で、どんなに森の中でドロドロになって動き回っても、いつも洗濯したてのような小綺麗さと清潔感を保っているところには、やはり違和感を覚えざるを得なかった。
別に、「おとぎ話」に過度なリアリティを求めるつもりはないのだが、実写にする以上は、最低限の「現実感」があって然るべきだろう。
実写化された「おとぎ話」としては、ラストにスペクタクルな見せ場が用意されていないのも、物足りないとしか言いようがない。
白雪姫が、継母に打ち勝つ手段として、村人の一人ひとりに、過去の「善い行い」を思い出させるのは良いとしても、だったら、冒頭で、そのための伏線となる描写をきちんと用意しておくべきだったとも思う。
こんな中途半端な実写版を作るくらいなら、いっそのこと、ロバート・ゼメキスの「ポーラー・エクスプレス」や「ベオウルフ」のような、フルCGアニメにした方が良かったのではないかと思ってしまった。
こういうのは『魔法にかけられて』の前に作るべきだよディズニーさん
吹き替えにて鑑賞。
巷で言われてるほどツマラナイ映画ではないです。これより酷い映画は山ほどありますし、少なくとも眠たくなるほど退屈な映画ではないです。
音楽シーンはとてもよく、特に誰もが知っている『ハイ・ホー』のシーンと楽曲はテンションが上がりますし、とても丁寧です。ここのシーンだけは必見の価値ありです。
その他、37年のアニメ版にもあった部分に関しては丁寧に描かれていると思いました。
(ただ、そもそも『白雪姫』という題材が持つ現代においての時代遅れ感に関しては目を瞑ることとします)
以下、ネタバレですが、
本作には『王子様』は登場しません。
その代わりキスの相手とは最序盤に因縁を与え、恋に落ちるシーンが追加されています。
彼の存在が本作に『駄作』という評価を与える人が多い原因です。
7人の小人、ドワーフ周りの描写に関しては丁寧なのに、
このキスの相手とその周りにいる仲間連中の描写に関しては蛇足、取ってつけた感が拭いきれていません。
はっきり言って彼らの存在は物語に必要ありません。
「王子様のキスで目覚める」という展開をディズニーが排除したいのはわかります。しかし、そのことに関しては『魔法にかけられて』という大傑作で既に回答を、誰であろうディズニーが示した問題です。いまさらここでその問題を掘り返して、そもそも白雪姫のパロディである『魔法にかけられて』のさらにパロディみたいな展開にする必要が果たしてあったのでしょうか?
そして、この安易に王子という存在を配して、ただの村人を王子役にするという、既にアナ雪でやってるような展開をする必要がどうしてもあったのだとして、
今作のキス相手には全く魅力が感じられません。
ただの顔がいいだけの馬鹿にしか見えません。
男側はともかく白雪姫が彼に恋した理由は「見た目がいいから」以外の理由を見出すことができません。描写としては手と手が触れ合った途端、幽閉生活で男に飢えていた白雪姫が突然発情し始めたようにしか見えません。
これは本作のテーマが『見た目の美しさよりも内面の美しさだよね』というこれまた既にやり尽くされて、ディズニーのパロディとしての『シュレック』が存在するのにいまさら?感のあるテーマと矛盾が感じられるところでもあります。
もしどうしても王子という存在が許せないのならば、キスの相手はドワーフ、七人の小人にするべきです。
本作『成長』という意味で明確に主人公性が感じられるのはドワーフの中のおとぼけです。
彼を王子役にすれば、成長も描け、尚且つ『内面の美しさ』というテーマにも納得感が与えられると思います。
ドワーフたちのキャラクターには魅力があるのに、その他のキャラに魅力を感じられません。
しかし、これはそもそも白雪姫が現代的な主人公の資格がないキャラクターであるので仕方ない点ではあります。
本作は決して面白い作品ではありませんが、音楽はいいため星2.5にします。
吹き替えもドワーフの中にいる小島よしおとダイアン津田はベテラン声優陣の中でも違和感のない素晴らしい演技と歌声でした。
結論として、
王子様問題には『魔法にかけられて』、
美醜問題には『シュレック』
という傑作が存在する今、パロディのパロディになってしまうんだから変に改変しないでオリジナルのままやったら結構良作になったんじゃねえの?
というような作品でした、
サントラはおすすめです。
贅沢に作られた子ども向けのおとぎ話ムービー
正直、白雪姫の話自体をよく覚えておらず
(というか元々知らない可能性あり)
悪い魔女が老婆に化けて毒リンゴを食べさせる
青年(プリンス?)のキスで目が覚める
7人の小人が出てきてハイホー♪って歌う
くらいの認識で...
ひょっとしたら意外と面白いかもしれないから、一回観とくか?ノリで鑑賞しましたが、期待を超える
ことも裏切られることも特になく終わった感じです
最後は、なんとなく無血革命!みたいなヌルい感じで一件落着となりますが、これってオリジナルも同じストーリーでしたか?
だったらお子さん達にはオススメの映画と言えるでしょう
ミュージカルシーンは、流石ディズニー、納得の出来映え。字幕版を観たかいがあったというものです
P.S.
しかしやっぱり、ガル・ガデット嬢が魔法の鏡に「世界で一番美しいのはだ〜れ?」と聞くんだけど、それより美しい姫のキャスティングって激ムズですよねぇ
シン黒白雪姫‼️❓
【”人民の善良な心が邪悪な女王を滅ぼす。”今作は格調高きスノーホワイト実写ファンタジックミュージカル映画であると私は思います。そして邪悪な女王を演じたガル・ガドットの物凄い美しさにヤラレマス。】
<敢えて記すが、字幕版で鑑賞>
■粗筋は、マアマア原作に忠実なので割愛。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
1.スノーホワイト(日本だと、白雪姫であるが、原作名は「Snow White」である。)は、過去数々の作品が製作されて来た。だが、シャーリーズ・セロンを始めとしたスターが登場して来たが、評価は芳しくない。
2.で、今作。
鑑賞理由は、邪悪な女王をガル・ガドットが演じるからである。イスラエルが誇るナタリー・ポートマンと並ぶ美人過ぎる女優さんである。
個人的に、モニカ・ベルッチ、ゴルシフテ・ファラハニ、そして且つてスノーホワイトを演じ、ケチョンケチョンに貶されたクリステン・スチュワート(理由は書かない。)と並ぶ、お気に入りの女優さんである。その方が、ナントミュージカルに出演するって聞いたら、そりゃあ、字幕で観るよね!
3.序盤は原作にホボ忠実に進む。2021年版「ウェスト・サイド・ストーリー」でマリアを堂々と演じたレイチェル・ゼグラーが、スノーホワイトとして堂々と、伸びやかな歌を披露する。
4.そして、満を持してじゃじゃーんと登場したガル・ガドット演じる邪悪な女王。特徴的な冠を被り、ボディーラインにフィットした暗めの紫のゴシックレザー衣装に身を包み、その美しき顔が、大スクリーンに映し出されるのである。
<NOBUの脳内改編会話>
”鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番美しい人はだーれ?”
”ハイ!ガル・ガドット姉さんです!”
イタタタ。石を投げないで下さい!でも、ドー見ても妖艶な魅力溢れるガル・ガドット姉さんの方が、レイチェル・ゼグラーサンよりも、綺麗に見えるんだもん!
”神様、私は汚れてしまったのでしょうか?””ハイ、汚れていますが、正直だと思います。”
レイチェル・ゼグラーサンには大変申し訳ないのだが、今作では、ガル・ガドット姉さんの物凄い美貌が、全て持って行っている感が半端ないのである。
これだけで、満足なのだが、ナント彼女は歌まで歌ってくれるのである。
5.7人のオジサン小人の表情豊かな姿も良かったな。今作で、最も楽しい時間であったな。ハイ・ホーの行進のシーンはもっと見たかったな。
6.後半は、原作とやや違う展開で進むのだが、マア許容範囲で有ろう。これは、敢えて原作を大きく変えないという製作サイドの想いだろうか、と思いながら鑑賞。
7.で、毒林檎を邪悪な魔女に食べさせられたスノーホワイトは、7人の小人が哀しみの眼で見守る中、序盤で登場したジャガイモ泥棒のジョナサンがキスをすると・・。
ここで、”王子様じゃなくて、ジャガイモ泥棒かい!”と言う声が聞こえて来そうだが、これはこれで良いのである。今作は弱者の民の革命の物語なのだから。
8.そして、スノーホワイトは邪悪な女王が支配する城に一人乗り込む。そして、女王から殺されそうになるも、彼女の得意な人の名を覚える能力を発揮し、且つては心優しき村人であった兵士たちに語りかけ、彼らを元の善良な民に戻すのである。
<今作は、格調高きスノーホワイト実写ファンタジックミュージカル映画であると、私は思います。そして、そして邪悪な女王を演じたガル・ガドットの物凄い美しさに気持ち良くヤラレる作品なのだとも思いました。じゃあね!>
ガル・ガドットってやっぱり美しい
行き過ぎた多様性への配慮や主演女優のフェミニスト発言炎上などで公開前から話題になった新解釈の白雪姫。
映画自体も事前の評判が芳しくなく、それに影響を少し受けてしまった事もありマイナスの印象を持ちながら劇場へ向かったが、映画自体は面白く観る事ができたし、レイチェル・ゼグラー(可愛くも綺麗でもないけど)の歌唱も十分堪能できたのでプラマイでは少しだけプラスだった感じ。
そもそも白雪姫はドイツ民話をグリム兄弟が脚色した上でグリム童話として出版したものをディズニーがさらにえぐみを取り除きアニメとして世に送り出したものなので、本作がオリジナルと違うというのも変な話なのだが、ラストの白雪姫が彼女なりの方法で女王をやっつけたのは今まで何となく曖昧だった(自分がうろ覚えだっただけだと思うけど)結末をハッキリとしてくれたことはどんな内容にせよ嬉しかった。
一方、女王は魔女だったのか問題がここでもハッキリとさせてくれなかったことは残念だった。
物語としては面白かったので、小さなお子さんがいるご家庭にはおすすめかと思います。
賛否両論!長所と短所の混在する“困った一作”
【イントロダクション】
ディズニーの原点にして不朽の名作、世界初の長編カラーアニメーション『白雪姫』(1937)を、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのマーク・ウェブ監督により実写映画化。
白雪姫を『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)のレイチェル・ゼグラー、邪悪な女王を『ワンダーウーマン』(2017)のガル・ガドットが演じる。脚本には『バービー』(2023)のグレタ・ガーウィグ。同じく脚本にエリン・クレシダ・ウィルソン。
【ストーリー】
昔々、ある城に思いやりのある国王とお妃が住んでいた。やがて、2人は1人の娘を授かる。雪の日に生まれた事から、彼女は「白雪姫」と名付けられた。
両親は、白雪姫に溢れんばかりの愛情を注ぎ、彼らは国民との笑顔と恵み溢れる日々を過ごしていた。しかし、お妃が病によりこの世を去り、残された2人は悲しみに暮れた。
ある日、城を訪れた1人の女性が居た。彼女は目も眩むほどの絶世の美女で、慎ましやかな印象から国王は彼女を愛し、やがて妻とした。
しかし、妻となった美女は邪悪な本性を表し、国王に嘘を吐いて遠征に向かわせ、国を乗っ取り女王となった。煌びやかな宝石に包まれ、ひとり贅沢な暮らしをする女王。女王は白雪姫を召使いとし、白雪姫もまたかつて両親が願った「いずれこの国を率いる女王になってほしい」という願いを忘れかけていた。
女王は魔法の鏡を有しており、毎日「鏡よ鏡、世界で最も美しいのは誰?」と問い、鏡から「それは女王様、あなたです」と答える事に満足していた。
ある日、白雪姫は城の食糧庫に侵入した青年ジョナサンと出会う。捉えられ、城門に縛られる彼を見かね、白雪姫は彼の縄を解き、僅かばかりのパンを与えて逃がす。そんな白雪姫の雪のように白い純粋な心の美しさは、鏡に「女王様、あなたは美しい。しかし、白雪姫の心の美しさには敵わない」と答えさせ、女王の嫉妬を買う。
女王は、再び自分が世界で最も美しい人になるため、狩人に森で白雪姫を殺害し、箱に心臓を入れて持ち帰るよう命じる。
森へ向かった白雪姫は、狩人の剣を前に死を覚悟する。しかし、どうしても白雪姫を手に掛ける事の出来なかった狩人は、彼女を森へ逃がす。森を彷徨い歩く彼女は、動物達に案内され7人の小人が住む家へと辿り着く。
【公開前から大荒れ!?賛否両論の問題作!】
ラテン系女優レイチェル・ゼグラーの白雪姫役起用による議論(本来、白雪姫は「雪のように白い肌」と描写されている為)、そんなレイチェルによるトランプ大統領支持者への問題発言と炎上、レイチェルとガル・ガドットの不仲説、ストーリーの改変etc.
とにかく公開前から悪い話題ばかりが上がる本作。ここ日本でも、公開後早くもネットでは賛否両論、どちらかと言えば酷評が(ネット特有の悪ノリ含め、必要以上に)目立つ。ある意味、今最もホットな一作と言える。
そんな公開前からの騒動、予告編でレイチェルが歌唱する『Waiting On A Wish』の良さから、半分怖いもの見たさで鑑賞した。
まず、本作を語る上で1番の問題となるであろう「雪のように白い肌を持つ」白雪姫の設定改変によるキャストの起用について。
演じたレイチェル・ゼグラーの問題発言についても、私は特に問題視はしていない。また、白雪姫本来の設定を「雪の日に生まれたから」と改変する様子については、「上手いな(もっと言ってしまえば、上手く逃げたな)」と感心した。
なので、これについては特に語ることはない。
次に、レイチェル・ゼグラーとガル・ガドットの不仲説。レイチェルの過去の問題発言によるものと思われ、オスカープレゼンターとして登場した際の2人の歩き方の違いからも、少なくとも良好な関係性は築いていない様子。しかし、作品にそれが反映されているわけでもなく、本作を評価する上で重要な要素にはならない為、こちらも除外。
本作における重要な要素は、やはり原作及びアニメ版ストーリーからの改変だろう。
①白馬の王子様
白雪姫を毒リンゴの眠りから救う白馬に乗った王子様が、本作では国王の名の下に女王への抵抗活動を行う元旅芸人の一座のリーダー・ジョナサンに変わっている。これは、「イケメンの王子様に救われ、見初められる事こそが女性の幸せ」という妄想を提示してきたかつてのディズニーが、昨今ではそうした価値観を自ら否定もしくは「違う道もあるよ」と示してきた流れの一つとして理解出来る。しかし、オリジナルに対する唯一の配慮か、ジョナサンが城を抜け出して眠っている白雪姫のもとへ駆け付ける際には、しっかりと白馬に跨っている。
②女王の倒し方。
私の記憶が確かならば、アニメ版では白雪姫を毒殺した女王は、嵐の中小人達により崖の上に追い詰められ、崖から落ちて命を落としたと思う。また、グリム童話版では、王子との結婚式に女王を招き、熱した鉄の靴を履かせて処刑するものもある。
しかし、本作では白雪姫自らが国民の前に立ち、城門前にて女王と対立する。女王は、魔法で生み出した剣を白雪姫に手渡し、“怒りと復讐心から自分に対して刃を突き立てるように促し、国民の前で彼女の美しい心を否定してみせる”という企てをする。しかし、白雪姫は決して刃を向けず、女王によって本来の仕事を奪われ、兵士として働かされている人々の心を解放し、女王を国から追い出そうとする。
窮地に立たされ、魔法の鏡から「あなたの美しさは皮膚の上だけ。美しい心を持つ白雪姫には敵わない」と告げられて激昂した女王は、鏡を叩き割り、鏡の魔力によって石炭のような姿に変貌して朽ち果て、鏡の中へと吸い込まれる。
白雪姫の勇敢さを示し、女王自身が自らの破滅を招くという解決法は見事な着地だったと思う。
これにより、アニメ版では大役を務めた小人達は完全に脇役となってしまったが…。あと、ジョナサンと弓の名手以外の旅芸人達が完全に空気となっていたが…。
【感想】
本作を鑑賞中、また鑑賞後に真っ先に抱いた印象は、「予算少なかったんだろうなぁ」というものだった。
アニメ版を意識するあまりか、コスプレの域を出ない衣装のデザイン。煌びやかさより安っぽさの目立つ美術やCGのクオリティ。ミュージカルパートの動きの乏しさとダンサーの人数の少なさ。そうした作品内のあらゆる要素が、本作の厳しい懐事情を感じさせ、不憫に思えた。
しかし、wikiによると本作の製作費は、何と約2億5,000万ドル(約370億円)以上という破格の製作費が投じられているらしく、驚愕した。
「名作を作るのにお金はあった方が良いが、お金で名作が作れるわけではない」という事の現れだろう。
クライマックスを武力による衝突ではなく、白雪姫の純粋な心が人々を解放するという改変は見事だったと思うし、個人的にこの選択には拍手を送りたい。しかし、せっかくのミュージカル映画なのだから、クライマックスの女王との対決は、ミュージカル演出で盛大に、そして存分に盛り上げてほしかったのは間違いない。
思うに、本作は脚本としての選択は正しかった(やりたい事は分かる)と思うが、演出という調理法が致命的に、そして悉く不味かったように思う。
ただし、女王役のガル・ガドットは素晴らしく、持ち前の美しさは「本当に世界で一番の美女なのではないか?」と思わせるだけの抜群の説得力に満ちている。
【印象的だった楽曲】
そんな本作の数少ない評価点は、楽曲の素晴らしさだろう。
『Waiting On A Wish』
ベンジ・パセックとジャスティン・ポールによる、予告編にも使用されているこの白雪姫の「I want」ソングは、劇場の大音響で聴く意味のある素晴らしい楽曲だった。この一曲を聴きたいが為に劇場に足を運んだと言っても過言ではないくらい、特にサビのメロディーは最高。レイチェル・ゼグラーの歌唱も素晴らしいものに仕上がっていた。
この一曲を生み出しただけでも、本作の存在意義・製作意義はあったように思う。
『All Is Fair』
女王唯一の歌唱曲。女王の欲深さと邪悪さがよく現れた一曲で、これもまたお気に入り。しかし、女王の楽曲がこれ一曲だけというのは、どういう事なのだろうか?もしかすると、演じたガル・ガドットが歌が苦手なのかもしれないが。
『Heigh-Ho』『Whistle While You Work』
フランク・チャーチルとラリー・モリーによるアニメ版からの楽曲の使用も、有名曲ならではの長所を活かした選択だった。こうした事が出来るのは、「流石ディズニー」と言わざるを得ないだろう。
【同じミュージカル・ファンタジー映画として】
ところで、私事なのだが、本作と同日に『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)を鑑賞した(しかも、本作の上映時間までの時間合わせの目的で)。現在、日本では両作を同時に劇場鑑賞する事が可能である。せっかくなので、ここからは少し同じミュージカル・ファンタジー映画として、あちらと色々と比較しながらレビューしてみようと思う。
①製作費
あちらが製作費1億5,000万ドルに対し、本作の製作費は約2億5,000万ドルと1億ドル以上も製作費が掛かっている。
しかし、どうだろうか?第97回アカデミー賞で、美術賞と衣装デザイン賞を受賞したあちらの方が、本作より遥かに煌びやかでゴージャスに映り、「金掛かってるなぁ」と思わせるのだ(あちらの製作費が少ないのではなく、本作が意味不明に多過ぎるだけなのだが)。
本作がアニメ版の実写化に注力するあまり、特に衣装が単なるコスプレの域に収まってしまっているのに対し、あちらはどの衣装も独創性に溢れ、バラエティに富みオシャレな事が要因だろう。
②ミュージカルパート
これは最早比較する事すら残酷だが、やはりあちらの圧巻のミュージカルパートを鑑賞した後では、本作のミュージカルパートはお粗末な印象を受ける。こちらの動きの乏しさは、衣装と同じくアニメ版に引っ張られ過ぎた事に起因するのかもしれないが。
③楽曲
これに関してだけは、個人的には本作に軍配が上がったと思う。純粋な楽曲としてのクオリティに関してだけは、ディズニーはその威厳を保ったと言える。しかし、決して大差があるわけではなく、あくまで個人的な趣味による僅差の勝利なのは断っておきたい。
【総評】
賛否両論も納得の、長所と短所の混在した「困った一作」だった。その際たる要因は、演出によるものだろう。また、衣装デザインをはじめ、ビジュアル面にはもっとオリジナリティを出しても良かったはずだ。何故なら、脚本は原作やアニメ版から改変したのだから。
最後に、これは完全に個人的な趣味だが、レイチェル・ゼグラーにショートカットは似合わない。『ウエスト・サイド・ストーリー』や『シャザム!〜神々の怒り〜』(2023)でのロングヘア姿こそ、彼女の真骨頂であり、最も魅力的に映る姿だったように思う。
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