白雪姫のレビュー・感想・評価
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白雪姫というアトラクション
白雪姫のストーリーは大まかにしか知らないので楽しめた。ミュージカル映画なのでそれを楽しめるかどうか。
気になったのが2点。
ジョナサンが2回目に女王/魔女に捕まった時、簡単に脱出出来たこと。
白雪姫が毒林檎を食べてから目覚めるまでが早くあっさりしていたこと。
レイチェル・ゼグラー(白雪姫)、ガル・ガドット(女王/魔女)の2人は共に美しく、ストーリーに華を添えている。
自分が対象年齢外であることを忘れてた
なんでわざわざ「白雪姫」を観に行ったかって、グレタ・ガーウィグが脚本に1枚噛んでるからだ。だって気になるでしょ?
しかし、そもそも「白雪姫」という童話がベースであることを失念していたのは私の落ち度である。童話とは、結局子どもの為の物語なのだ。大人が、それも成人なりたてじゃないベテラン大人が観るような作品ではないのだ。
正直退屈したのは否めない。多分ファンサービスであろう7人の小人が仕事に行くシーンや、動物が寄ってくるシーンなんかは、知ってるって事を差っ引いたとしても魅力を感じなかった。
ただ、21世紀の「白雪姫」という点では悪くない仕上がりだと思う。「風と共に去りぬ」が今観るとヤベーのと同じで、「白雪姫」の、世間が原作と言い張っている「王子様のキスで解決するストーリー」が色々ヤベーのは間違いないのだから。
その「そこちょっとマズイんじゃない?」を補正したうえで良いシーンに仕上がったのは、小人たちと家を掃除するミュージカルシーン。口笛を吹き、ハミングし、ダンスしながら協力して家を綺麗にしていく白雪姫はあんまり掃除に積極参加してないのである。
働く小人と家事をする白雪姫、という関係を踏襲せず、何でも「みんなでやろう」というのは白雪姫による「自分の利益を少し手放すことで、みんなが大きな恵みを得る」精神とも合致するとみて良いだろう。白雪姫も小人たちも晴れやかで良い。
考えてみれば、色々と問題だらけのまま凝り固まってしまった「白雪姫」をこれからの時代にもフィットするようにリブートしようという野心的な試みなのだが、いかんせん壁が高すぎた。
衣装の制約もキツいし、復活キスも外せないし、小人は出さなきゃならないし、女王はわざわざ老婆に化けなきゃならないし、白雪姫も女王を処刑するわけにはいかないし。
これ、ディズニーじゃないならもっと自由にやれただろうな。もしくはディズニーが「金は出すけど口は出さない」ブラムハウススタイルなら良かったのに。
ちょっと新時代の香りはしたかな?くらいの仕上がりだが、子どもに観させるならちょうど良い。
なんたって私が退屈に感じた部分も初見だから楽しめるはずだしね。
純粋に疑問なんだが、ディズニープリンセスの白雪姫に憧れて「私も白雪姫みたいになりたい」と思った場合、その後の努力というのは美白を頑張ることなのだろうか?そして「いつか王子様が」見初めてくれることを願いながら雌伏する?
そういう意味では「いつか王国を治める」ための努力シーンが無かったことは(子どもが観ることを考えても)残念なのだが、きっと「原作にない」から必要とされなかったのだろう。
考えれば考えるほど、理想とは遠いものであることよ。
CGの失敗例がまた一つ・・・
ラテン系の女優が白雪姫を演じることについては、特に異論はないのだが、「7人のこびと」をあからさまなCGキャラクターにしたことについては、違和感しか覚えなかった。
おそらく、このCGには、多くの費用が掛けられているのだろうし、確かにその「出来」も良いのだが、生身の人間と同一の画面に映し出された時のミスマッチ感が甚だしく、表情などが精巧に作り込まれている分、「不気味の谷」のような気持ち悪さも感じてしまった。
違和感のない小人の描写に関しては、「ロード・オブ・ザ・リング」のホビットや、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のウンパルンパのような成功例があるのだから、それにならえば良かったと思うのだが、アニメ版の「再現」を狙った結果なのか、フルCGという選択は、明らかに失敗だったと思わざるを得ない。
アニメ版の「再現」と言えば、白雪姫のコスチュームも同様で、どんなに森の中でドロドロになって動き回っても、いつも洗濯したてのような小綺麗さと清潔感を保っているところには、やはり違和感を覚えざるを得なかった。
別に、「おとぎ話」に過度なリアリティを求めるつもりはないのだが、実写にする以上は、最低限の「現実感」があって然るべきだろう。
実写化された「おとぎ話」としては、ラストにスペクタクルな見せ場が用意されていないのも、物足りないとしか言いようがない。
白雪姫が、継母に打ち勝つ手段として、村人の一人ひとりに、過去の「善い行い」を思い出させるのは良いとしても、だったら、冒頭で、そのための伏線となる描写をきちんと用意しておくべきだったとも思う。
こんな中途半端な実写版を作るくらいなら、いっそのこと、ロバート・ゼメキスの「ポーラー・エクスプレス」や「ベオウルフ」のような、フルCGアニメにした方が良かったのではないかと思ってしまった。
こういうのは『魔法にかけられて』の前に作るべきだよディズニーさん
吹き替えにて鑑賞。
巷で言われてるほどツマラナイ映画ではないです。これより酷い映画は山ほどありますし、少なくとも眠たくなるほど退屈な映画ではないです。
音楽シーンはとてもよく、特に誰もが知っている『ハイ・ホー』のシーンと楽曲はテンションが上がりますし、とても丁寧です。ここのシーンだけは必見の価値ありです。
その他、37年のアニメ版にもあった部分に関しては丁寧に描かれていると思いました。
(ただ、そもそも『白雪姫』という題材が持つ現代においての時代遅れ感に関しては目を瞑ることとします)
以下、ネタバレですが、
本作には『王子様』は登場しません。
その代わりキスの相手とは最序盤に因縁を与え、恋に落ちるシーンが追加されています。
彼の存在が本作に『駄作』という評価を与える人が多い原因です。
7人の小人、ドワーフ周りの描写に関しては丁寧なのに、
このキスの相手とその周りにいる仲間連中の描写に関しては蛇足、取ってつけた感が拭いきれていません。
はっきり言って彼らの存在は物語に必要ありません。
「王子様のキスで目覚める」という展開をディズニーが排除したいのはわかります。しかし、そのことに関しては『魔法にかけられて』という大傑作で既に回答を、誰であろうディズニーが示した問題です。いまさらここでその問題を掘り返して、そもそも白雪姫のパロディである『魔法にかけられて』のさらにパロディみたいな展開にする必要が果たしてあったのでしょうか?
そして、この安易に王子という存在を配して、ただの村人を王子役にするという、既にアナ雪でやってるような展開をする必要がどうしてもあったのだとして、
今作のキス相手には全く魅力が感じられません。
ただの顔がいいだけの馬鹿にしか見えません。
男側はともかく白雪姫が彼に恋した理由は「見た目がいいから」以外の理由を見出すことができません。描写としては手と手が触れ合った途端、幽閉生活で男に飢えていた白雪姫が突然発情し始めたようにしか見えません。
これは本作のテーマが『見た目の美しさよりも内面の美しさだよね』というこれまた既にやり尽くされて、ディズニーのパロディとしての『シュレック』が存在するのにいまさら?感のあるテーマと矛盾が感じられるところでもあります。
もしどうしても王子という存在が許せないのならば、キスの相手はドワーフ、七人の小人にするべきです。
本作『成長』という意味で明確に主人公性が感じられるのはドワーフの中のおとぼけです。
彼を王子役にすれば、成長も描け、尚且つ『内面の美しさ』というテーマにも納得感が与えられると思います。
ドワーフたちのキャラクターには魅力があるのに、その他のキャラに魅力を感じられません。
しかし、これはそもそも白雪姫が現代的な主人公の資格がないキャラクターであるので仕方ない点ではあります。
本作は決して面白い作品ではありませんが、音楽はいいため星2.5にします。
吹き替えもドワーフの中にいる小島よしおとダイアン津田はベテラン声優陣の中でも違和感のない素晴らしい演技と歌声でした。
結論として、
王子様問題には『魔法にかけられて』、
美醜問題には『シュレック』
という傑作が存在する今、パロディのパロディになってしまうんだから変に改変しないでオリジナルのままやったら結構良作になったんじゃねえの?
というような作品でした、
サントラはおすすめです。
贅沢に作られた子ども向けのおとぎ話ムービー
正直、白雪姫の話自体をよく覚えておらず
(というか元々知らない可能性あり)
悪い魔女が老婆に化けて毒リンゴを食べさせる
青年(プリンス?)のキスで目が覚める
7人の小人が出てきてハイホー♪って歌う
くらいの認識で...
ひょっとしたら意外と面白いかもしれないから、一回観とくか?ノリで鑑賞しましたが、期待を超える
ことも裏切られることも特になく終わった感じです
最後は、なんとなく無血革命!みたいなヌルい感じで一件落着となりますが、これってオリジナルも同じストーリーでしたか?
だったらお子さん達にはオススメの映画と言えるでしょう
ミュージカルシーンは、流石ディズニー、納得の出来映え。字幕版を観たかいがあったというものです
P.S.
しかしやっぱり、ガル・ガデット嬢が魔法の鏡に「世界で一番美しいのはだ〜れ?」と聞くんだけど、それより美しい姫のキャスティングって激ムズですよねぇ
シン黒白雪姫‼️❓
【”人民の善良な心が邪悪な女王を滅ぼす。”今作は格調高きスノーホワイト実写ファンタジックミュージカル映画であると私は思います。そして邪悪な女王を演じたガル・ガドットの物凄い美しさにヤラレマス。】
<敢えて記すが、字幕版で鑑賞>
■粗筋は、マアマア原作に忠実なので割愛。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
1.スノーホワイト(日本だと、白雪姫であるが、原作名は「Snow White」である。)は、過去数々の作品が製作されて来た。だが、シャーリーズ・セロンを始めとしたスターが登場して来たが、評価は芳しくない。
2.で、今作。
鑑賞理由は、邪悪な女王をガル・ガドットが演じるからである。イスラエルが誇るナタリー・ポートマンと並ぶ美人過ぎる女優さんである。
個人的に、モニカ・ベルッチ、ゴルシフテ・ファラハニ、そして且つてスノーホワイトを演じ、ケチョンケチョンに貶されたクリステン・スチュワート(理由は書かない。)と並ぶ、お気に入りの女優さんである。その方が、ナントミュージカルに出演するって聞いたら、そりゃあ、字幕で観るよね!
3.序盤は原作にホボ忠実に進む。2021年版「ウェスト・サイド・ストーリー」でマリアを堂々と演じたレイチェル・ゼグラーが、スノーホワイトとして堂々と、伸びやかな歌を披露する。
4.そして、満を持してじゃじゃーんと登場したガル・ガドット演じる邪悪な女王。特徴的な冠を被り、ボディーラインにフィットした暗めの紫のゴシックレザー衣装に身を包み、その美しき顔が、大スクリーンに映し出されるのである。
<NOBUの脳内改編会話>
”鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番美しい人はだーれ?”
”ハイ!ガル・ガドット姉さんです!”
イタタタ。石を投げないで下さい!でも、ドー見ても妖艶な魅力溢れるガル・ガドット姉さんの方が、レイチェル・ゼグラーサンよりも、綺麗に見えるんだもん!
”神様、私は汚れてしまったのでしょうか?””ハイ、汚れていますが、正直だと思います。”
レイチェル・ゼグラーサンには大変申し訳ないのだが、今作では、ガル・ガドット姉さんの物凄い美貌が、全て持って行っている感が半端ないのである。
これだけで、満足なのだが、ナント彼女は歌まで歌ってくれるのである。
5.7人のオジサン小人の表情豊かな姿も良かったな。今作で、最も楽しい時間であったな。ハイ・ホーの行進のシーンはもっと見たかったな。
6.後半は、原作とやや違う展開で進むのだが、マア許容範囲で有ろう。これは、敢えて原作を大きく変えないという製作サイドの想いだろうか、と思いながら鑑賞。
7.で、毒林檎を邪悪な魔女に食べさせられたスノーホワイトは、7人の小人が哀しみの眼で見守る中、序盤で登場したジャガイモ泥棒のジョナサンがキスをすると・・。
ここで、”王子様じゃなくて、ジャガイモ泥棒かい!”と言う声が聞こえて来そうだが、これはこれで良いのである。今作は弱者の民の革命の物語なのだから。
8.そして、スノーホワイトは邪悪な女王が支配する城に一人乗り込む。そして、女王から殺されそうになるも、彼女の得意な人の名を覚える能力を発揮し、且つては心優しき村人であった兵士たちに語りかけ、彼らを元の善良な民に戻すのである。
<今作は、格調高きスノーホワイト実写ファンタジックミュージカル映画であると、私は思います。そして、そして邪悪な女王を演じたガル・ガドットの物凄い美しさに気持ち良くヤラレる作品なのだとも思いました。じゃあね!>
ガル・ガドットってやっぱり美しい
行き過ぎた多様性への配慮や主演女優のフェミニスト発言炎上などで公開前から話題になった新解釈の白雪姫。
映画自体も事前の評判が芳しくなく、それに影響を少し受けてしまった事もありマイナスの印象を持ちながら劇場へ向かったが、映画自体は面白く観る事ができたし、レイチェル・ゼグラー(可愛くも綺麗でもないけど)の歌唱も十分堪能できたのでプラマイでは少しだけプラスだった感じ。
そもそも白雪姫はドイツ民話をグリム兄弟が脚色した上でグリム童話として出版したものをディズニーがさらにえぐみを取り除きアニメとして世に送り出したものなので、本作がオリジナルと違うというのも変な話なのだが、ラストの白雪姫が彼女なりの方法で女王をやっつけたのは今まで何となく曖昧だった(自分がうろ覚えだっただけだと思うけど)結末をハッキリとしてくれたことはどんな内容にせよ嬉しかった。
一方、女王は魔女だったのか問題がここでもハッキリとさせてくれなかったことは残念だった。
物語としては面白かったので、小さなお子さんがいるご家庭にはおすすめかと思います。
賛否両論!長所と短所の混在する“困った一作”
【イントロダクション】
ディズニーの原点にして不朽の名作、世界初の長編カラーアニメーション『白雪姫』(1937)を、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのマーク・ウェブ監督により実写映画化。
白雪姫を『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)のレイチェル・ゼグラー、邪悪な女王を『ワンダーウーマン』(2017)のガル・ガドットが演じる。脚本には『バービー』(2023)のグレタ・ガーウィグ。同じく脚本にエリン・クレシダ・ウィルソン。
【ストーリー】
昔々、ある城に思いやりのある国王とお妃が住んでいた。やがて、2人は1人の娘を授かる。雪の日に生まれた事から、彼女は「白雪姫」と名付けられた。
両親は、白雪姫に溢れんばかりの愛情を注ぎ、彼らは国民との笑顔と恵み溢れる日々を過ごしていた。しかし、お妃が病によりこの世を去り、残された2人は悲しみに暮れた。
ある日、城を訪れた1人の女性が居た。彼女は目も眩むほどの絶世の美女で、慎ましやかな印象から国王は彼女を愛し、やがて妻とした。
しかし、妻となった美女は邪悪な本性を表し、国王に嘘を吐いて遠征に向かわせ、国を乗っ取り女王となった。煌びやかな宝石に包まれ、ひとり贅沢な暮らしをする女王。女王は白雪姫を召使いとし、白雪姫もまたかつて両親が願った「いずれこの国を率いる女王になってほしい」という願いを忘れかけていた。
女王は魔法の鏡を有しており、毎日「鏡よ鏡、世界で最も美しいのは誰?」と問い、鏡から「それは女王様、あなたです」と答える事に満足していた。
ある日、白雪姫は城の食糧庫に侵入した青年ジョナサンと出会う。捉えられ、城門に縛られる彼を見かね、白雪姫は彼の縄を解き、僅かばかりのパンを与えて逃がす。そんな白雪姫の雪のように白い純粋な心の美しさは、鏡に「女王様、あなたは美しい。しかし、白雪姫の心の美しさには敵わない」と答えさせ、女王の嫉妬を買う。
女王は、再び自分が世界で最も美しい人になるため、狩人に森で白雪姫を殺害し、箱に心臓を入れて持ち帰るよう命じる。
森へ向かった白雪姫は、狩人の剣を前に死を覚悟する。しかし、どうしても白雪姫を手に掛ける事の出来なかった狩人は、彼女を森へ逃がす。森を彷徨い歩く彼女は、動物達に案内され7人の小人が住む家へと辿り着く。
【公開前から大荒れ!?賛否両論の問題作!】
ラテン系女優レイチェル・ゼグラーの白雪姫役起用による議論(本来、白雪姫は「雪のように白い肌」と描写されている為)、そんなレイチェルによるトランプ大統領支持者への問題発言と炎上、レイチェルとガル・ガドットの不仲説、ストーリーの改変etc.
とにかく公開前から悪い話題ばかりが上がる本作。ここ日本でも、公開後早くもネットでは賛否両論、どちらかと言えば酷評が(ネット特有の悪ノリ含め、必要以上に)目立つ。ある意味、今最もホットな一作と言える。
そんな公開前からの騒動、予告編でレイチェルが歌唱する『Waiting On A Wish』の良さから、半分怖いもの見たさで鑑賞した。
まず、本作を語る上で1番の問題となるであろう「雪のように白い肌を持つ」白雪姫の設定改変によるキャストの起用について。
演じたレイチェル・ゼグラーの問題発言についても、私は特に問題視はしていない。また、白雪姫本来の設定を「雪の日に生まれたから」と改変する様子については、「上手いな(もっと言ってしまえば、上手く逃げたな)」と感心した。
なので、これについては特に語ることはない。
次に、レイチェル・ゼグラーとガル・ガドットの不仲説。レイチェルの過去の問題発言によるものと思われ、オスカープレゼンターとして登場した際の2人の歩き方の違いからも、少なくとも良好な関係性は築いていない様子。しかし、作品にそれが反映されているわけでもなく、本作を評価する上で重要な要素にはならない為、こちらも除外。
本作における重要な要素は、やはり原作及びアニメ版ストーリーからの改変だろう。
①白馬の王子様
白雪姫を毒リンゴの眠りから救う白馬に乗った王子様が、本作では国王の名の下に女王への抵抗活動を行う元旅芸人の一座のリーダー・ジョナサンに変わっている。これは、「イケメンの王子様に救われ、見初められる事こそが女性の幸せ」という妄想を提示してきたかつてのディズニーが、昨今ではそうした価値観を自ら否定もしくは「違う道もあるよ」と示してきた流れの一つとして理解出来る。しかし、オリジナルに対する唯一の配慮か、ジョナサンが城を抜け出して眠っている白雪姫のもとへ駆け付ける際には、しっかりと白馬に跨っている。
②女王の倒し方。
私の記憶が確かならば、アニメ版では白雪姫を毒殺した女王は、嵐の中小人達により崖の上に追い詰められ、崖から落ちて命を落としたと思う。また、グリム童話版では、王子との結婚式に女王を招き、熱した鉄の靴を履かせて処刑するものもある。
しかし、本作では白雪姫自らが国民の前に立ち、城門前にて女王と対立する。女王は、魔法で生み出した剣を白雪姫に手渡し、“怒りと復讐心から自分に対して刃を突き立てるように促し、国民の前で彼女の美しい心を否定してみせる”という企てをする。しかし、白雪姫は決して刃を向けず、女王によって本来の仕事を奪われ、兵士として働かされている人々の心を解放し、女王を国から追い出そうとする。
窮地に立たされ、魔法の鏡から「あなたの美しさは皮膚の上だけ。美しい心を持つ白雪姫には敵わない」と告げられて激昂した女王は、鏡を叩き割り、鏡の魔力によって石炭のような姿に変貌して朽ち果て、鏡の中へと吸い込まれる。
白雪姫の勇敢さを示し、女王自身が自らの破滅を招くという解決法は見事な着地だったと思う。
これにより、アニメ版では大役を務めた小人達は完全に脇役となってしまったが…。あと、ジョナサンと弓の名手以外の旅芸人達が完全に空気となっていたが…。
【感想】
本作を鑑賞中、また鑑賞後に真っ先に抱いた印象は、「予算少なかったんだろうなぁ」というものだった。
アニメ版を意識するあまりか、コスプレの域を出ない衣装のデザイン。煌びやかさより安っぽさの目立つ美術やCGのクオリティ。ミュージカルパートの動きの乏しさとダンサーの人数の少なさ。そうした作品内のあらゆる要素が、本作の厳しい懐事情を感じさせ、不憫に思えた。
しかし、wikiによると本作の製作費は、何と約2億5,000万ドル(約370億円)以上という破格の製作費が投じられているらしく、驚愕した。
「名作を作るのにお金はあった方が良いが、お金で名作が作れるわけではない」という事の現れだろう。
クライマックスを武力による衝突ではなく、白雪姫の純粋な心が人々を解放するという改変は見事だったと思うし、個人的にこの選択には拍手を送りたい。しかし、せっかくのミュージカル映画なのだから、クライマックスの女王との対決は、ミュージカル演出で盛大に、そして存分に盛り上げてほしかったのは間違いない。
思うに、本作は脚本としての選択は正しかった(やりたい事は分かる)と思うが、演出という調理法が致命的に、そして悉く不味かったように思う。
ただし、女王役のガル・ガドットは素晴らしく、持ち前の美しさは「本当に世界で一番の美女なのではないか?」と思わせるだけの抜群の説得力に満ちている。
【印象的だった楽曲】
そんな本作の数少ない評価点は、楽曲の素晴らしさだろう。
『Waiting On A Wish』
ベンジ・パセックとジャスティン・ポールによる、予告編にも使用されているこの白雪姫の「I want」ソングは、劇場の大音響で聴く意味のある素晴らしい楽曲だった。この一曲を聴きたいが為に劇場に足を運んだと言っても過言ではないくらい、特にサビのメロディーは最高。レイチェル・ゼグラーの歌唱も素晴らしいものに仕上がっていた。
この一曲を生み出しただけでも、本作の存在意義・製作意義はあったように思う。
『All Is Fair』
女王唯一の歌唱曲。女王の欲深さと邪悪さがよく現れた一曲で、これもまたお気に入り。しかし、女王の楽曲がこれ一曲だけというのは、どういう事なのだろうか?もしかすると、演じたガル・ガドットが歌が苦手なのかもしれないが。
『Heigh-Ho』『Whistle While You Work』
フランク・チャーチルとラリー・モリーによるアニメ版からの楽曲の使用も、有名曲ならではの長所を活かした選択だった。こうした事が出来るのは、「流石ディズニー」と言わざるを得ないだろう。
【同じミュージカル・ファンタジー映画として】
ところで、私事なのだが、本作と同日に『ウィキッド ふたりの魔女』(2024)を鑑賞した(しかも、本作の上映時間までの時間合わせの目的で)。現在、日本では両作を同時に劇場鑑賞する事が可能である。せっかくなので、ここからは少し同じミュージカル・ファンタジー映画として、あちらと色々と比較しながらレビューしてみようと思う。
①製作費
あちらが製作費1億5,000万ドルに対し、本作の製作費は約2億5,000万ドルと1億ドル以上も製作費が掛かっている。
しかし、どうだろうか?第97回アカデミー賞で、美術賞と衣装デザイン賞を受賞したあちらの方が、本作より遥かに煌びやかでゴージャスに映り、「金掛かってるなぁ」と思わせるのだ(あちらの製作費が少ないのではなく、本作が意味不明に多過ぎるだけなのだが)。
本作がアニメ版の実写化に注力するあまり、特に衣装が単なるコスプレの域に収まってしまっているのに対し、あちらはどの衣装も独創性に溢れ、バラエティに富みオシャレな事が要因だろう。
②ミュージカルパート
これは最早比較する事すら残酷だが、やはりあちらの圧巻のミュージカルパートを鑑賞した後では、本作のミュージカルパートはお粗末な印象を受ける。こちらの動きの乏しさは、衣装と同じくアニメ版に引っ張られ過ぎた事に起因するのかもしれないが。
③楽曲
これに関してだけは、個人的には本作に軍配が上がったと思う。純粋な楽曲としてのクオリティに関してだけは、ディズニーはその威厳を保ったと言える。しかし、決して大差があるわけではなく、あくまで個人的な趣味による僅差の勝利なのは断っておきたい。
【総評】
賛否両論も納得の、長所と短所の混在した「困った一作」だった。その際たる要因は、演出によるものだろう。また、衣装デザインをはじめ、ビジュアル面にはもっとオリジナリティを出しても良かったはずだ。何故なら、脚本は原作やアニメ版から改変したのだから。
最後に、これは完全に個人的な趣味だが、レイチェル・ゼグラーにショートカットは似合わない。『ウエスト・サイド・ストーリー』や『シャザム!〜神々の怒り〜』(2023)でのロングヘア姿こそ、彼女の真骨頂であり、最も魅力的に映る姿だったように思う。
ディズニーは何処へ行く?
評価の分かれる最近のディズニー映画
時代を反映した表現の物語は賛成だし
もちろん、昔と同じで無くても良い。
有名な過去作を名乗る新作
美しいビュジュアルも歌曲も
心の奥底まで響かない。
うわべだけの白雪の存在
他と似ている歌曲の存在で
1年後には忘れる可能性もー
目をつぶって、この映画に触れれば
脳内に現代的な音が迫ってくる
最近聞いた様な歌曲が流れている
言い換えれば古風な白雪は不要で
ドレスを脱ぎ捨て自己を主張し
N.Y.の摩天楼の中で物語ればいい。
いつか王子様は、もう無い
ディズニーが失いかけているのは
「純粋な夢」その行き止まり
ディズニー好きだから言えること
この映画はまっさらな気持ちで
妙な期待はしないで楽しむ。
それがベストかも知れない。
※
王道夢路線。お声最高。
ありじゃないですか。このプリンセス。
まず一連の騒動について自分の考えを記す。
コロンビア系の女性を起用したことを含め、古典への準拠のこと。この古典とは1937年版のアニメーション作品とそこから派生した大量のペーパー作品(絵本とかね)を指す。
先行レビューには原作であるグリム童話へのリスペクトがない、という書き込みもあって笑ってしまった。一応、グリム童話に触れておくと、ヨーロッパ大陸にはこの話に類するメルフェンがたくさんあってグリム兄弟はその一部を採集した。創作でもない300年前に集めた民話集をリスペクトしますと言われても困っちゃうよね。グリムには確かに王妃が針仕事をしていて指を突き、窓枠の雪にこぼれた血を見て「この雪のように白い肌で、血のような赤い唇で、窓枠のような黒い髪の」子が欲しいと願いその通りの女の子が生まれる、という一節がある。でもグリムが採用しなかった話群の中には容姿に触れていないメルフェンもたくさんあるし、筋が同じでもスノーホワイトという名ではないメルフェンもある。
むしろ共通しているのは「ままはは」と「森に捨てられた子ども」というイメージです。だからスノーホワイト世界で一番大事なのは女王の行動でそこが変わるとスノーホワイトではなくなる。そこは本作でもきちんとおさえてありますね。
私自身はスノーホワイトという名前は美しい娘であるというアイコンみたいなものだと解釈している。だから、肌が黒かろうが髪が茶色だろうがそんなところは正直どうでも良い。ただ、この映画では内面の美しさ云々とルッキズムへの批判みたいなところまで踏み込んでいてちょっとやり過ぎかなとは思うけど。
古典との一番の違いはやはり王子様の存在でしょう。男性のキスによって回復するところは同じだけど、そこからお城へ乗り込むところで王子の権威を借りているのか、自分の力で成し遂げるかというところが全く違う。ここがこの作品の最大の見せどころだしそれはまあ成功しているようにみえる。古典の公開から90年近くが経っている。社会情勢の変化から筋がこう変わってくるのは当然だと思う。結果として名曲「Someday My Prince will come」がカットされたのは残念だけど。
そこでレイチェル・ゼクラーのことです。彼女がリベラルな考え方の持ち主というか民主党寄りの人であることは間違いない。でもこの作品についてSNSに彼女があげた様々なコメントは作品の説明ないしは擁護しただけにみえる。もし映画の内容と違うことを個人的に言っているのであればそれはマズイけどね。だから彼女への批判はちょっと気の毒な気がします。
まあ映画としては子供向けですね。最後まで見通すのはなかなか苦痛だった。
でも、最後の城門での女王との対決シーン、彼女が衛兵一人一人に声がけして先王時代の良かった事々を思い出させるところ、なかなか感動的でした。このシーンだけでも彼女はディズニーの凛々しく、心優しいプリンセスの系譜に連なっていると感じさせてくれました。
もし自分にまだ小さい子どもがいれば進んでこの作品は見せますね。
Disney品質❗️ 鏡よ鏡よ鏡さん 悪の方が魅力的❗️
【年度末時短継続中】
最近観た『MADマウス』の正反対。『マッド・マウス』が権威に挑む 邪悪な魅力なら
本作は 正統派Disneyの底力を見せつけられた。 実写版
俺はDisneyランドも Disneyも そんなに好きじゃ無い むしろ嫌い😠
最初から 酷評で攻めようかと挑んだが 返り討ち された。
言い方違うけど 誰でも知ってるよね 『鏡よ鏡よ🪞鏡さん 世界で一番美しいのは😍誰ダァレ』
と ど・リンゴ🍎 ・・本作では邦訳違うけど
なんだ どうせ わかりきった 物語じゃネェか😤😤 酷評してやる😤
と 挑んだが
最新技術的➕Disneyの金満🈵人海作戦 に魅せられた。
とにかく エンドロールの VFXというかCGというかスタッフ人数が半端無い ムカついた。
あっ エンドロール後は何も無いのでよろしく。Disney単独だと そんな小技は無い。マーベルは知らんがな
とにかく 馴染みの無いミュージカル【『ラ・ラ・ランド』と同じ振付師❗️】
でも わかりきったストーリーでも 俺は不覚にも吸い寄せられた。
白雪姫役の レイチェル・ゼグラーさんは普通。
だが 悪の大権現様 とも言える 邪悪な女王👑ガル・ガドットさんに惚れ惚れ❗️
悪の魅力が詰まってた。もう俺はウットリ🤩
イヤイヤ 『優しい雪のような善良な純粋な気持ち』なんていらんがな❗️
『美と権力』が全て🤩😍じゃがな・・・って 快哉を叫んでましたよ❗️心の中で
一生 女王様👑に ついていきます🫡🫡って
しかも 昭和アニメ 『タイガーマスクのタイガー・ザ・グレート』みたいに 自ら敵陣で戦える闘将 惚れ惚れ❗️👑🤩😍
あと7人のこびと は おこりんぼ 先生 くしゃみ オトボケ以外は判別不能だけど 良かった。
1937 アニメがオリジナル そりゃ戦争負けるがな🪖。と痛感しました。
画面が美しい😍 惹きつける力のある作品。内容は 映画館で確認を
俺は お子ちゃま対策で 字幕版で観ました 正解✅👍
【短く無くてごめんなさい🙇】
有料🈶パンフは 無駄な文字がなく タイムロスが無く非常に親切。
レイチェル・セグラーの圧倒的歌唱力!
ディズニーの実写映画は基本観ることにしている。
本作に期待していたのは、
ベンジ・パセックとジャスティン・ポールによる楽曲と
レイチェル・セグラーによる歌唱。
その期待には応えてくれている作品だ。
ストーリーには今更触れることはないが、
ビジュアルクオリティは高いと感じた。
CG描写の構成比は高いと想像しつつも、
それでも白雪姫の世界観を見事に描いていたと思う。
7人の小人や動物たち、いずれもイキイキとしていた。
そして楽曲クオリティ及び
レイチェル・セグラーによる圧巻の歌唱、
またその見せ方、いずれも秀逸だと感じたし、
特にラストの真っ白な衣装で統一されたパフォーマンスは
圧倒的だった。
ガル・ギャドットの女王も堂に入っていたと思う。
ワンダーウーマンではなく、ちゃんと悪役だった(笑)
やはりディズニーのハッピーエンドはホッとするし、
いつも鑑賞後感が良いので、
これがブランドにおける信頼感であることを
あらためて認識した。
楽しめました🎶
ただの映画としては凡作、ディズニー映画としては駄作。
【前情報ゼロで見た吹き替え版の感想】
■良かった点
・3Dグラフィックは拘られており、魔法や鉱山の描写の美しさ、小人達の表情などは非常に良かった。
・楽曲の9割が好みに合っていて、サントラが少し欲しくなった。民謡風楽曲が好きな人には合いそう。
・白雪姫への新しい試みや解釈をしようと頑張っている痕跡は見受けられた。
・ジョナサン(王子枠)の顔が非常に良い。
・女王役の吹き替え声優さんが大変上手で、彼女の威厳や冷酷さが直に伝わってくるような良い演技でした。
■悪かった点
・テーマ性のあるストーリー(オリジナル改変)とアクションを同時にやろうとした結果、渋滞を起こしどちらも中途半端になってしまっていた。
アクションでは2012年のスノーホワイトの方が面白かったし、テーマや視点のアレンジ性という面ではマレフィセントに軍配が上がる。
・キャラやシナリオの改変があまりハマっていなかった。
おとぼけを単純ないじられ役にして落ち込ませる事で、彼をいじった他の小人に少しヘイトが傾く作りにしたのはあまり気持ち良くはなれない。
その後の掃除パートも、小人達に掃除をやらせるところまではいいのだが、肝心の姫は歌って踊るだけで何もしておらず、どうして?????という気持ちでいっぱいだった。
ボウガンの名手の人も最後までいる意味が分からず、ラストシーンもジョナサンがやるんじゃダメだったのか????と疑問が尽きなかった。
・王子枠の存在意義が無い。
今回王子枠が王子ではないというラプンツェル、アナ雪のような試みをしている。それは良いのだが、どう見ても実写版フラン・ライダーがやりたかったんだろう…というのが透けて見えてしまうようなキャラ造形。
その上元役者のアウトローという設定がお仲間も含め1mmも生かされておらず、ただただ不敬で迂闊で思慮も覚悟も無い短絡的な男として描かれてしまっており、キスで姫を救うシーン以外での登場にあまり必要性を感じず……本当に……本当に勿体なかった……。
・原作再現シーン以外を外しがち
原作再現シーンはどれもクオリティが高く良かったのだが、ジョナサンと姫が出会ってからの茶番シーンや、戦闘シーン、ボウガン、女王の退場の仕方、ラストのダンスなど、改変を加えたシーンが悉く盛り上がりに欠けていた。山賊一味周りの演出は基本的に寒かったし、戦闘シーンは中途半端、女王の退場方法は意味不明で、ラストシーンのダンスはミッドサマーだった。
ラストはせめて明るく色とりどりな服を着る国民達の中で、婚姻を結んだ姫と王子の2人だけが真っ白な服で踊る……とかなら特段狂気を感じなかったと思うのだが……。
・白雪姫で一番有名な楽曲が入っていない。
確かに今回の"この白雪姫のテーマ"にはそぐわない歌詞だったかもしれないが、そもそも王子枠をちゃんと王子にするだけで成立した話なので、制作側でのすり合わせや話し合いが足りていなかったことで起きた悲劇だろう。
・吹き替え版のメインキャラ声優2人の不慣れ感が全面に出ていた。特にジョナサン役。
後半のがなりには一瞬光るものも感じた分、せめて他作品や舞台で台詞読みに慣らしてから抜擢すべきだったろうと強く感じる。
姫役とジョナサン役の歌声、どちらも悪く無かったのだが、デュエットになった瞬間絶妙に声の相性が合わず、吹き替えの選考班に疑問を抱く出来だった。
【総評】
何も知らずただの映画として見るなら良くも悪くも楽曲と3Dクオリティが高い普通の作品。
ディズニー版白雪姫を知らないor全く覚えておらず、ストーリー面に着目しないなら問題なく楽しめる。
ディズニー作品として見るなら、「ディズニー初、そして世界初の長編アニメーション映画の実写化を本家が担当した結果がコレだと到底信じたくない」といった出来だった。悪夢と言っても差し支えない。
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