「1937年版の自社作に縛られてしまった」白雪姫 furuさんの映画レビュー(感想・評価)
1937年版の自社作に縛られてしまった
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逆境や修羅場に動じない勝ち気な王女を主人公に、ロビンフッド的な義賊や小人たちと共に悪の女王に立ち向かう、というコンセプトのファンタジーものだったら十分にありだったかもしれないのに・・・そして経緯や心理描写をもう少しきちんと描いていれば説得力もえられたのに・・・が感想です。
本作品は、主演女優の1937年版の作品に対する批判やいろいろな政治的なコメントが悪いイメージを植え付けてしまった、というよりも、1937年版が名作過ぎたことに囚われてむりやりそれら要素をねじ込みすぎている、という印象を受けました。
例えば、
使用人同様の立場だった王女がリンゴ狩りに出た途端に例の象徴的なドレスを着ているのも、逃げられにくく逃げても発見されやすいため、とすれば納得が行くでしょう。
また、毒リンゴをあっさりと食べてしまうのも、愛する人のことや父のことを出されたことで動転して焦りが生まれたからからなのかもしれません。あたかも振り込め詐欺にあっさりと引っかかってしまうように。なのに、罠に引っかかった瞬間に老女に変装した女王が「この世で最も美しいのは誰?」と入れることで、何のために暗殺したんだ?となってしまいました。
最後に民衆や兵士が王女側にあっさりと寝返るのも、女王の独裁政治があまりにも過酷で堪忍袋の緒が切れる一歩手前だった、という描写があれば、ディズニー的ご都合主義のイメージをかなり軽減できたかもしれません。
白雪姫的要素の無理なねじ込みと描写の詰めの甘さ、莫大な制作費で赤字必至という浪費体質、主演女優の軽率で暴走した発言、これらによって残念に思えてしまいました。
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