SPIRIT WORLD スピリットワールドのレビュー・感想・評価
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生きていればこそ
シャンソン歌手を演じたカトリーヌ・ドヌーブが劇中でしっとり歌う声に心奪われ、竹野内豊と同じように少し涙ぐんでしまった。現在82歳、1960年のデビューから現在に至るまで途切れなく映画に出続けている。その間、結婚も離婚も出産もしてるがフランスだけでなく日本も含め国際的な作品にもチャレンジしありとあらゆる役を演じてきた。映画と共に人生を生きている大女優にあらためて敬意を表したいと思います。
SPIRIT WORLD、直訳すれば「霊界」なのでカトリーヌ・ドヌーブは高崎の居酒屋で日本酒をがぶ飲みしてバサっと客死しあの世に行けず彷徨ってしまう。同じく日本酒を飲みながら急死した堺正章と出会い彼が心配している竹野内豊を見守りに行く旅に出る、。という物語。
とにかく皆んなよく酒を飲み、タバコを吸う。特に竹野内豊はかなり追い込まれてるので浴びるほどウイスキーを飲む。カップラーメンに酒を注ぎ込み食べたり、ウイスキーボトルをラッパ飲みして海に飛びこむんだからかなりイかれてしまっている。
シャンソン歌手も堺正章の元ミュージシャンも竹野内豊のアニメ監督も芸術家・クリエイターだから彼らの「絶望感」は私の理解を超えるが、簡単に自死を選んではいけない。だからカトリーヌ・ドヌーブは竹野内豊を死の淵から救った。
人間いつかは死ぬ。当たり前のことだが、ちっちゃくて良いから何かを成し遂げたものがあれば、穏やかなSPIRIT WORLD「精神世界」にいけるのだろう、。
クレアの感情をもっと知りたかった
響かない
媚びないドヌーヴの居様 おちょこじゃ無理
カトリーヌ・ドヌーヴの存在感
日本のお盆やご先祖様を敬う気持ちに感化された海外の監督が撮った作品と聞けば、
納得の映像作品で、そこには、監督の誠実なリスペクトを感じました。
ストーリーは、
スランプ中でアルコールに依存した息子 ハヤトが、亡き父 ユウゾウを偲びながら、
ユウゾウの遺言である、母 メイコへサーフボードを返す旅に出る、
それを見守るユウゾウ。
だと、良くあるかな、とは思うのですが、
そこに、不思議な縁で、日本に来日し命を落とした、
ユウゾウが大ファンであるフランスのスター クレアが加わり、
彼女もまた、悩みを抱え無になることができず、日本に留まり、
ハヤトを見守り再生へと導く、
小さな世界のような、ワールドワイドのような、
不思議ファンタジーとなっており、
個人的にご先祖様の存在を信じていることもあるので、
ふんわり優しい気持ちでその世界を楽しみました。
ハヤトの竹野内豊さんも、ユウゾウの堺正章さんも良かったのですが、
クレアのカトリーヌ・ドヌーヴさんが抜群に素晴らしかった。
存在感とオーラが、スクリーン越しに伝わってくるし、
本当に歌ってらっしゃる歌唱のシーンは、鳥肌ものでした。
カトリーヌ・ドヌーブありきの映画だったんでしょうね。。
カトリーヌ・ドヌーブありきの映画だったんでしょうね。
このキャスティングが出来たから考えた脚本なのか。。
彼女の役を日本の女優が演じていたならと考えてみた。
草笛光子、吉永小百合、倍賞千恵子あたりが演じてたなら。。
低予算映画なのだろうから、霊魂を表すような通り抜けとかの演出も無し。。
あいかわらず竹野内豊はカッコよくて、
堺正章や、風吹ジュンも良い感じでした。
というか、この手の役を演じさせたら今の日本には風吹ジュンの右に出る女優はいないでしょう。
カトリーヌ・ドヌーブの演技が不自然に見えて仕方なかった。
異国の地での演技はこうならざるを得ないのか。。
設定では日本語とフランス語も死後の世界では通じているような設定でしたけど。。
観客は思ってたよりはいたかな。。
このキャスティングだと見てみたいという人はたくさんいたという事でしょうね。
とにかく、カトリーヌ・ドヌーブの役は日本人で良かったんじゃないかと思ってしまう映画でした。
亡くなった家族の想いを体験する
意味不明なタイトル、ポスタービジュアル。予告もカトリーヌ・ドヌーブの役どころもよくわからず、ちょっとスピっとくか?くらいの気持ちで観に行ったら、席から立てないくらい泣かされた。
大傑作。
親の死というほとんどの人が経験することを、子どもを思う死んだ後の親を実体として寄り添わせ表現する。
子どもの立場なら、親が亡くなったあと、こんな時、親ならどう言ってくれるかな?とか、親の立場なら、自分が死んだ後、子どもが人生に苦しんでいるのをみたらどんな気持ちになるだろうと想像する。
この映画はそれを体験させてくれる。
そんなの泣くに決まってる。
他の方のレビューを読むと特に主人公のアルコールについての描写に不自然なイメージを持たれているようなのでちょっと追記します。
主人公は重度のアルコール摂取障害(こちらが正式な病名で、アルコール中毒、アルコール依存症というのは病名ではない)に間違いない。インスタントラーメンに酒を入れる、ウイスキーのボトルをがぶ飲みするなどでわかります。
アルコール摂取障害の怖さとして、お酒に対して耐性ができることがあります。つまり、酔いたくて酒を飲むのに酔わなくなる。酔わないから飲み過ぎる、ブラックアウトで意識をなくす、周囲への迷惑行為、自傷、指先の震え、通常時の思考低下と進行していきます。
ちなみに飲酒運転もモラルの問題ではなく、すでにアルコール摂取障害の方が起こすと考えています。アルコール耐性があるから、本人は酔ってない、酔いがさめたと思ってハンドルを握るのです。正体を失くすほど酔い潰れてたら、車にすら乗れないはずですから。
結果的にこの課題が、海での事故につながり、臨死体験により、すでにこの世にいないもの達の本当の気持ちを知ることになる。
後半の自分でウイスキーを捨てたり、でも飲んじゃう、周りからビールをすすめられて断れないなど、このあたりの描写はかなり意図的にインサートされており、本作の裏テーマとなっています。
マチャアキさんが
Frenchwoman in Japan
カトリーヌ・ドヌーヴが主演で、監督がシンガポールの方ってことだけど、ほぼ邦画な印象。
うっすら面白いぐらいの映画で、ビミョーだな…と思って観てたんだけど、エンドロールの曲が良くて余韻が美しかった。
日本が舞台でフランス人の女優が1人ポツンといて『不思議の国のシドニ』を思い浮かべた。
話も似てますね…
でも、日本が舞台でフランス人の女優が1人ポツンといる映画って少し多い、
『KOKORO』も、日本が舞台でフランス人の女優イザベル・カレが1人ポツンと状態だし。
そんな Frenchwoman in Japan に順位をつけると…
『KOKORO』
『SPIRIT WORLD スピリットワールド』
『不思議の国のシドニ』
の順で、本作は2位です。
Frenchwoman in Japan とは Englishman in New York をパロっただけです©️スティング
竹野内豊さんは『タクシードライバー』でデニーロが着てたトラヴィスモデルのM65やタンカースジャケットを着てます。
アレ高いのよ(笑)
評価が難しい作品
予告を見た時に、設定が不思議で面白いなと思い観てきました。
制作が合作と知り、腑に落ちました。ストーリーとシーン風景が日・仏っぽさが醸されています。(伝えるのが難しい…)
考えて観る癖があるので、いろいろメタファーがあるのかなと思い観ていたのですが、恐らく無いっぽいです(なんかフランス的。ワンシーンの美しさ重視と言いますか。特に酒が謎。丁度、依存症の書籍を読んでいたので「慢性の自殺」なのかなぁ…?宗教も関係あるのか?後は犬のレオン?意味あるのか…?)
考えすぎの駄作??!
終盤、訳が分かっていないのに、抱擁シーンで感情が高まって泣いてしまい、本当に不思議な映画でした。
最後のプレゼントも??、エンドロール後も??
ともあれ、主役三人は流石の名演!竹野内豊の酔った演技は◎!カトリーヌ・ドヌーヴさんも不思議な雰囲気で良かったです。(個人的に気になったのは斎藤工の首痕は「ああは、ならんやろ!」)
映画好きな方、是非映画館でご観賞くださいませ!!
みんなアル中
死んだ父親からの遺言の手紙をみつけ、自身が幼い頃に出て行った母親にサーフボードを届けに行くアニメ映画監督の話。
過去2作のヒット作を作ったが、3作目の脚本が書けずに行き詰まり酒浸りの男と、サーフボードを磨くフランス人歌手が大好きな男、そして愛犬を看取るフランス人歌手をみせて始まって行くけれど…断片的、且つ、細切れで何をみせたいのか、どういうことなのか、全然わからないし掴まれない。
と思ったら、2人倒れた!?
本編に入り、亡くなったのは親父だけ、そして親父の持っていたチケットで、来日したフランス人歌手のコンサートにいく息子…からの、えっ?フランス人歌手も?しかも幽霊???
幽霊のせいで妙に軽い空気感になってしまっているけれど、かといってコミカルな描写はなく、淡々と息子のロードムービーですか…。
これなら幽霊2人全然いらないし、ゴリゴリのコメディとまでは言わないけれど、もっと軽くコミカルににした方が良かったんじゃないですかね…。
言葉の壁が見え隠れ。
大人の緩いファンタジー
過剰な足し算をすることによる逆効果
今週初日の鑑賞候補は『グランドツアー』にするつもりでしたが、いざシャンテの上映スケジュールを確認してみると、メーンであるSCREEN1は“先行上映”の『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』に譲られてSCREEN2へ追いやられている。と言ことで、同作について改めて作品情報を確認してみると、監督(エリック・クー)は私の知らない方。そこで今度はIMDbでの評価を確認してみると、レビュー総数は少ないとは言え点数は高くない。。とは言え、番組は劇場の作品に対する力の入れ方が反映されているものでもありますし、何なら『グランドツアー』だって正直言うと“半信半疑”だったこともあり、今回は劇場の判断を信じることにしました。(ちなみに、午前中の回はガラガラでしたけどね。。。)
と前置きが長くなっていますが、本作、そのギミックについて触れるとそれだけでネタバレになり兼ねない設定。私は今回もあらすじは読まずに観始めましたが、まぁタイトルから何となく“そっち系”であることは予想が出来ていたため、個人的には(その設定に)案外スムーズに入り込めました。で、この物語が何を言わんとしているかについては普遍的なテーマだと思いますし、私も自分自身の人生経験から(共感とは違いますが)ある程度の理解は出来ます。ただ、言い方を変えれば新鮮さはあまり感じませんし、ストーリーも諸々の状況が整うまでの前半は結構退屈。そして、(この作品に限らずよくあることですが、)劇中における創作物(音楽、アニメーション)のレベルが低く感じるため背景的な説得力も弱い。更に、堺正章さん(ユウゾウ)の独特な調子の台詞回しに対し、ドヌーブ(クレア)との会話シーンは「さぞ編集が大変だったろうな」と余計なことに気がいってソワソワ。他にも、細野晴臣さんのカメオ出演や、がっつりカットしても物語に何の影響もないシーンに斎藤工さんを起用するなど、贅沢(?)なキャスティングなどもファンにとっては見所かもしれませんが、私としては出演陣が豪華なだけ期待に反して物足りないとさえ感じます。
とまぁ、ケチばっかりになってしまっていますが、作品として出来が悪いと言うわけでもないし、何と言っても竹野内豊さん(ハヤト)の浮腫みっぷりは素晴らしく仕上がっていてそこだけは解像度バカ高い。何なら、テーマがテーマだけに想うところはもっと観客に委ね、キャストもストーリーも思いっきり引き算して“短編映画”にした方がよっぽど見応えを感じるんじゃないかな。ま、それじゃ興行的に難しいのでしょうけどね。。
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