「生きていればこそ」SPIRIT WORLD スピリットワールド アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 生きていればこそ

2025年12月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

シャンソン歌手を演じたカトリーヌ・ドヌーブが劇中でしっとり歌う声に心奪われ、竹野内豊と同じように少し涙ぐんでしまった。現在82歳、1960年のデビューから現在に至るまで途切れなく映画に出続けている。その間、結婚も離婚も出産もしてるがフランスだけでなく日本も含め国際的な作品にもチャレンジしありとあらゆる役を演じてきた。映画と共に人生を生きている大女優にあらためて敬意を表したいと思います。
SPIRIT WORLD、直訳すれば「霊界」なのでカトリーヌ・ドヌーブは高崎の居酒屋で日本酒をがぶ飲みしてバサっと客死しあの世に行けず彷徨ってしまう。同じく日本酒を飲みながら急死した堺正章と出会い彼が心配している竹野内豊を見守りに行く旅に出る、。という物語。
とにかく皆んなよく酒を飲み、タバコを吸う。特に竹野内豊はかなり追い込まれてるので浴びるほどウイスキーを飲む。カップラーメンに酒を注ぎ込み食べたり、ウイスキーボトルをラッパ飲みして海に飛びこむんだからかなりイかれてしまっている。
シャンソン歌手も堺正章の元ミュージシャンも竹野内豊のアニメ監督も芸術家・クリエイターだから彼らの「絶望感」は私の理解を超えるが、簡単に自死を選んではいけない。だからカトリーヌ・ドヌーブは竹野内豊を死の淵から救った。
人間いつかは死ぬ。当たり前のことだが、ちっちゃくて良いから何かを成し遂げたものがあれば、穏やかなSPIRIT WORLD「精神世界」にいけるのだろう、。

アベちゃん