「細かいツッコミ? 物理法則? そんなものは、爆発と蹴り飛ばされる壁の向こうに置いてきた。」トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 PPさんの映画レビュー(感想・評価)
細かいツッコミ? 物理法則? そんなものは、爆発と蹴り飛ばされる壁の向こうに置いてきた。
まるでジャッキー・チェン全盛期の映画を、現代の映像技術と破壊力でリブートしたかのような、格闘ゲーのキャラたちが現実に飛び出してきたかのような、超人たちの大乱闘が繰り広げられる。
アクションは圧巻。崩れ落ちる建物、吹き飛ぶ壁、迷宮のような九龍城砦を縦横無尽に走り回る。10メートルぶっ飛び、腹を刺され、ハンマーで殴られても戦闘続行。いい意味での”現実無視”の肉体描写が快感レベルで炸裂する。
ラスボスの”気功”による無敵モードは、「もうなんでもアリか!」と叫びたくなるヤケクソの美学。気功って言葉を使えばなんでも許されるわけじゃないと言いたくなる。
ラストの「全てには終わりがくる。でもそれでいい。変わらないものもある。」という静かな言葉が添えられ、日常を切り取ったエンドロールが懐かしくて少し物悲しい。
九龍城砦はもうない。だからこそ、この混沌と熱量に満ちた描写が、かつてあったものへの懐かしさを呼び起こす。終わったものを悼みつつ、そこに確かに残る想いを描き出す。爆発と郷愁が共存する作品だった。
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