劇場公開日 2025年3月20日

「荒比屋土倍(笑)は、あの人。」ネムルバカ sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0荒比屋土倍(笑)は、あの人。

2025年4月13日
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鑑賞方法:映画館

「努力すんの、コスパ悪いじゃないですか」と発言するある登場人物に対して、「御託ばっか並べて、何もしないヤツが一番ムカつくんだよ!」とドロップキックを放つルカ(平祐奈)。

社会や生活との折り合いに課題があったり、大切な人との関係構築でも、ぎこちなさが浮き彫りになったりしてしまう不器用な登場人物たちを「ベビわる」から一貫して描いている阪元監督にとって、そういうスマートさを気取る輩に対し思いっきり中指を立てつつも、(多分映画の中のルカも同様だと思うが)自分自身にも喝を入れるドロップキックだったように感じて、いい場面だった。

リタイアするような年になった自分からすると、今作の中で出てきた「何かしたいけど、何ができるかわからない人が8割」といったセリフは、一見正論っぽく響くが、それはモラトリアムだから許される言説でもあって、人は結構、ささやかでも、自分のできることすべきことを見つけてしぶとく生きていく生き物だとも思う。
大人社会の代表者みたいな、音楽プロデューサーの粳間や、タレント部門担当の荒比屋土倍(なんていうネーミング笑)だって、こっち側からの視点ではヤラシイ面しか見えなくても、きっと何らかの熱量を持った努力があったからこそ、その地位にいるはず。
でも、まだ現実とぶつかる経験がないモラトリアムの時期は、そこまで想像できない。結果、自分周りのことで精一杯で、ルカのいう「駄サイクル」にハマっていってしまいがちにもなる。
そんな青臭さが、観ていて気恥ずかしかったけれど、ちょっぴり懐かしくもあった。

劇中歌「ネムルバカ」や「脳内ノイズ」の歌詞は、原作者の石黒正数とのこと。自分がこれまで感じてきた阪元監督の世界観にも一致してる感じがして、この映画化はとても幸せなコラボだったのではないかと勝手に推測している。

久保史緒里と平祐奈のコンビが、ベビわる(特にエブリデイの時のうだうだした感じ)のちさまひをほうふつとさせて和んだし、荒比屋土倍役で伊能昌幸が出てきた時は、とてもアガった。ロンコーの兎のウザさも、いい感じ。けど、それ以上に、ピートモスのメンバーが、よかった。クライマックスでの彼らの姿は、今作の映画化の一番価値があった場面ではないかと思う。

ちなみに、来場者特典のステッカーは、伊藤と田口と柚実とルカの4人が並び立つ場面のものでした。

sow_miya
トミーさんのコメント
2025年4月15日

コメントありがとうございます。
全て見ている訳じゃないんですがニチアサ。ドンブラザーズとキングオージャーは観ていました。志田こはくさんも一瞬でしたがキュートでしたね。

トミー
ゆきさんのコメント
2025年4月13日

こんばんは♪
あのクライマックス良いシーンでしたね!それぞれの道に進んで、社会人として歩みはじめたのであろう彼らの姿。
「ネムルバカ」で一気にあの頃のピートモスメンバーに戻る!
胸アツでした。加えて、入巣の絶叫&熱唱で追い打ちをかけられ涙腺崩壊寸前でした。
何とあのシーンは、ライブとは別撮りだったとuzさんから教えてもらい驚きました!
久保史緒里ちゃんのあの熱気と熱量はお見事でした。

ゆき
トミーさんのコメント
2025年4月13日

共感ありがとうございます。
ネムルバカの誕生秘話と、歌詞に出て来る毒まんじゅうが大笑いポイントですね、ピートモスのシングルタイトル蛾我も良いですね、ジャケ買いレベルかも。

トミー
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