劇場公開日 2025年1月17日

敵のレビュー・感想・評価

全235件中、21~40件目を表示

4.0老いゆくひとの生の姿

2025年2月16日
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鑑賞方法:映画館

なかなかの力作。
多くの人が抱えている潜在的・顕在的な不安を、独特の物語世界をもとにして映画で表現した作品——ということでいいでしょうか。

とりわけ中年以降の男性には(あるいは女性にも)切実に響くのではないでしょうか。

容赦なく迫り来る老いと、その先に待っている死。生きている限り誰もそこから逃れることはできません。
老境の生活の不安、将来の不安……。

この作品には、生々しいともいえる生の姿が描かれていると感じました。
生きるって、人間の生って、残酷だなぁ。
「敵」というのは、人間の「生」そのものなのかもしれないなぁ、なんて考えたりして。

何度も映し出される料理と食事のシーンが印象的でした。
食べるということは、まさに生きるということ。
それから、「音」も。主人公の発する様々な生活の音。生きているということは、音を立てるということなのだと今更ながら思った。音を立てなくなったとき、ひとは死ぬのだな、と。
情報量を絞ったモノクロの映像で表現することによって、それらの「音」が際立っていると感じました(これも監督の狙いであることは確かでしょう)。

主演が長塚京三というのもよかった。熟練の役者の演技は、安心して鑑賞ができました。

追記
それにしても、河合優実ちゃん。これだけ多くの監督がつかいたがるということは、やっぱり「持ってる」んだろうなぁ。相当に。
まあぼくも『サマーフィルムにのって』で彼女の魅力の虜になった一人ですが。いずれにしても“選ばれたひと”であることに間違いはないですね。

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peke

4.0老いの恐怖をシュールに再現

2025年2月16日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

怖い

 前半は儀助の生活を淡々とスケッチする日常風景で構成されている。一昨年に観たヴィム・ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」を彷彿とさせる作りで、特に大きな事件が起こるわけではないのだが、丁寧な描写の積み重ねに儀助の人間性、周囲との関係性が窺い知れて興味深く観れた。
 自炊にこだわり、コーヒーミルで豆を挽き、原稿を書き、時々行きつけのバーで酒を飲む。何の変哲もない日常だが、キャリアを終えた人間の暮らしとしては十分すぎる幸福ではないだろうか。何とも羨ましく観れた。

 しかし、そんな平穏な日々も、元教え子の靖子の登場によって少しずつ変わっていく。冷静で理性的な儀助が年甲斐もなく彼女に惚れてしまうのだ。よく”男は幾つになっても…”なんて言うが、まさにそんな感じでこれには苦笑してしまった。

 ただ、ここまでならただのスケベオヤジの他愛もない妄想で片付けられるのだが、問題はここからである。儀助の妄想はどんどん恐ろしい方向へと膨らんでいくのだ。

 もう一人、歩美という女子大生が登場してくるのだが、彼女もまた儀助の人生を狂わせるファムファタールとしての役割を持たされたキャラである。先の靖子についてはまだ妄想の内に己の欲望を具現化するだけで済んでいたのだが、彼女に関してはいよいよ現実と妄想の境目が見えなくなり、ついに実害を被るまでに至ってしまう。高齢者を狙う詐欺はこういう風に行われるのか…などと思ってしまった。この辺りから、この映画は虚実の曖昧さが加速してしく。ほのぼのとした前半からは想像もつかないような恐ろしいトーンが横溢し始める。

 本作は筒井康隆の同名原作(未読)の映画化である。現実と妄想、悪夢、幻想が交錯した後半の世界観は、いかにも筒井ワールド的な不条理劇となっている。リアリティを重視した前半の日常描写とのギャップが上手く効いていて、予測不可能な展開の連続に興奮させられっぱなしだった。

 監督、脚本は吉田大八。元々こうしたシュールなユーモアを作り出すのが上手い作家なので、筒井康隆の世界観との相性は合っているような気がした。思えば、出世作「桐島、部活やめるってよ」は不条理演劇の代表作と言わる「ゴドーを待ちながら」を意識した作品だったし、「紙の月」の宮沢りえはお金という幻想に憑りつかれたヒロインだった。現実と幻想が織りなすシュールな世界を描くことに、吉田監督はかなりこだわりを持っているような気がする。

 しかも、本作は全編モノクロというのも大胆なところで、監督のこだわりを感じる。一つの考え方として現実と妄想をカラーとモノクロで表現するというやり方はあったと思う。しかし、敢えてそうせずモノクロで通している。その方が虚実の境界があいまいになり、観客が儀助の視界を追体験できるという理由からこうしているのかもしれない。いずれにせよ、人生の終末をこうした不条理なトーンで切り取った所に新鮮な驚きと興奮を覚える。

 そして、本作は儀助を演じた長塚京三の巧演が光る作品でもある。これまではどちらかと言うと脇役が多い印象だったが、主役で伸び伸びと演じさせると、これほどドラマに深みをもたらす俳優だとは思わなかった。79歳になるということだが、晩年にこうした作品に巡り会えるというのは役者冥利に尽きるのではないだろうか。

 さて、タイトルになっている”敵”の存在だが、自分はこの”敵”がいつ登場するのか興味津々で観ていた。ただ、これが中々登場してこなくて悶々としてしまった。正直な所、少し勿体つけ過ぎな感じがしなくもない。もっと早い段階でその片鱗を匂わせていたら、更にスリリングに観れただろう。作劇上で不満が残ったのは、この1点である。

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ありの

4.0

2025年2月15日
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『敵』。面白かった。

終始モノクロで描かれる手法は、作品にとても合っていると思った。主人公の渡辺儀助は一人暮らし。きたるXデー(寿命)に向かって、貯金残高を計算し、ご飯を自分で作り、たまには友人と酒を飲み、それなりに丁寧な暮らしをしているように見える。だが、「敵がくる」というメールが届いてから、彼の生活はどんどんおかしくなっていく。

「敵」とはなんだろう? 私は「欲」だと思った。

妻に会いたい欲、
誰かと一緒にいたい欲、
教え子と寝たい欲、
何もかもが暴露されてほしい欲、
誰かに頼りにされたいという欲、
隣人がうるさくて早く死んでほしいという欲、
本当は寂しくて早く死にたいという欲、
欲があることを認めたいという欲……。

彼は自分自身を「真摯」で「誠実」で「真面目」だと勘違いしているがゆえに、これらの欲に襲われる。欲は次々と襲ってきて、彼に欲を認めさせようとする。

そう考えると、本当の敵とは「自分自身」だったのかもしれない。欲を認めず、跳ね除けようとする自分自身が敵だった。そう思えば、彼の余生そのものがまるで夢のようで、だから色彩を持たなかったのも納得できるような気がする。

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ともや

4.0この監督の味

2025年2月15日
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鑑賞方法:映画館

退職した元大学教授の一人暮らしの日常がモノクロームの映像で坦々と描かれていきます。何か起こるはず、と構えて見ていてもほとんど何も起こらない。眠気を誘うような心地よさを感じながら見ているうちにほんのわずかずつ不穏な空気が漂いだします。終局に向かって夢か現実かわからなくなるという体験を主人公と一緒に味わいました。過剰に不安を煽らない撮り方に好感を持ちました。ほかの監督が撮ったら全然違う作品になっていただろうと思います。ラストシーンの意味がわからなかったのですが、それも独特の余韻につながりました。

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むっち

3.0淡々とした日常が狂う

2025年2月15日
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知的

リタイアしても、独り身になっても、あのように自炊して、身の回りを綺麗にして生きたいね。

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Moto0615

4.5なかなかにすごい作品

2025年2月14日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

「敵」が姿を現す前の段階で、モノクロの画面に引き込まれた。
本当に、俳優・長塚京三がこういう日常を送っているんじゃないか、と思うくらい自然な立ち居振る舞いを見せるのだ。
敵がどうだ、こうだ、というのはほとんど意識する必要はない。
描かれる、老仏文学者の妄想と行動が実に深みがあるのだ。
「敵」が出てくると、逆にそれまでの静かな流れがひっくり返される印象がないでもない。だが、その部分は前半の流れを台無しにするようなこともなく、味付け程度と思ってよい。
全体から見れば、たいへんに良い出来栄え、と感じた。
★5つつけてもいい、と思わないでもないが、パンフレットがペラペラなのに1000円もするのが気になって、それで★半分マイナス。パンフレットは立ち読みして買わなかったけどね。
平日昼間で、封切りから1カ月近くたつというのに客入りは半分以上あったと思う。
未見の人は、ぜひ急いで見に行ってほしい。

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町谷東光

2.5敵(映画の記憶2025/2/12)

2025年2月14日
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知的

筒井康隆の小説を映画化した今作。小説は読んでませんが、長塚さん主役というので観てみようと思い観てみました。

結論から言うと自分はすぐに引き込まれたので、導入の作りは良いかなと、後半部分は混乱する人も多くなりそう。とにかく客観視することが重要。

きっちりした人ほど何かが崩れた時に全部崩れてくんだろうな、、、
終わりの方はぼかされた感じはあるがあれも最終到達を考えれば納得。
万人受けはしにくいだろうけど、本を良く読む人や演劇好きな方には良作になると思います。
(個人的評価5.5点/10点中)

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motorad_kira

3.5筒井康隆らしい映画

2025年2月14日
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鑑賞方法:映画館

映画パーフェクトデイズのダークサイド版、という評判が気になり
観に行きました。
長塚京三さんの芝居に引き込まれました。
共演する3人の女優さんも物語に溶け込んで素敵でした。
普通の娯楽映画とは異なる芸術性の高い、筒井先生らしい作品。
人が老いてボケていく姿を当事者目線で見たら
こういう風なのかも、と思いました。

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tabby

4.0老いて夢みるのが怖くなった!

2025年2月14日
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悲しい

怖い

知的

終活を整えながら一人暮らしを続けてる元大学教授の私生活がたんたんと描かれて当たり前の事がやけにスクリーンに引き込まされてしまう。
数少ない知人や友人との何気ない会話が一人暮らしの寂しさを感じさせられる。平凡な日常の傍ら人間関係を整理したいり遺言書を作成、後のカウントダウンを計算してるところが哀しさ呼び寄せてる。
現実と妄想が相互に現れて怖くなりそうな場面もあったが元教授の揺れ動く心情がうかがえた。
難しい演技に挑んだ俳優長塚京三さんを支えた3名の女優さんもとても良かった。
最後に「アット」と思わず声を出しそうになったけど「敵」にひと足先に襲われた方ではなかったのかなぁ。

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倭

5.0時間や空間を超越するモノクロ映画の威力

2025年2月13日
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終活しつつ、潔く自分の死までの道筋を計画している老齢の元教授に
様々な敵が次々と襲い掛かってくるが、
現実・非現実が不明瞭で、その浮遊感がモノクロであることによって強調される。

さらに、ときに強いコントラストの画面描写によって質感が薄まり、
対象物体や人物の年齢、時代設定すらも曖昧になって、
後半の得体の知れない不可視な遠方からの強力な敵の攻撃が、
時間や空間を超越して同居しても不思議と現実感が損なわれない。

その長い時間軸を包含しているモノクロの表現が
老齢の生活、欲など生々しい部分をも描いたストーリーでありながら、
長塚さんの佇まいも相まって、
全体に美しさを保ち、雰囲気を醸し出しているように感じた。

惑乱体験にガツンとされて鑑賞後に呆然となりました。

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HK

4.0吉田大八 筒井康隆

2025年2月12日
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桐島部活‥の監督×筒井康隆に興味を持つ
長塚京三が素晴らしい 吉田大八も凄い監督 画面に小津安二郎のような緊張感をもたらしていて それがこの後の展開に意味がある 全く内容知らず観たので急展開に驚いたが 少しやり過ぎ感もあり 実際三人途中で席を立っていた だが映画祭には好まれる作品か 最後まで観ると 音楽は皆無に等しいが まるでMVの長編のように 楽しめた ネタバレしたくないのでこれにて_(..)_

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U-TA

3.0フランス書院文庫❤️

2025年2月12日
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悲しい

寝られる

えっ、長塚京三79歳?
教え子(瀧内公美)をオカズにブリーフを汚してしまい、自分で洗う独居老人役。さすがにおちちは垂れていたが、目の奥のギラっとした感じは消えてないのはさすが。
筒井康隆のブラック小説が原作らしいが、筒井康隆のSF小説の飄々とした感じはない。
原作は読んでないので、どの程度脚色されているかはわからないが、旅行雑誌のサブ担当者役のカトウシンスケの遠慮のない図々しさと、フランス書院文庫が好きです発言はおかしかった。ワタシもフランス書院文庫好き。
映画は正直あんまし楽しくないし退屈だったなぁ。だいたいみんな経験済みのせいかな。
アンソニー・ホプキンスのファーザーとどうしても比べてしまう。
1998年に77歳だと確実に戦争で空襲を経験しているでしょうね。何でも溜め込む世代。エメロン石鹸はもう生産されていないらしい。
スーツケースにためていた石鹸。大学教授だった儀助がお中元·お歳暮にもらったのを奥さんが大事に貯めていたものなんでしょう。ひとりで奥さんを思い出しながら、一緒に湯船につかりたいと思っていた儀助がその石鹸を大事に使い続けていたのだろうと思うと、ものすごくエモいと思いませんか?そこの場面をもっと掘り下げて欲しかったなぁ〜とフランス書院文庫好きのワタシは思うのであります。

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カールⅢ世

4.0しかし、何故認知症の症状は悦楽ではなく恐怖なのだろうか?

2025年2月12日
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知的

アカデミック版
perfect daysでした。

そして舞台は老年期。

アカデミックな分、過去との決別や現実肯定に支障をきたすのかもと想像しました。

夢を見たまま死ねれたら一番楽なのに。。

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グリーン

4.0白黒画面で見る瀧内公美は、とても美しかった。。

2025年2月12日
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筒井康隆原作、吉田大八監督作品。

YouTubeの『ホイチョイ的映画生活〜この一本〜』チャンネルを見ていて、この映画の事は知った。
調べてみると、筒井康隆はまだご存命で現在90歳。
『敵』を書いた時は60前半だったみたい。

この映画は、隠居している元仏文教授の妄想を描いている。
この状況を見ている人がどうとらえるか?
60前半だった筒井康隆は何を思ってこの小説を書いたのか?
若い人が見て共感できるところってあるのだろうか?
共感できなくとも映画として楽しめるとは思うが。。
2月の最初の祝日、お客さんは結構入っていました。

そんな事を考えながら映画を見ていた。

筒井康隆の本は何冊か読んでいた。
富豪刑事とか、文学部唯野教授とか学生時代に読んだ記憶がある。
昔はテレビにも出ていて、癖のある人ってイメージ。

このストーリーを映画にしちゃうんだから監督って凄いなと思いました。
娯楽映画という感じではないですが、映画作品として楽しめました。

長塚京三の元大学教授役はまさしくピッタリでしたね。
この人は、こういう品のある役が似合っている。

白黒画面で見る瀧内公美はとても美しかった。
今まではあまり意識した事は無かったけど。。

河合優実は良かったのだけど少し飽きたかな。。
あんのこと、ナミビアの砂漠、八犬伝と最近見た映画にも出ていたし、出過ぎって感じてしまった。

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はりー・ばーんず

4.0モノクロ長塚京三祭りを堪能

2025年2月11日
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テアトル新宿では直前にも瀧内公美祭りみたいな(奥山和由監督作品!)予告編があり、本作も出た瞬間にモノクロの画面にエロスが漂う素晴らしさ。

の前に、長塚京三祭り。
長塚京三が料理する。長塚京三が食べる。長塚京三がデンタルフロスやる。長塚京三が風呂に入る。長塚京三が妄想する。。ほぼそのような映画なので長塚京三を選んだことで正解というか、乾杯!って感じ。体臭も気にする終活する元仏文教授の妄想がエレガントに描かれる。モノクロ画面にフードスタイリスト飯島奈美のフードもモノクロ。丹精に丹精に生きているのでその綻びというか、亀裂からのノイズ、カオス、が楽しい。そう長くない、長くないこの先の、最後の敵の襲来の銃の火花が花火に見えて夢の渦のようでよかった。愛すべき家にはこちら側とあちら側があって、人生の終盤に祭りのようにあちら側に滑り込んでいくのも悪くないな、と思った。

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ONI

4.5敵は来る

2025年2月11日
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誰にでも敵は来る。いつかみんなこんな道を歩いていくのだろうか?その時自分はどう受け止めるのだろうか?ひるがえって生きるとは?と投げかけられた映画でした。食事シーンがとても美味しそうでした。

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まさ

4.0銀幕があう映画

2025年2月11日
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いまさら白黒?と思ったが、意外にいい刺激になった。色がない分、頭の中で着色している自分に気付いた(特に料理のシーン)
高齢者の日常が淡々と流れるが、不思議と飽きない。一人暮らしだが、人望からか、人が集まってくる。

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かぜ

4.0敵 筒井康隆

2025年2月11日
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大分前に原作を読んだ。食事のシーンが多く、人間が生きていくことは食べることだと感じた。ただ、原作の記憶では食べる物のこだわりがあったと思う。夢と現実の境が無くなる辺りは良く出来ていたと思う。

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タクチャン

3.5「敵」とは

2025年2月11日
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定年退職した元大学教授の日常を追った物語りをモノクロ映像で綴る。渡辺儀助は妻に先立たれ既に20年近く経っている77歳の男。彼は日々自分で料理をし丁寧に生きている、いや生きようともがいているが正しい解釈か。彼の生活は預貯金との睨めっこな毎日だ。
モノクロ映像は不思議と観やすいと言うより映像演出の妙だ。

そんな彼も男だ。教え子に欲情もするし、あるバーのオーナーの親戚と言う若い子に騙されかなりのお金を失う。そして騙された事がきっかけとなり彼の歯車が大きく狂って行く。しかし予兆はそれ以前からあったのだが…。そうすると食生活も乱れ生きる気力も失い自死迄図ろうとする。

彼の頭の中の妄想は次第に酷くなって行く。その妄想の中でも儀助は自分の妄想の中だと言う事を理解している。そうしてその「敵(妄想→ボケ⁇)」はやがて儀助自身を飲み込んでいく。「敵」はまさしく彼の"老い"そのものだ。
が、彼は誰彼に迷惑をかける事無く最後は逝く事が出来た。。 全ては自己完結したのである 納得のいく遺書まで残し…

【追記】
主演の長塚京三氏をはじめ俳優陣は全てエロティシズムの象徴と成っている。特に主演の長塚氏は高齢ではあるが演じている知識人特有のインテリの醸しだすエロティシズムを発散させている。また主人公に関わる3人の女性はそれぞれに魅力がありそれぞれがエロティシズムを放っていた。

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えーじ

4.5また数年後観て、自分の人生振り返りたい。

2025年2月11日
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悲しい

興奮

寝られる

人は死期せまるとき、脳の片隅にあった欲望や理想や後悔が呼び起こされるのかな。と思った。
やすらげるパートナーを欲し、いっしょに美味しいものを食べたい。なにかと戦ってるときに、生きてることを感じられる。
観る年齢によって受け取り方が変わるような気がしますので、また数年後観たいなと思いました。
メール文が細部までよく読めなかったので、少し前のほうの席がおすすめです!

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キャンティレバー