「意図は分かるが、すっきりしない。」敵 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
意図は分かるが、すっきりしない。
筒井康隆の原作を実写化したことで多くの人に評価されているが、私はむしろ映画を見るより原作を読んだ方が良かったかも、と思っている。それこそ、原作のある映画に相応しいのかもしれないが、映画単体で見た場合、面白さは今ひとつなのである。それは私自身が老いてきて、身につまされるからかもしれない。年甲斐もなく、まだ性欲があるのは良く分かる。ただ、北の敵というのが、いささか突飛な想像に思え、主人公の料理のリアルさと対照するにも、あまりにもチャチな感じがする。ただし、主人公が想像で恋する亡き妻、教え子、知り合った娘が黒沢あすか、瀧内公美、河合優美なのはそれぞれの役割に合ったキャスティングが最高で、彼女たちと相対するシーンはどれも好きだ。
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Boncompagno da Tacaocaさんのコメント
2025年2月2日
なるほど、今だとすぐ北朝鮮やロシアを思い出してしまうのですが、北海道がまだ未知だった頃をイメージしたり、演歌でも必ず人は北に向かう、あの感覚かもしれませんね。
canaboonさんのコメント
2025年1月30日
「北から来る敵」がチャチイとのご感想は私もいささかながら感じました.想像するに「敵」が南から来ては怖くないのではないでようか?
例えば春は南からやって来ますし(「春は馬車に乗って」/横光利一).
青森から4号線を通って敵が来る,なかなかこれは「敵」への修飾子としては不気味ではないかと感じました.