金子差入店のレビュー・感想・評価
全91件中、1~20件目を表示
もっと面白く出来たのでは感が否めない
期待していたものと違った。
この映画で『差入屋』という、受刑者に差し入れを代行して行う職業を初めて知って、どういう職業なんだろう?差入屋をする過程でどんな人間ドラマがあるんだろう?と期待していただけに、不完全燃焼。
興味が惹かれる題材だったのに、あれもこれも材料投下して、とっ散らかった味のものになってしまった感が否めない。
2つのヘビーな事件、母親との確執、差入屋への偏見、父親としての姿
ひとつひとつが簡単にサラッと流せる題材じゃないだけに、これを全部描くとなると、そりゃこうなるよなーと思ってしまう。
いろんな出来事があったとしても、主人公の差入屋としての信念やプライド的なものがしっかり描かれているならいいけれどそれも浅い。
だからクライマックスのシーンもイマイチ盛り上がらない。
演技に関しても、相変わらず真木さんの滑舌の悪さに冷めてしまう。丸山さんは悪くなかったけれど、この役があの人ならもっと深みが出たのでは…と想像してしまった。
良かったのは北村匠海さん。『悪い夏』でもダークな役を演じていて、最近は様々な役柄にチャレンジしているのを見るが、今回は不気味さマックスなサイコパスを見事に演じていた。怖すぎ。
差入屋についてを知るきっかけになったとしては価値があるが、映画としてはイマイチな作品だった。辛口すみません。
難しい仕事だよなぁ
こんな職業が有るんだ…
思ったより責任重大。
重層的な構造の物語で複眼的に考えさせられる
二箇所ほど嗚咽寸前
初日に山形県の鶴岡市の隣り(三川町)で鑑賞した。鶴岡や酒田で撮影さ...
初日に山形県の鶴岡市の隣り(三川町)で鑑賞した。鶴岡や酒田で撮影された「おくりびと」の納棺師と並び、随分とニッチな商売を取り上げた。
長編映画が初めてとはいえ古川監督は助監督のキャリアがある。演出に危うさは感じられなかったし、出演者も子役以外は安定した持ち味を見せた。反面、脚本の着想は素晴らしくも構成が甘い。ありえないだろうと思われるシーンも含まれており、今一度ハコ(シーン、時系列)をバラして積み直せば幾分かは観客の心に深く届く作品にはなったのではないだろうか。特に冒頭シーンは作り直してもらいたい。反対に北村匠海くんの使い方は勿体ないと感じる向きもあろうが、私はここは肯定したい。
映画作品全体としてはポジティブだと感じている。キャリアがある人だけに、今後観客がどう見るか、どう感じるかを把握できれば、一段上の品質を世に送り出すことは可能だろう。
そっちかぁ〜い、からの〜
知らなかった
こんな胸糞
北村匠海さんだけは合う
刑務所に入っている人に代理で差し入れをする仕事を営む主人公家族を中心とした話。この設定から、人情噺の側面もあるのかなって思っていた。でも実際は、ごく身近で起こる世間的にも大騒ぎになるような2つの大事件絡みで話が展開する。
ちょっと合わなかった。そう思ったシーンはたくさんあるけど、象徴的だったのが、エンドロール後のシーンで、花ごと片付けてしまうところ。植木鉢に絡んだシーンは本編でも何度か出てきていて、その都度なんか違うと感じてた。全体を通してそういう"合わない"感じで覆われていた映画でした。
そんな中だったけど、北村匠海さんだけは合うんだから不思議。現役朝ドラ俳優の北村匠海さん、「悪い夏」以上にヤバい役を演じてました。死んだ目が似合うおもしろい役者だと今回も思いましたよ👍
惜しい!
差し入れているのは温もり
予告は目にしませんでしたが、刑務所への差し入れという商売に興味をもち、公開2日目に鑑賞してきました。
ストーリーは、刑務所や拘置所に収容されている人たちに、依頼を受けて差し入れを代行する差入店を営む金子真司が、息子の幼馴染の女児を殺害した犯人の母親からの依頼を受けて複雑な思いで刑務所を訪れたり、刑務所では自分の母親を殺害した犯人への面会を求める女子高生を度々見かけたりする中で、面会人、犯人、加害者家族、被害者遺族、自分の家族、世間の人々などの思いに触れ、犯罪者や差し入れという仕事への向き合い方を改めて見つめ直していくというもの。
差し入れ代行なんて職業があるとは知りませんでした。一見簡単な仕事のようにも思えますが、犯罪者と対面したり、世間から好奇の目で見られたりと、心理的には負担が大きそうで、なかなか大変な仕事だと感じます。
しかし、それ以上に感じたのはその仕事の大切な役割です。差し入れているのは何の変哲もない日用品や食料かもしれませんが、差し入れという行為そのものが、塀の外とのつながりを感じさせ、収監者の心に温もりを届けているのでしょう。収監者にとって、自分は見捨てられてはいない、外で待ってくれている人がいると思えることは、何よりも心の支えとなります。真司が差入店を継いでいる理由もここにあるのでしょう。
本作を通して、少しでもこの仕事への理解が広がるといいし、どんな仕事にも大切な役割があるのだと考えられる人が増えるといいです。先日観た「うぉっしゅ」でも「職業に貴賎なし」と何度も繰り返されていましたが、まさにそのとおりだと思います。劇中、真司の仕事が原因で、息子が学校でいじめを受けたり、妻が近所で陰口を叩かれたりという描写があり、日本人はいつからこんなに不寛容で攻撃的になったのかと心底悲しくなります。
それでも真司が心折れずにがんばり続けていることは、邦画には珍しいポストクレジットから伝わってきます。そして、その思いは息子に受け継がれ、強く逞しく成長したことも伝わってきます。個人的感情や先入観だけで他人を叩く風潮が絶えない、こんなクソみたいな世間にあって、信念をもって正しく生きることは本当に難しくなりました。しかし、本作を通して、金子家のみんなから少しだけ勇気をもらった気がします。後味のよい作品でした。
ただ、ポストクレジットの後味のよさに対して、全体的には構成がやや雑だったような気がします。例えば、序盤から繋がりの悪さを感じたり、それが以降にもあったりで、もう少しうまくつながるとよかったです。他にも、さまざまなエピソードがちょっと散漫だったり、セリフに聞き取りにくいところがあったりで、いろいろと惜しい作品でした。とはいえ、間違いなく見応えはあるので、気になる方は劇場でご覧ください。
主演は丸山隆平さんで、真面目に仕事に向き合う真司を好演しています。脇を固めるのは、真木よう子さん、三浦綺羅さん、川口真奈さん、北村匠海さん、村川絵梨さん、甲本雅裕さん、根岸季衣さん、岸谷五朗さん、名取裕子さん、寺尾聰さんら。主演から子役までみなさん演技が上手で引き込まれます。
最高傑作‼︎ 古川豪監督、初長編映画にして素晴らしい作品!
トータル的に映画として最高に素敵な作品だと感じました✨ちょっと異質なレベルで。
脚本、映像、キャスト、音楽、主題歌、ラストのラストまで妥協がないのが伝わります。
ストレートなのに奥深さもある。
恋愛でもサスペンスでもない、テーマは大きな愛。
人って愛でこんなに変わる、変われるんだと感じました。それは良くも悪くも。
このお話は刑務所の内側と外側が舞台の中心となる。
誰しもが、そちら側に行く危うさを秘めている。愛が救いになってほしい。
真木ようこさんが演じた美和子の様な人間性の高い、愛に溢れる女性に私もなりたい。
丸山さんも素晴らしかったです。
不器用だけど愛によってどんどん変化していくお父さんを素敵に演じていらっしゃいました。
今、世の中に溢れる家庭の問題。毒親。
割合で言うと、私は8割が"愛された"という感覚が持てない家庭だと思う。(あり🐜の話じゃないけどね)
ちょっとしたこと、ちょっとした出会い、愛で人は変われるという温かい熱いメッセージを感じるとともに、その愛は家族でなくてもいい、というのも救い。
観終わった後に、こんな家族、人との関係を持ちたいと思える作品です。
やはり幸せとは人間関係なんだと改めて感じました。
スーパービーバーの主題歌もとてもリンクしています。
「強く優しくありたい。」
「伝えたいのは心意気」
大切なことが繋がっていくラスト、涙が止まりません!
もう一回観る!
地味な作品だが、胸熱くなる人間ドラマ
もちろん丸山隆平のファンというわけではないが、作品のユニークな設定に興味を覚えて鑑賞した。
【物語】
服役した過去を持つ金子真司(丸山隆平)は東京の下町の拘置所近くで「差入店」を営んでいた。差入店は刑務所や拘置所に収容された人たちへの差し入れを代行することを仕事とし、伯父の辰夫(寺尾聡)が始めた店を手伝ったのが始まりだった。妻美和子(真木よう子)、小学生の息子・和真(三浦綺羅)、辰夫とささやかながらも幸せ日々を過ごしていた。
あるとき、和真の幼なじみであり、真司も良く知っている近所の少女が殺される事件が起きる。 犯人(北村匠海)は逮捕されるが、拘置中の犯人への差入を求めて母親が訪ねて来る。和真は躊躇しながらも仕事として請負うが、そのころ和真は学校で家業に対する無理解からイジメを受けていた。
また、自分の母親を殺害した男との面会を求めながら拒否され続けている女子高校生と毎日のように拘置所で見かけ、気になっていた。
【感想】
想像以上に良かった。
まず、主演丸山隆平の演技がとても良かった。アイドルとは対極の地味な男であり、直情的に行動してしまうバカだが、実直で温かい心を持っている男、そんな真司をしっかり見せてくれる。
この映画を見るまでこんな仕事があることも知らなかった「差入店」。この作品を観ると、受刑者の更生のためにも確かに必要な仕事だと納得。そんな日陰の職業を扱う社会派ドラマだが、もう一方で家族のドラマだ。俺は歳を重ねるにつれどんどん「家族のドラマ」に弱くなっているのだけど、またやられてしまった。
真司が自信を失ったときに、迷うことなく叱咤し支える妻の姿に涙。そもそも服役中に見捨てなかったことも含めてこんな出来た妻はいない! うらやましい!!
息子もいじめられているのに父親を恨むではなく、自分を責める姿に号泣。 父親の気持ちを想像したら、もう涙が止まらなかった。
地味だけど、邦画らしいとても良い作品だと思う。超おススメです!
衝立の「あっち側」と「こっち側」の話
全91件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。