劇場公開日 2025年9月5日

「渋くて薄味」遠い山なみの光 タカシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 渋くて薄味

2025年9月22日
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鑑賞方法:映画館

泥の河や冬冬の夏休みを思い出すが、その2つも渋いがもっと渋いというより薄味。三浦友和のエピソードも軍国教育していた教員が己を鑑みるというのも薄い。ドラマが薄いというか。広瀬すずはここ最近明らかにあえて地味だったり渋い作品選びをしてネクストステージに向かっているがそんな一本。ラーゲリみたいな泣きの湿っぽさに行ったらそれはそれで満足度は高い。撮影のピオトル・ジエリンスキはいつも良い。枠内や仕切りの使い方もとても有効。二階堂の芝居がちょっとザマす方向なのだがそこが少しむず痒い。こんなふうにカッコつけてる割に子供の教育をまともにしてない家庭は確かにあるけど。分かりやすい敵や壁をつくらない作品なので、この主人公は何から逃げたいのか最後までよくわからない。広瀬の視点で進むのでそんなに問題に感じないし、二階堂だって生活が苦しいんだろうけど、足掻く泥臭さは描かない。そうするとどうしても味が薄く感じてしまう。

タカシ
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