「感じる「痛み」は強烈だが、自分の持っている痛みが不思議と和らぐ」リアル・ペイン 心の旅 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
感じる「痛み」は強烈だが、自分の持っている痛みが不思議と和らぐ
ベンジーの身勝手で、自己主張の強い行動に終始イライラさせられる。旅の終わりに近づくにつれ、ユダヤ人の悲劇、ベンジーの心の闇が折り重なってこちらに伝わってくる。
各シーンでポーランドが産んだピアノ詩人であるショパンの旋律が響く。軽快なワルツはベンジーが起こす周囲との軋轢をコミカルに和らげる。
ユダヤ人収容所のガス室では、厳粛で重苦しいピアノの響きが、ガス室で殺された人々の悲痛な叫びに聞こえる。
感じる「痛み」は強烈だが、自分の持っている痛みが不思議と和らぐ。そんな作品でございます。
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トミーさんのコメント
2025年2月1日
共感ありがとうございます。
ベンジーにとってはホロコーストの悲劇も、祖母の死も同等の悲しみなのかもしれませんね。何であんな事!と張ってくれるデイブは貴重な存在ですね。