「チュウ、お前が造った目で私が見たものを、お前にも見せてやりたかった」拳と祈り 袴田巖の生涯 病人28号さんの映画レビュー(感想・評価)
チュウ、お前が造った目で私が見たものを、お前にも見せてやりたかった
半世紀生きてみて分かったが、ニンゲンには二種類のニンゲンしかいなくて、生まれついての魂が穢れた極悪人と、生まれついての清らかな魂を持った聖人しかいないのが分かった。
魂の穢れたニンゲンは、おそらく子どもの頃に愛されて育っていないので、悪意をもってでしか行動できなくてニンゲンを傷つけるのが、あたりまえ体操なので、出会う人全てを傷つけて挙げ句の果てに、寂しい末路に着く。
逆に子どもの頃に愛されて育ったニンゲンは、出会うニンゲン全てに喜んで欲しいと思い行動し、死んでもその功績を称えられ、死んでも人々の心に残り不死の存在になり神と成る。
20年にもわたって、袴田巌さんを追い続けた本作は、ドキュメンタリー作家にありがちな、監督自身が映像化したい対象者の画を撮るまで、しつこく撮る事はなく極めて自然体の袴田巌さんを撮影する事に成功する。これは信頼関係があるから出来る事で、
ザ・ノンフィクションのディレクターのように、オカマとオナベの夫婦の喧嘩を撮るまで、撮影をしないような愚挙は犯さない。
あんなに、酷い取調べをした警察官や、自分に死刑を求刑した裁判官に復讐する事もなく、恨み言も言わずに自分の無実を勝ち取る為に戦う袴田巌さんの何と男気のある事よ。袴田巌さんのお姉さんも恨み言を言わず粛々と裁判に立ち向かう。
俺がこんな目にあったら、ありとあらゆる手段を用いて裁判官や、警察官を死んだ方がまだマシだったと後悔させるまで追い込んで、奴等が死んだら、その墓の上で見よう見まねのタップダンスを踊ってやる。絶対にだ!
まぁ、確かに上映時間は長いが、無駄なシーンは1秒たりともなく、ドゥニ・ビルヌーブの「 砂の惑星」 「 ブレードランナー 2049 」 リドリー・スコットの「 グラディエーター 2 」 のような脚本と編集が下手糞なだけの映画とは大違い。
犯行の証拠とされた、味噌蔵にあった血痕がついた服は小さすぎて、袴田巌さんには着れない服なのに、それでも死刑を求刑する検察はいったい何を考えているのだろうか?酷い!酷すぎる!
此奴らは成敗しなければなるまい。奥崎謙三が死んじゃった今、成敗出来るのは....、俺か?
皆、知らなかったと思うけど、俺、実は心配無用の介なんだ!
俺は 何も信じない
俺は 誰も許さない
俺は 何も夢見ない
何もかもみんな 爆発したい
純白のメルセデス
プール付きのマンション
最高の女と ベットで ドン・ペリニヨン
欲しいものは全て ブラウン管の中
まるで悪夢のように
Money Money makes me crazy
Money Money changes everything
いつかこの手に つかむぜ BIG MONEY
I've got nothing nothing to los
カエル食って、真夏でも熱いコーヒーを飲むフレンチ野郎が作った「 動物界」 や、今作に限っては才能が枯渇した「 グラディエーター 2 」 なんか見なくて良いから、この傑作映画を見ようぜ?!本当にお勧めです。