「観て損はない。自由とは」ゲキ×シネ「吉原御免状」 よっしぃさんの映画レビュー(感想・評価)
観て損はない。自由とは
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隆慶一郎の文庫を殆ど読んでいる者としては、感慨深いものがある作品。
キーワードは、道々の輩(ともがら)もしくは道々の者。
いつの世も、強者が弱者を搾取する構造がまかり通り、差別、分断、締め付けで、どこまでも弱らせ、機能出来ないようにしていく。
それをやるのが、お上であり、今でいう政府(政治)という存在。
常に繰り返す。
特に、今の日本の状況ほど酷いものはないが、詳しくは書かない。犯罪者が治める国など殆どないから
道々の輩を説明すると、海民(漁師)、山民(猟師)、遊女、布を織る者、芸能を行う者、歌唄い、音楽を奏でる者、絵描き、踊り人、占い人、様々な職人や商人など、多種多様な非農業民のことを指す。
彼等は一所に定住せず、世間一般との縁を切り、己の才覚だけで世を渡り歩いた。
彼等は自由を尊重し、全ての者たちは平等であること「上ナシ」「主ヲ持タジ」という意識があり、侍身分からの支配を否定、自主自立を信条としていた。
その道々の輩(公界人)の最後の砦が、吉原遊郭であり、吉原御免状という存在。
その経緯や意味を、面白可笑しく、悲しく切なく、派手に繰り広げられる舞台劇で、心に強く重く感じさせてくれる素晴らしい作品。
本来、世の中というものは、そうあるべきではないのかと。
観て損はないという表題であるが、出来れば皆に観て欲しい作品なのであるのは率直なところ。
まあ、泣いたね
人間が、本来あるべき立ち位置をどう考えるか、そこから何かを感じてもらえれば、それでいいと思います。
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