大きな玉ねぎの下でのレビュー・感想・評価
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昭和世代こそ幸せな気持ちに
恋愛モノは得意ではなくなった私ですが、昭和世代もハマるとのコメントをみて映画館での鑑賞を決めました。
年頃だからこそ感じる淡い思いや迷い、些細なことに傷つきながらも決断していく姿。その初々しさとピュアさに、心が洗われました。
自分の息子や娘の成長と重ね合わせたり。
過去の描写では、遠くに忘れてきた自分自身の青春の記憶が掘り起こされ、ノスタルジーを感じます。心が潤う。自分の心がどれだけ乾いていたのかと気付く。
江口洋介と飯島直子の配役によって、今とこの時代との違いが身に染みるように感じます。
昭和世代こそ深く味わえる作品です。
そしてカバーは勿論ですが、やはり本家が最高。
九段下の駅を降りて坂道を……
この監督の作品を今回初めて鑑賞しましたが、とても素敵な作品でした。
幸福感やノスタルジーの先に……きっと現代の「人との繋がり方」に、優しく訴えかけているのでしょうね。
アナログでアナクロ
この作品のモチーフとなった「大きな玉ねぎの下で」を作った爆風スランプのサンプラザ中野くん。は私と同い年。
私自身は文通の経験はありませんが、当時ペンフレンドやペンパルなどの言葉は思春期の胸を熱くする言葉でした。
「大きな玉ねぎの下で」自体は1989年の作品なので私はもう結婚し、子どももいましたが、この曲の歌詞にはグッと来るものがありました。この映画の出演者の親世代は、「大きな玉ねぎの下で」が発売された頃の高校生という設定なので、現在50代前半ということになりますが、ちょうど私の一回り下の「第二次ベビーブーム」の人たちということになります。
メールやLINEなどの通信手段がある現代で、「連絡帳」というアナログでアナクロなメディアで愛を育んできた出演者の子ども世代にとっては、こういう手法もなかなか胸ときめくものだったのでしょう。相手の顔がわからない恋愛っていうのもなかなかいいものかもしれません。
お話の展開は予想通り進みますが、だからこそこういうベタなお話が現代の若者にとっては新しく感じるんだと思います。
いつの時代でも「恋愛」のきっかけはアナログでアナクロなものほど尊いものだと信じたいですね。
爆風スランプのドンピシャに世代に良いニッチな作品?
宣伝で気になり主題歌でもあるカバー曲を聞いてどハマりしたこと、原曲を聞いていた世代でもあるので見に行くことにしました。
この映画に出てくる大人にほぼ近い世代なので、若い方が見てどう感じるかは未知数ですが、大人側の話がベースというか絡んでいるところに安心感があったし意外!とかサプライズ!とか大袈裟なシーンもなくてもきちんと落とし込める回収が丁寧にされていました。
タイムリープとか記憶をなくす、入れ替わる、などの演出の恋愛モノにはもはや食指がのびず、
深く考えさせられたり感情を揺さぶられすぎたりすることにも疲れた。そんな時にこの映画が上映されていて良かったです。
若い2人を前面に出したプロモーションだった気がするけど、若い人というより人生後半に差し掛かった大人世代がぼんやり見るのに良い作品だと思う。平成のエモさがさりげなく押し付けがましくなく出てくるところ、奇を衒わないすごく気の利いた台詞とかでもないけどほっこりしたりちょっとニヤっとしちゃったり。2人がすれ違っちゃうきっかけがあるんだけどそれも完全善意の友達のお節介行動がきっかけってだけ。嫉妬とか悪い人とかは出てこない。
やや「偶然」の設定が無理やりかな?と感じることがありましたが、作品の柔らかい雰囲気でそこはあまり気にすることなく…。応援をこめて☆4つつけさせていただきます。
強いて言うならもう少し、九段下や千鳥ケ淵のエモさを出してくれたらなあ。
江口洋介さんと飯島直子さんのキャスティングにはすごく納得できた(笑)
平成と令和の2つの時代のラブストーリーが並行して描かれる作品。 本年度ベスト級。
神尾楓珠&桜田ひよりサン目当て。
公開初日に鑑賞客が2人なのに驚く。
そんな作品じゃないのに残念。
2つのラブストーリーには何かしらの繋がりがあるのだろうと安易に予想するものの、その繋がり方が素晴らしかった!
令和パート。
昼はカフェでアルバイトをする美優。
夜は同じお店でバーとしてアルバイトをする丈琉。
この2人がお店の補充品や忘れ物などを共有する連絡ノートが、次第に交換日記のようになっていく感じ。
平成パート。
雑誌の文通募集の記事から繋がった男女の複雑な感じの手紙の交換が描かれる感じ。
鑑賞中、平成パートはやや蛇足と感じるも、結果的に2つの素敵なラブストーリーを同時に味わえた様なお得感があった(笑)
平成パート。
会いたくても会えなかった2人が、たまねぎの「横」で偶然出会うシーンは笑えて泣ける。
令和パート。
最初は反発し合っていた2人が、徐々にお互いを必要とする存在へ変わっていく過程が素晴らしかった。
中野サンプラザの前でのシーンは、個人的にツボだった(笑)
爆風スランプに熱狂していた当時を思い出す。
お目当てのキャストはもちろん素晴らしいけど、江口洋介さんや原田泰造さんを含めた四人の男女の関係性も見応えがあった!
チョイ役でサンプラザ中野さんが登場した時はテンションが上がる!
でもエンドロールでズッコケてしまったのはご愛敬( ´∀`)
あっ、中村航さん
エンドロールを観ていたら、ストーリー原案の所に中村航さんの名前が有って、なんか納得しちゃいました。
中村さん、青春の少し上の世代の青春を描くのが巧い印象なんです。
役者さんは、神尾さんと桜田さんだから安心して観られますよね。
だけど鑑賞前に大きな不安が一つ有ったの、それは曲自体がハッピーエンドではない事なんです。
それでいて、情景が目に浮かぶ歌詞になっているの。
なので、曲の情景は壊さないで、ハッピーエンドにして欲しいという、相反する私の勝手な願望を満たしてくれるのかなと。
結果、大満足でした。
丈流が美優を待つシーンは、曲の情景そのものだし、その後の再会シーンの二人の距離感が絶妙なんですよね。
曲のイメージを壊さず、しっかりハッピーエンドにしてくれました。
それから、この映画で巧いなと思ったのが、連絡ノートの設定です。手書きの文字でのやり取りに不自然さが無いんですよね。
ペンフレンドなんて、ほぼ絶滅してるだろうし、交換日記って時代でもないでしょうしね。
ん!?
そういえば、桜田ひよりさん『交換ウソ日記』って、おもいっきり交換日記が題材の映画のヒロインでした・・・。
交換日記の時代は続いているかもです。
それにしても、手書きの文字ってやっぱり良いですよね。
書き手の思いが綴られている気がして。
なので、このレビューも手書きで書けば、私の感動がもっと伝わるのかな。
それは無理だけど、この映画を含めて好きな作品のレビューは、気持ちを込めて文章を書いているので、伝わるといいな。
関係ないけど、昼と夜の会わない男女のやり取りっていう設定だと、『こちら放送室よりトム少佐へ』が思い浮かぶけど、一度でいいからスクリーンで観てみたいな。
昭和も令和も素敵なロマンス
昔聞いていた「大きな玉ねぎの下で」がこんな風にドラマ化される日が来るとは思いもよらなかったです。良く出来たお話で、昭和の文通相手、令和の交換日記?相手をリンクさせながら、みじんも違和感なくラブストーリーが繰り広げられていきます。昭和のすれ違い、令和のすれ違い。どちらもリアルで面白かったです。「生まれちゃったら生きるしかない」というセリフが妙に突き刺さりました。人生は、色々と迷ってしまうし、とくに今は迷える時代でもありますけど、とにもかくにも前に進むしかないんですよね。時間は平等に流れていくんだから。
しかし窪塚洋介さんの息子さんが、昔のお父さんにそっくり過ぎて、時代が錯綜しているのか?と思ってしまうほど(笑)昭和の服装、ヘアスタイル、体格や振る舞いが、色々と思い出させてくれるアングルでした。令和時代の彼らの恋愛も、強がってしまったり、素直になれないのが若さあるあるだな、と納得。asamiさんが歌う大きな玉ねぎの下で、が現代版で綺麗な曲として心を和ませてくれました。
個人的には、桜田ひよりさんは「祈りの幕が下りる時」から実力派演技者として応援をしていますが、「バジーノイズ」といい、年齢的に恋愛演出起用が多いものの、あまり恋愛系に向いていないような気が今のところしています。すみません、個人的な好みで(^^;
玉ねぎ切った時と同じくらい目が潤む
あ!女性シンガーが歌ってるんだ!なんでだろうと予告編を観た段階では思っていた。
けれどあの穏やかな声が作品とマッチしていて玉ねぎをみじん切りしてる時位に
目が潤んだ。
昭和のいい所をたくさん感じられる素敵な脚本でよくできている。
偶然が重なりすぎても構わない。文通やってたなあ。交換日記やってたなあ、こんな原付あったなあと懐かしさでいっぱいになっていく。
キャスティングも良かった。
放送部の窪塚藍琉の登場からの動きがサイコー!
大人になったらラジオパーソナリティになってて江口洋介とか、元ヤンの救命士が飯島直子とか、ダサいけど優しい夫が原田泰造とか、頑張れ💪マークを手のひらに書いてくれる病弱なお母さんが西田尚美とかピッタリすぎる。
日々の小さなストレスの積み重なりに疲れた心には、こんな優しい映画が沁み渡るのだ。
スマホのやり取りで生じた行き違いとかはもしかしたら手書きの文字で伝えたら本当の気持ちが伝わるかもしれない。対面でちゃんと会って話したら、誤解されなかったかもしれない。
便利さと引き換えに失ってしまった温かい心がこの映画の中には溢れている。
なぜ今頃「大きな玉ねぎの下で」の曲を映画化する必要があったのか。
今の時代に映画化してくれて、感謝しきりだ!
古き良き時代、二人の逢いたい気持ちは、この名曲に乗って永遠に奏でる~
爆風スランプ”大きな玉ねぎの下で”の曲名に沿った映画
今日は「大きな玉ねぎの下で」観に行きましたよ。
爆風さんね。昔は良く聴いてました。
確か ”タイ焼き焼いた” だったかな。
~俺の右手はアンコで真っ黒ぉ。アンコで真っ黒ぉ。~ とか
コミックソングって言うとファンの方から怒られそうだけども、
”大きな玉ねぎの下で”は 武道館の事を示した曲ってのは有名。
歌が出たのは平成元年前後だった様なので、若い人は知らない人も多いのだろうね。
この武道館コンサ-ト繋がりで、まだ逢った事も無い 顔も知らない人と
待ち合わせして逢うって事自体が、今からするととっても新鮮。
今ならスマホで連絡チョチョイのチョイ。
この作品に出て来るカップルは2組。
昭和時代のペンフレンドと、令和時代の日誌フレンドだ。
(昭和カップル)
堤虎太郎(後の丈流の父):役 藤原大祐さん
池尻今日子(病気、後の丈流の母):役 伊東蒼さん
(令和カップル)
堤丈流:役 神尾楓珠さん
村越美優(看護学生):役 桜田ひよりさん
この内、昭和カップルの恋が実は気に入ってて
ペンフレンド募集とか 代理で出したりとか懐かしい。
今なら偽装かよって言われそうだけど。
その当時はそれが当たり前だった。雑誌にペンフレンドコーナ-とかが有ってね。
(*ノωノ) (≧◇≦) ちょっと有名人に成りたくて送る人多かったかな。
虎太郎も友人(府川大樹:窪塚愛流さん)に代わって手紙を送るのだが
途中で多分 写真端の彼女って事に薄々気付く。
直接文字を書くからね 手紙だし。だから筆跡文字、文面の丁寧さで多分
ヤンキー女子じゃない事は直ぐ分かるのだろう。
その後結ばれた二人が丈流の両親で、
父役の原田泰造さんと、母役の西田尚美さんは好演だったと思います。
この母が癌で入院中。この病院の看護学生(看護研修生)が
村越美優なんだな。だから全体的にはそんな繋がり。
丈流の母の事は美優は知っていた訳で。
久し振りにスクリ-ン復帰の 篠田沙紀(カフェ店員)役:山本美月さんを観ましたわ。いつ見ても長い髪でお美しいですよね。
お店自体が夜と昼で入れ替わり、バイト店員がそれぞれカフェ店員美優とバ-テンの丈流となってます。お店の管理日誌にお互いが色々想いを書いているうちに
知り合っていく~展開。この辺りは良い流れと感じた。
最近、パソコンや携帯で常時メール文打ってると、急に日誌なんか書けって言われてもかけない。漢字が出て来ないし、文字も汚いかな。
だから 丁寧な文字で日誌に書いてる二人は エライな。そう思った。
ヤッパリ文字の丁寧さ見ただけで 人柄って分かるもんだと思う。
文体もそうだけどね。
共通の推しと、歌に惹かれて繋がるんだけど、
それだけじゃ無いと思うんだよね。
”ペンフレンド”って言葉に重きを置いて、相手を徐々に知る、知って行く楽しみ。
やがて逢う嬉しさ・・・
そんな事が上手く表現されていたと思います。
ここの所 注目してる桜田ひよりさん。
益々目が大きく輝いてて とってもいい感じ。
前作の”バジーノイズ”といい、今作品といい
次作も音楽絡む作品となるのでしょうか。
大いに期待ですね。
ご興味ある方は
是非 劇場へどうぞ!
"イマジナリーな君"と"リアルな君"
アイミタガイ (つながっている) シリーズ第2段
思いのほか面白く心に残った「アイミタガイ」。
草野翔悟監督作品は要チェックと思ってたら早速新作が公開される。
「大きな玉ねぎの下で」。
予告とキャストから若い人の恋愛もの、すれ違いもの?
いやいやお父さんお母さんにも刺さる巡り会いストーリーでした。
手紙は書いている時も、返事が届くのを待っている間も、封を切る瞬間も、ずっと相手のことを思ってる。
この経験がある人には刺さる刺さる。
「会いたい人には会いに行こう。」
タイムリープなんてしなくても、時代を越える恋愛や友情って描けるんですよ。
キャストが皆さん素敵でした。
あ、この人が、って登場人物が人が自転車直してくれるのかと思った。そこまでするとやりすぎかな。
サンプラザ中野くんはチラッと出てたけど、あの郵便配達の人もそうかなぁと思ってた。)
いい映画、じわっと来た
思ったより面白かった!!手紙の味、時をつなぐ奇跡のお話
アンサーソングならぬアンサー映画An Answer Movie, Rather Than an Answer Song
ストーリーが素晴らしい。
ドラマでは伏線回収が素晴らしいものは
たくさんあるけれど、
一本の映画で伏線回収に
素直に【良い!】と思うものは少ない。
伏線回収が【凄い】じゃなくて【良い!】のだ。
この映画も予告編で、だいぶん見せてくれている
と思ってたけど、
肝心な部分は本編で観れるようになっている。
この映画のもとは言うまでもなく
爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」だ。
調べると、アルバムからシングルカットしたものを
大学生の時に聴いていたようだ。
この時のキーはEメジャー。
ずいぶん切ない歌だなと当時思ったのを覚えている。
好きになった娘と上手くいかないなんて、
誰もが覚えのある体験だったし、
「そうか、来なかったか〜」と、
初めて大きな玉ねぎを直に見た時
この曲が脳内再生された。
でも映画本編で流れたのは、
Fメジャーで、あれ?半音高いとなった。
元のアルバムのキーがFだったようだ。
今回初めて知った。
一瞬、また、記憶とキーが違うのかと思ったら
そうじゃなかったので少しホッとした。
何せ劇中で桜田ひよりさんが演じてた
村越美優が鼻唄で歌ってたキーが
たぶんEメジャーだったから余計に混乱したのだ。
ストーリーは、この曲の
アンサーソングというか、
アンサー映画になっている。
どう答えになってるか、
是非観てください。
The story is wonderful.
While many dramas excel in foreshadowing and payoff,
there are few movies that make me genuinely think,
“That was good!” rather than just “That was amazing!”
This film, too, seemed to reveal quite a bit in the trailer,
but the most crucial parts were reserved for the main feature.
Needless to say, this movie is based on Bakufu Slump’s “Ōkina Tamanegi no Shita de” (Under the Big Onion).
Looking it up, I found that I first heard the single version back in college.
The key at that time was E major.
I remember thinking how heartbreakingly sad the song was.
Not being able to be with someone you love is a feeling everyone has experienced.
“So, she didn’t come after all…”
When I first saw that big onion in person,
this song immediately started playing in my head.
But in the movie, the version that played was in F major.
“Wait, it’s half a step higher?”
It turns out the original album version was in F.
I had never realized that until now.
For a moment, I thought my memory was failing me again,
but thankfully, that wasn’t the case.
After all, in the movie, when Hiyori Sakurada’s character,
Miyu Murakoshi, was humming the song,
it was probably in E major.
That only added to my confusion.
The story itself serves as an answer song—
or rather, an answer movie—to this song.
How does it serve as an answer?
You’ll have to watch it and find out.
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