「昭和世代こそ幸せな気持ちに」大きな玉ねぎの下で saiko *さんの映画レビュー(感想・評価)
昭和世代こそ幸せな気持ちに
恋愛モノは得意ではなくなった私ですが、昭和世代もハマるとのレビューをみて映画館での鑑賞を決めました。
本作で描かれる、まさに年頃だからこそ感じる淡い恋心や迷い、些細な出来事に傷つきながらも懸命に決断していく若者たちの姿は、その初々しさと純粋さで、乾いた心に潤いを与えてくれました。
自分の息子や娘の成長と重ね合わせ、深く共感する親世代も多いのではないでしょうか。
過去の描写に触れるたび、遠い記憶の彼方に置き忘れてきた私自身の青春が鮮やかに蘇り、胸いっぱいのノスタルジーに包まれました。
その心地よさは、自分の心がどれほど潤いを求めていたのかを改めて気づかせてくれるほどでした。
特に、江口洋介さんと飯島直子さんの配役が、当時との時代背景、そして価値観の違いをじんわりと心に染み込ませてきます。
まさに昭和世代だからこそ深く味わえる、そんな作品です。
そして、劇中で流れるあの名曲は、もちろんカバーも良いですが、やはり本家が最高ですね。「九段下の駅を降りて坂道を……」
この監督の作品を今回初めて鑑賞しましたが、とても素敵な作品でした。
幸福感やノスタルジーの先に……きっと現代の「人との繋がり方」に、優しく訴えかけているのでしょうね。
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