ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
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やり直したかったのはどっち?
離婚届け前に急死した旦那を偶然のタイムリープで運命を変えようとするお話
ファンタジーな部分より恋愛要素が強いと気にならなくなるのだが、今回はファンタジーの部分の細かい部分が気になってしまい物語に入れなかった
しかし運命を受け入れて愛を貫く姿勢はやはり美しい
泣く人が多かったのも納得
松村さんの演技の幅に感心
松さんのドタバタ劇は面白い
芸人とコントしたらかなり映えると思う
出会った頃の二人で、もう一度幸せになろうよ。
公開からかなり経つのに、結構、人入ってました。メンズデイって事があるかもしれないけど、中高生と思われる男子のグループが何組かいたのにビックリ。アイドルが出てればまだ解るけど、自分たちの若い頃には、この手の映画をみんなで見に行こうなんて考えもしなかった。
とは言え、作品自体はとても楽しませてもらいました。オヤジもキュンとして、ウルッて感じ。
映画が終わって、外に出た時に男子のグループから、俺は一生愛するけどな・・・なんて、声が聞こえてきてニンマリしちゃいました。
年代によって見方も変わるでしょうね。自分は身に詰まされる思いで、スクリーンに魅入っちゃいましたが。
離婚を決意していた2人だったが、線路に落ちた人を救おうとして、旦那が急死してしまう。元々、別れを決意していた妻(松さん)だから、それほど悲しんでいるようにも見えなかったが、ある事故が原因で2人の出会った日にタイム・スリップしてしまい、若き日の旦那(松村さん)と接触してしまった。
何気ない会話を交わした2人だったが、元の世界に戻ってみると微妙に歴史が変わっている。もしかしたら、旦那が死ななかった未来ができるんじゃないかと、妻は再び過去に戻ることとした。
【ネタバレ】
過去に戻って、未来を変えようとする話は今までに幾つか見たような気がする。本作品においては同じ日にタイム・スリップするため、1日で全てを行わなければならない。これってかなり難しいと思うんだけど・・・
何度も失敗を繰り返し、1からの積み重ねを何度も繰り返す。同じ会話も少しずつ変化させて進展を早めるような。
だが、どうしても助けることができない。さらなる悲劇を生む結果になる事もあった。しかし、過去に戻ってやり直せば、何度も違う未来にする事ができた。でも、彼が死から免れることはない。
もうタイム・スリップも出来なくなるだろうと思われた時に、彼は未来を知ることになる。自分が死ぬという事、離婚するという事。
未来の彼女を愛した彼は、この想いを持ち続ける。15年後の彼女に辛い思いをさせないために。
いや〜、予想以上に楽しめました。全体的にコミカルな感じで展開していきますが、要所要所のセリフで、夫婦についてじっくりと考えさせてもらいました。
そういえば、うちも会話が減ったな〜。
改めてカミさんが愛しくなる一本でした。
邦画のタイムリープもので満足した
コミカルなところもありつつちゃんと恋愛映画でSF要素もきちんとおさえていてバランスはよかったです。
マンネリ夫婦が見ても何も変わらないとは思うけど、旦那さんの方がかなり努力しないと難しいだろうし、マンネリ化させない努力の大変さと根気強さは共感しかないけど、相手も同じ温度で努力出来ないと片方の根気が折れちゃうと完全破綻しちゃうんだよね〜と思いながらラスト10分くらいはみてました。
あんなに美しくは仕上がらんやろと思ったけどそれも込みでバランス良かったです。
SFガチ勢は設定とかに多分モヤモヤしちゃうのでオススメはしないです。
夫婦の生態は大体こんな感じ
映画自体は単純な感じですが、感情描写が豊かで女性的な映画だなと思いました。
夫婦を題材にしているので、彼氏や彼女と結婚したい人、夫婦でも見ていて面白いかもしれません。ただ、中盤の過去に何度も行ったり来たりする部分が冗長です。
夫婦の解像度が高く、男性という生態(記憶がフォルダ的でケースごとに分けられている)、女性という生態(記憶がレイヤー的で総合的に考える)、それぞれの解像度も合わせて高いので、夫婦がすれ違う理由も分かりやすく描かれていると思います。
夫が不慮の事故で亡くなるのですが、その事実は映画を通して変わることはなく、それがまた一段と悲しいものです。
過去の夫に会いに行く時に妻がタイムリープをするのですが、タイムリープを二度重ねてもオチが変わらない時点で夫は「死」というものを受け入れている事実が切なかったです。
妻を残して死ぬというところは、夫の不変的な彼が持ち合わせる道徳や倫理的な価値観に組み込まれているもので、妻にはどうにもできなかったわけでしょう。ただ、妻側としてはその事実を受け入れたくはなかったでしょう。それも分かります。「お前にも、守るもんはあるのに、易々と命を捨てやがって」と言いたくなる気持ちは分かります。
終始共通している部分としては「夫も妻も、お互いなりに愛していたということ」。
ただ、お互いに謝らない、ごめんと言わないとか、そうした積み重ねで序盤に出てきた過去改変を全く経ない夫婦は完全に冷めきっていて、後半に過去改変を何度か経た夫婦は明らかに夫婦としてのコミュニケーションを上手く取れている状態に改善していました。愛の表現や言葉で伝えるという行為を怠らなかったからだろうと勝手に推測します。
特に、妻が若かりし夫に「あなたは勝手にベッドを部屋に買って、ふさぎ込んだ」というシーンがありました。後半の、夫が変わるきっかけになった一言だったかもしれません。そこから夫は「確かに自分が悪い」と非を認め、妻は幸せそうに未来へと帰っていきます。妻としては過去の夫に言いたいことを言えて満足だし、確実に未来で変化がある(でも夫が死ぬのは変わらない)というものを受け入れたのかもしれません。
ただ、後半は妻がタイムリープをしていた事実を忘れたかのようにパタリとその表現が消えて、夫側の視点に変化するので、そもそも妻はタイムリープをするという未来の事実を知らぬまま夫の死を受け入れたのでしょうか。
タイムリープをする際の仕掛け、当て馬のような女性などは設定などがあっさりしていました。とはいえ、もたらされるものは唐突ですからタイムリープをなぜできるようになったのかやタイムリープができる仕組みなどについてはそこまで深く設定する必要なはなかったのかもしれません。当て馬の女性は未練がましく何言ってんだ、なくらいですが。(笑)
正直、死を容易く使う映画はあまり好きじゃないですし、今回のその映画のオチとしては正解なのかもしれませんが、個人的にはフィクションといえど死への扱いの残酷さを見たような気もします。そもそも、誰か大切なものが亡くなった時、残されたものはそこで「時が止まってしまう」わけですから。心情変化の描写が分かりやすく、部屋の中が綺麗になって背景も明るい色になっていたりと、明白でした。
松たか子さんが食べていたパンは、ヤマザキのパンかな~…?
良かったですでもごめんなさい
会話なく冷え切った仮面夫婦の妻です。
ほんわかしたかったけどそうならなかったです。松さんと松村さんの演技は最高に良かったです。ストーリーとしては共感出来ずでした。
そもそも離婚届出すところまで行き着いた夫婦で、夫が自分より他人を守ったゆえ命を落としたことに怒ってて、餃子焼く前に戻りたい思いから偶然タイムトラベルして、過去を書き換えて夫を死なせなくするため奮闘、自分と結婚させないよう仕向けようとしてまでって、それはもう愛そのものじゃないですか。認めたくなかった、向かい合う気力がなかったけど何だかんだカンナは駈に愛があったのですよね。そこがうちと違うな。私ならタイムスリップ出来たなら夫と結婚しないようにするかなぁ。
でもそうすると可愛い子どもたちに会えないからそれは困るなぁ、それだけかも。
それから自分の死を知った駈は残りの15年間カンナを大切にして幸せな夫婦で過ごしてやはり運命で逝きますが、結婚したカンナはタイムトラベルしてないカンナであって。このカンナは夫婦生活が幸せだったので駈の死に怒ってない、だからタイムトラベルもしない、15年前の駈にも出会わない、昔自分が何度もタイムトラベルして駈を救おうとしたことすら知らないまま…駈だけ自己満足的な気がするけれど、駈とカンナの一つのハッピーエンドの形、ということで良いのかな。もしこのカンナもタイルトラベルするとしたら、今度こそ駈が死なない世界線があるのかもと。そこは各自の想像で…なのかな。映画のハッピーエンドならその世界線がいいな。
未来は変えられるのか?結末は?
夢のような時間いただきました
4回観ました
観る優先順位は
低かったけど、観て良かった。
死んでも良いからあなたと一緒の未来が良い
なんて俺には言えないかなとか
思いながら見てました。
やり直したいけど人生やり直すこと
出来ないので、精一杯生きようとも思った
そんな映画でした。
撮影代すごく節約できそうなつくりなのにそこが面白い。
やっと見れたー。花粉症で大ダメージの目と鼻がもうぐっちゃぐちゃだよ。終わりに近づくに連れて周りからもすすり泣きが。
結末を変えたくて未来を変え続けるループものなんだけど、ループしてる松たか子のキャラクターが明るくて可愛くて、こんなの好きになっちゃうよ。
松村北斗も早口の古生物オタクしてる時や、恋しちゃってる顔とかもう、色んな表情が魅力的ですごく良かった。
ほぼこの2人の芝居を見てるだけなのに飽きないしハラハラするし、時々笑えるし、場面も決まったシーンばかりなのに色んな角度から見れて面白い。かき氷美味しそう。
タイトル回収でも泣いたし、二人の間に信頼関係がしっかりあるのがすごく伝わってくるのも良くて。夫婦って夫婦であり続けるだけでも努力が必要なのですよ、真理だわ。
細かい小ネタや小道具やらもカンナと駆のそれまでの生活やバックグラウンドを見せてくれて良かったなー。あと遺影⋯。
ほんの二言で、オマエジャナイ感を出してくれたりテンポがすごく良かったw
パンフレットまだ読めてないので読んだら感想書くけど分厚いし装丁凝ってるしなんかすごいぞ。
どこがいいとかではなく全部良い
2人の演技力の賜物
一人の登場人物をフォーカスする場面や綺麗な景色の場面などあり綺麗...
松村北斗さん良すぎ
意識があれば、大丈夫なのか。
変わると知りながら
慣れてくると当たり前になって
無になってしまう。
せっかく出会えて恋に落ち合って一緒にいられているのに
そうなってしまう流れに共感でき少し怖かった
けれどもすぐあたたかい気持ちになれる結婚もあるのも知っている
松村北斗さんは声も変えながら年齢の違う表現が上手い。
後ろ姿でも感情がわかった
正直そこまで刺さる言葉はなかった
松さんのおてんばで自由な感じ、とても良い
けれど湧き出る感情は苦手みたいだ。
そこはとても繊細な感情の揺れを松村さんがしていた。
松さんは受け取っていたように思う
構成の巧みさと本筋の深さに驚愕も‥今年外せない邦画の代表作に
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが遅くなりました、スミマセン‥)
(正直に言うと、坂元裕二さん脚本の連続ドラマはメタファーの過剰さと本筋になかなかいかないまどろっこしさで最近は私的は苦手な作品の方が多かったのですが)
今作の映画『ファーストキス 1ST KISS』は、構成の巧みさと本筋の深さにとにかく驚かされました。
今年外せない作品で今年を代表する邦画になることは間違いないのではと早くも思われています。
今作はどこを切り取っても凄さが垣間見えるのですが、例えば、舞台美術スタッフの世木杏里(森七菜さん)が、<過去と現在と未来のミルフィーユ>の話をする場面がその1つに当たると思われます。
もちろん、世木杏里が話した<過去と現在と未来のミルフィーユ>の話は、この映画そのものの構成の話であり、主人公・硯カンナ(松たか子さん)が15年前の過去に戻った時に、硯駈(松村北斗さん)とかき氷屋の前で話す内容の伏線になっています。
ところが一方で、世木杏里が中学生の時に<過去と現在と未来のミルフィーユ>のSF小説を書いたというエピソードは、世木杏里が後に、違和感なく演劇のスタッフになったと思わせ、そこに至る世木杏里の人生の道筋を観客に想像させる表現場面にもなっているのです。
この1つのエピソードから、人物背景や他の人物や場面に様々繋がって行く物語構成の重層性は、今作のあらゆる場面にちりばめられていたと思われます。
例えば、テレビ局プロデューサー・田端由香里(YOUさん)らが、主人公・硯カンナのマンションの前で、硯カンナの夫・硯駈が駅のホームで自らの命を顧みず赤ん坊を救出した件に関するドキュメンタリー番組の許諾を、主人公・硯カンナから取ろうとしてる場面にもそれが当たると思われます。
もちろん、テレビ局プロデューサー・田端由香里が番組の許諾を取ろうとして話している”夫婦の愛”の美談のコンセプトは、現実は主人公・硯カンナと夫・硯駈は既に夫婦関係が破綻していたので全くズレ切っていて、(昨今言われている)浅いTV局などのメディアへの皮肉として伝わるのが、この場面の趣旨だと思われます。
しかしながら、ズレ切った主張でも、マンション入り口前で足止めされながらでも、必死にストーリーボードを見せながらドキュメンタリー番組の趣旨を説明しているテレビ局プロデューサー・田端由香里の背後に、この時までに田端由香里がやってきただろうテレビ局内での会議や準備の積み重ねの労苦が垣間見えるのです。
つまり今作の映画『ファーストキス 1ST KISS』は、些細なちょっとした場面でも、そこに出て来る登場人物を主要人物を引き立たせるための道具のように蔑ろに扱っていないのです。
そして、出て来る登場人物はほぼ全て、背景を想像させる生きた人物として存在し登場しているのです。
例えば、硯カンナの夫・硯駈がホームでの救出劇で亡くなった後に、天馬里津(吉岡里帆さん)が主人公・硯カンナを訪ねて来る現在の場面があります。
天馬里津は、かつての硯駈の恩師である天馬市郎教授(リリー・フランキーさん)の娘であり、本当ならば硯駈と結婚したのは自分(天馬里津)の方だった、自分なら硯駈を死なせなかったのにと、最近すれ違った時に硯駈の襟が黄ばんでいた話をしながら、硯カンナに対して批判的に話をします。
そして主人公・硯カンナも、そうかもしれない、自分と結婚していなければ硯駈は死なずに済んでいたのではないかと、天馬里津の話を受け止め、その後の過去に戻った展開もあった場面です。
しかし、硯駈が恩師の天馬市郎教授の娘である天馬里津と結婚しなかったのは、硯駈が主人公・硯カンナと出会ったからだけが理由ではありませんでした。
硯駈の恩師であった天馬市郎教授は、一見人当たりが良さそうで知識も深く、当然、硯駈が引き続き恩師として従っても良さそうな人物として描かれています。
しかし、学会の準備での細かい天馬市郎教授による硯駈への苦言は、天馬市郎教授と硯駈との関係性のほころびを現わしていたように思われます。
硯駈はちょっと変わった感覚の持ち主で、そのことは15年前の過去の場面でも垣間見せていたと思われます。
そしてこのまま行けば、(学会準備で示されたような)常識的な考えを無意識にでも強く促す天馬市郎教授との硯駈の関係は、破綻していただろうとも想像がされるのです。
つまり、硯駈が亡くなった後の、現在での主人公・硯カンナと天馬市郎教授の娘・天馬里津との対峙の場面は、硯駈と天馬市郎教授とのもしかしたらあったかもしれない並行世界での(結局は破綻していただろう)対峙を想像させる場面に、実はなっていたのです。
ここに上げた場面に限らず、今作の映画『ファーストキス 1ST KISS』は、あらゆる場面でそこから様々な人物や場面につながって立ち上がる、複雑な構成がそこかしこになされていたと思われました。
この作品の脚本構成は、考える限り最高点で見事な構築だったと言わざるを得ないと思われました。
その上で、本筋である、主人公・硯カンナと夫・硯駈との、過去と現在の描写の深さも素晴らしさがあったと思われました。
主人公・硯カンナは、実はちょっとクセある人物として造形されています。
硯カンナは現在、舞台の美術スタッフとして働いているのですが、舞台出演者に対して裏で割とあけすけに辛辣な事を言っていたりします。
舞台の出演者のペットの現場への持ち込みに批判的で、硯カンナ自身も犬が苦手で、15年前の過去に戻った時には大型犬に囲まれて大変な目に合ったりしています。
この主人公・硯カンナの少し人とは違うクセある性格は、こちらもまた周りとは少し変わった感覚の持ち主の硯駈にとって実は勇気づけになっていたと思われるのです。
主人公・硯カンナのクセあるあけすけな言動は、人とは少し違う硯駈の存在を肯定し、硯駈が主人公・硯カンナに好意を寄せ結婚に至るのは、全く持って必然だったとも思えるのです。
硯カンナの方もまた、クセある自分がそのまま肯定され、少し変わったところはあっても誠実さある硯駈に惹かれたのも必然だったと思われるのです。
そして一方で、主人公・硯カンナのクセあるあけすけな言動はまた、コインの裏表の反転のように、あけすけだからこそ硯駈を傷つけ追い詰めて行く要因にも、その後なって行ったと考えられるのです。
この主人公・硯カンナと硯駈とが互いに惹かれ合う理由と、互いに溝が出来て断然して行く理由とが、コインの裏表で同じだというのも、この作品の深さと凄さがあったと思われます。
そしてこの事は、夫婦の(本当は修復可能かもしれない)ちょっとしたことでの亀裂が、深さを持って普遍的に表現されていたとも思われるのです。
なので事情を理解した15年前の硯駈は、逆にちょっとしたことでの夫婦関係の修復にその後挑戦することになります。
その後、結局は大きな運命の結論は変わることなく映画は終わりを迎えます。
しかしながら、主人公・硯カンナと夫・硯駈の2人にとっては、重要な修復がそこでは実現していました。
1観客としては、本筋の主人公・硯カンナと夫・硯駈の主要な2人の関係性の描写においても、深さを獲得している素晴らしい作品だと思わされました。
映画作品において、脚本物語構成の厚みがある優れた作品も少なくても存在しますし、一方で、本筋の主要人物の関係性の深さがきちんと表現されている優れた作品も存在していると思われます。
しかしながら、脚本物語構成が分厚いままで、かつ本筋の主要人物の深さが同時に表現されている作品は、めったにお目にかかれないのではないかと思われるのです。
しかも今作は、実話ベースでないほぼ全くのフィクションの映画であり、それでいてこのレベルの構築の厚みと人物描写の深さある作品は奇跡に近いのではないかと、僭越思わされました。
よって私的には今回の点数となりました。
おそらく今年の邦画の代表作になるのではないかと予感がしていてます。
今作の映画『ファーストキス 1ST KISS』は、その上で、クセある主人公・硯カンナや人とは少し感覚が違う夫・硯駈だけでなく、少し普通とは違う人物の存在をそれぞれで肯定しようという根底が流れているようにも感じました。
それは、一見すると否定的に描いてるように思える天馬市郎教授やテレビ局プロデューサー・田端由香里も、(演じているリリー・フランキーさんやYOUさんの表現と相まって)実にある一面ではチャーミングに肯定されて描かれていたと思われました。
ところで映画のタイトルにもなっている『ファーストキス 1ST KISS』ですが、映画の最後に15年前の過去で、主人公・硯カンナと硯駈が交わすキスは、2人にとって硯駈のファーストキスでありながら、硯カンナにとってはラストキスでした。
この重層性も、今作の最後の感動をその後の2人の歩みを象徴した場面として高めていたと思われます。
この運命の厳しさを踏まえた上の人間賛歌とも思える今作が、普段ウェット気味とも思える坂元裕二 脚本に、さばけたドライ感もある塚原あゆ子 監督の演出により、間口の広さと構成の厚みと主要人物描写の深さを併せ持った作品として、世に公開された事は、素晴らしさ以外になかったと、僭越思われました。
リアルな夫婦
『ファーストキス』観てきました!
主人公と同世代の既婚者は、きっと色々共感できる部分があるんじゃないかな〜と思いました。
倦怠期を迎えて離婚寸前の夫婦が、タイムリープで過去に戻るっていうストーリーなんだけど、「若い頃に戻ってまた夫に恋する!?」みたいな展開は、現実にはなかなか無いかも(笑)。
でも、非現実的ではあるんだけど、坂元裕二さんの脚本が本当に素晴らしくて、長年連れ添った夫婦の空気感がすごく出てて、引き込まれちゃいました。
あと、松村北斗さんの40代の男性を演じる時の、ちょっとした咳払いとかが、妙にリアルで、「うちの夫もこんな感じ…!」と思ったり(笑)。松村北斗さん、これからもっと活躍しそうな役者さんですね。
全体的に、笑えるところもあれば、考えさせられるところもあって、すごく面白かったです。夫婦の在り方を少しだけ見つめ直せる映画でした!
会話劇
全768件中、101~120件目を表示









