ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
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階層を行き来できるのは、そこに迎える資格を有したからなのかもしれません
2025.2.7 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(124分、G)
未亡人が15年前の夫と再会し、彼の死を止めるために奮闘する様子を描いたラブロマンス映画
監督は塚原あゆ子
脚本は坂元裕二
物語の舞台は、都内某所
不動産屋で勤めている夫の駈(松村北斗)は、駅のホームに落ちた人を助けるために飛び降り、そこで命を失った
妻のカンナ(松たか子)は英雄の妻という扱いに困惑するものの、それは破綻した夫婦関係があったからで、その日は離婚届を提出する日でもあった
ドラマ化の話などで盛り上がるものの、カンナ自身は冷めていて、日常生活に還っていた
彼女は舞台の美術スタッフとして働いていて、かつてはデザイナーを夢見ていた
駈の方も古生物学の研究員だったが、結婚を機にサラリーマンへと転職していた
些細な指摘から始まる諍いは、最終的には無言になり、言葉を交わすことも無くなった
そして、とうとう離婚を決意することになったのである
物語は、ある日の夜に仕事場から呼び出されるところから動き出す
首都高を走っていたカンナは、トンネルの崩落事故に巻き込まれそうになるものの無事に回避する
だが、トンネルを抜けた先は見知らぬ場所で、いきなり少女(山田詩子)にポラロイド写真を撮られてしまう
一緒に居た少年(山田暖絆)も訳のわからない存在で、カンナはその道の先へと向かうことになった
そこにあったのは星ヶ丘リゾートホテルの敷地で、新婚カップルが結婚式を控え、新しいウェディングベルのお披露目が行われようとしていた
カンナを見かけた支配人の鳩村(神野三鈴)は従業員に連絡をし、カンナは逃げるようにその場を飛び出した
そして、あるクッションスペースに飛び降りたところで、15年前の夫と再会してしまうのである
映画は、その日の半日だけに行き来できるタイムリープのような構成になっていて、現在のカンナとの接触によって、微妙に未来が変わっていく様子が描かれていく
それによって、駈が死なない未来を作り出せるのではないかと考え、カンナは様々なことにトライすることになった
だが、何をしても事故は防げず、場合によっては更なる大事故を引き起こしてしまうことになってしまう
これらの現象は、映画では「ミルフィーユ」と呼ばれていて、過去も現在も未来も同時に存在しているという理屈になっている
そこを行き来できるようになったのがカンナなのだが、前述の少年少女も15年くらい前から来た駈とカンナのようにも思える
そして、本作の面白いところは、ラストチャンスの時から、駈目線に変わっているところだと思った
これまでのチャレンジは全てカンナ目線になっていて、彼女が起きるところなどから始まっていた
そんな中で、一度だけ「ホテルで目覚める駈」から物語が始まり、それがラストチャンスの近くのチャレンジになっていたと思う
そして、カンナがどこから来たのかがバレて、自分がどのような死に方をするのかを知っていく
さらに、結婚生活がどのようなものだったのかを知ることによって、その先の未来が変わるという感じに紡がれていた
映画のラストは、離婚しなかった世界線を描いていて、駈が残した手紙をカンナが見つけるというエピソードに繋がっていく
彼が手紙を書くときには、手元にポラロイド写真があるのだが、あのホテルの会話のときに入手したものだろう
駈はその写真を見るたびに、カンナが苦しんだ結婚生活を思い出し、離婚しても良いから生きていてほしいという彼女の想いを受け止める
一方の駈は、死んでも良いから離婚したくないと考えていて、その想いが交錯することによって、あの世界線が生まれたのだと思った
映画では、駈が自分の死について知ったことによって、その時点で離婚しない世界線が生まれている
なので、それまでに何度もリープしたカンナは消えてしまい、彼女自身の記憶からもそれが消えているように思えた
事故の日のことを知っているのは駈だけで、それゆえにカンナの死の受け止め方が変わっているのだが、そうなる方が自然な形なのだろうか
事故死をするという運命を受け入れた駈にとって、離婚をしないという結婚生活を手に入れたことは、神様のギフトのようなものなのかもしれません
いずれにせよ、よくあるタイムリープものではあるものの、着地点が珍しいタイプの映画だったと思う
タイプリープを繰り返して、最後の日以降に事故のことが記憶から消えた理由はわからないが、駈の行動が変わり、離婚が回避されたことで、これまでに抱えていたはずの死の受け止め方というものが変わっている
ある意味、結婚生活を取り戻すという物語にもなっていて、それが夫の行動が変わったからなのかはわからない
カンナの記憶が消えた理由は言及されないが、あの出来事全てが崩落事故に巻き込まれた彼女が見た夢という可能性もある
その後悔の念のようなものが階層を飛び越して15年前に戻り、その出来事によって、駈もカンナも幸せな時間を取り戻したのかもしれない
だとするならば、カンナ自身も駈の事故死後に崩落事故に巻き込まれていることになるので、それはそれで悲劇的な解釈になるだろう
だが、二人がすでに死んでいることで階層を行き来できるのだとしたら、謎の少年少女があの世界線に来れる理由もわかるような気もするし、後半の夫目線の物語は「駈がタイムリープした物語」だったと考えることもできるのかな、と感じた
大人の女性に刺さる映画
奇跡とか劇的ということ
お取り寄せの餃子が3年待って届いたけれど
注文していたこと自体忘れてた。
けれど届いたことで小さな幸せを感じる。
それはそれで幸せ。
人間が生きていく人生のなかで。
人それぞれ幸せの価値は違うと思うが
過去に戻って未来を変えることが劇的、奇跡と思うか
はたまた今、この当たり前にある日常がなんなら劇的な出来事でそこに大好きな人と一緒にいれてるということが奇跡だとするならば
いまある日常がなんてとうといものだろうと
気づけたし、有難いなぁと思えた
そんな気付きを得られる作品です。
この世には赤い糸があって
どんだけ未来を変えようとしてもその赤い糸、運命って言うところは変えられないっていう
あなたの隣にいる人はそういう人だよって
教えてくれる映画です。
大切なひとと一緒に観てはいかがでしょうか?
私は鳩サブレーを、食べてる時が幸せです。
そんな小さな幸せが劇的で奇跡です。
松村北斗がいるのも相まって、まるで新海誠の実写版のような真っ直ぐな...
松村北斗がいるのも相まって、まるで新海誠の実写版のような真っ直ぐな愛の世界。坂元裕二脚本に共鳴する松たか子。つまらないわけがない。
タイムトラベルして過去を書き換えるというありふれた設定だし、愛の始まりは同じであることを確かめ、終点は書き換えられようが書き換えられまいが…となっていく展開もまあ予想はできるんだけども、とにかく脚本が面白くて、すっと心に刺さるセリフも緩急つけて入ってくる。
そういう少し変なというか敬語混じりで少し浮き世離れした脚本を演じるに足る役者として、松たか子は本当に合ってる。こればっかりは天性のもので、宮﨑あおい✕吉沢亮ではこういう脚本とは相性が悪かったんだなと改めて思わされる。
美しいのに醜い部分も演じられる。若かりし頃の松たか子が出てきた時の高揚感。犬に絡まれる松たか子。安いTシャツにも味が出る松たか子。独り言を言ってるのに、独り言を言わされているように思えない松たか子。
巻き込まれ型の松村北斗も上手いなあ。手紙のシーンの涙演技はうますぎてびっくりした。声優の所業。
2人が住んでた家の螺旋形のような家具や、かき氷などのメタファーが今回も効いている。タイトル回収のファーストキスの意味を噛み締めてからの手紙で大号泣。
森七菜も良かったよ!
私事ながら、新婚で夫婦一緒に試写に及ばれしたので、そういう意味でも生涯忘れられない1本になったと思う。
松村北斗が良作にしてくれた
やり直し
最後が1番良かった。途中なん度も繰り返すタイムループに若干飽きましたが終わり良ければ全て良し。
ラストは泣いてる女性がチラホラ。
あんなに頑張ったのにやっぱりダメでしたね。なんでなんだろ?
でも仲良く終われた進化だけでも良いのか。だって良い思い出に変わったのだから。
どの層にもオススメできる作品
2人の会話でクスッと笑わせてくれる
公開されたらもう一度見に行きます
試写会で見てきましたが、ありがちな既視感のあるストーリーではあるけど退屈にならなかったです。この後こうなるんだろうなみたいなのが想像できても気付いたら泣いてしまっていました。老けさせたり若返らせたりする特殊メイクやcgが上手くてそこにも感嘆してしまいました。撮影場所の風景がすごく綺麗なところもいい。女性の監督なのもあって若干女性受け重視な感じのストーリーでしたが、恋愛映画は基本的に女性受けが重要なためそこは目を瞑ってもいいかなと思いました。運命の人とかを信じる人はよりこの作品を楽しめると思います。なにより、また恋がしたくなるストーリー。恋人などに限らず周りの人の存在の大事さを再認識させられるストーリーでした。
5年後にもう一回見たくなる
45歳女性の理想的、シュタインズ;ゲート
試写会で見てビックリ!
内容が、まるで45歳の女性版のシュタインズ;ゲートだった。
シュタインズ;ゲートとは2011年にAT-Xで放送され、その後、映画化、その続編も放送されたアニメで、いまだに多くのファンを持つ。
もちろん、SF要素は弱まり、キャラクターもかなり弱い(リアリティーがあるとも…)が非常にストーリーは似ていて、何度も現代と昔を行き来して、亡くなるはずの愛する人の未来を変えて、死なないようにしようと奮闘するというお話。
まあ、それは良いとして、ちょっと気持ち悪いのが、おばさんの理想的な感じ、つまり15年前の昔に戻って、まだ20代の男前の時の夫から、おばさんが告白されるという、現実には「いや、ありえないだろ!」的な感じがちょっと・・・
いやしかし、そう感じるという事は、美少女が老紳士を好きになる的な話も…、まあ、おばさんよりは可能性が高いものの、同様に女性にとっては気持ち悪いんだろうなと思った。
ちゃん、ちゃん。
PS,本家のシュタインズ;ゲートでは二人の年齢差が開いてるわけではありません。
愛のお話
素敵すぎるストーリーで私にとって大好きで大切な作品になりました。令和のアバウトタイムって感想をチラッと見かけたけど分かる。私自身1番好きな映画が「アバウトタイム」なのでドンピシャでハマった。でもタイムトラベルものが苦手な人でも観てほしい。想像以上にボロッボロに泣いた。笑えるシーンも散りばめられててボロッボロだけど幸せな余韻。今ある環境や幸せや受けてきた愛を改めて感じられたし、その幸せをもっと深く愛したいって思える作品。些細なことにも愛がすごく詰まっていて、愛を伝える方法ってこんな形もあるんだという発見もありつつ、人を愛するって素敵なことだなと思いました。松村北斗さん演じる硯駈の言葉ではうまく表現できないような絶妙な心情をとても自然体なお芝居で表現していて素晴らしかったです。表情で魅せるのがすごいです。お二人の20~40代の演じ分けが素晴らしいです。特に声色。映画館に通いながらこの作品をもっと深く知れる日々が楽しみです。この作品に出会えて本当に幸せです。坂本裕二脚本×塚原あゆ子監督、本当に最強すぎる。ずるい!もっと硯駈さんを浴びたい!映画館に通います。人生一の作品に出会えました。
魔女、松たか子。
乙ゲーをする松たか子
舞台挨拶中継付き試写会にて鑑賞。
坂元ワールド炸裂の言い回し。
好みが分かれると思いますが、私は大好きです。
大切な人を思い出す様な作品で、感動して涙する方も周りにはいらっしゃいましたが、クスりと笑えるシーンも多かったです。
タイムスリップした先で、松たか子さんが色々試みる姿は乙ゲーをしてるみたいでした(笑)
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