ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
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タイムリープへの論理的整合性
線路に落ちた子供を助けようとして自らは命を落としてしまった夫を、時間を遡って助けようとする妻のお話です。公開直後から絶賛コメントが溢れているのに、こんな事言うと「つまらぬ事に拘って」と言われそうですが。タイムリープ物語は、過去を変えたらその後の世界はどうなるのかというタイム・パラドックス問題をどう片付けるのかと言うのが大きなテーマとなります。近頃では、無数の世界が並行して存在していると言うマルチバース世界観が大はやりですが、これを用いればどんな展開でも「あり」となり、死者すら生き返る事も可能となるので、映画では禁じ手であるべきだと僕は思います。
一方本作では、タイムリープ世界の論理的整合性への配慮がが余りにいい加減で、突っ込み所の乱れ打ちとなり気持ちが萎えてしまいました。作者は、ストーリー展開の都合の為だけに時間をいじくっている様に見えます。
更に、夫の判断に対して、「人助けか自分の家族か」という二項対立の立て方にも違和感を覚えました。「怪物」に続いて坂元裕二作品に異議ありです。
タイムリープものとしてではなく
ラブストーリーの最重要ポイント
映画としてはそりゃ面白い。セリフのひとつひとつも、いつもながらに一時停止をしてメモを取りながら観たいようなセリフばかり。人間の描写も一人一人良い、面白い人達が出てくる。坂元裕二脚本なんだから…そりゃあそうなんだよ。面白く無いということはまず無いんだよ。
初めて坂元裕二のSF作品観たよ。なかなか忙しい主人公だったけど、そりゃなんとか出来るもんならなんとかしたいからそうなるのも納得できる。割と免許とりたての私としては首都高?みたいなところを爆走すること自体がワイスピレベルで怖かったけど、旦那の生死がかかってれば私でもそうするとおもう。最初と最後に出てくる例のものも、最初と最後に出す事で比較などが出来て、この上手く出来たストーリー・構成に対してお〜となるし、ちゃんと感動もするんだよ。
あと、飽きないしね、次は何するんだろう、どうするんだろうとか少しワクワクもするし、期待も高まるし。それぞれの人間らしさとかも良いんじゃないかなとも思ったし。
あと1番思ったのは、旦那や家族を本当に大事にしないとなとなる。そう思った人もめちゃくちゃいると思う。人それぞれ、現状によってはだけど。
ただ私がいにしえから言っている、ラブストーリーにおいての最重要ポイントがあって、恋愛漫画やラブストーリーの映画を観る度にその最重要ポイントが守られた内容になっているかがほんとミソで。それを言うと、人によってはそんな事ないよとも言われるかと思うし、感じ方は人それぞれだけど…。どんなに丁寧に作られていても素晴らしい展開・構成でも素敵な伏線回収でもリアルな人物描写が出来ていても、その最重要ポイントが満たされていないとラブストーリーとしては観てる心が満たされないんだよなぁ。揺さぶられないんだよなぁ。こと恋愛に関しては揺さぶりまくるのが激ウマな坂元裕二脚本、という印象が強いだけに…もやん。
観てる脳みそは楽しんでいるんだけど、心がもやんとしてしまい、そんな感想を抱いてしまった自分を責めるしか無いと思った。
こういうこともあるよね。
出会えて良かったなぁとしみじみ感じる作品
時をかけるおばさん
時をかける少女は素晴らしい作品だった。
原田知世はこの上なく愛らしく、観終えて心に心地良い疼痛を残した。
ジジイになった今でもキュンと胸が痛む。
どうしてもそれと比べながら観てしまっていたが、
松たか子はきれいだけれど役柄上おばさん然としていて原田知世とは比ぶべくもなく、
展開もチグハグで人命救助の美談も活かされていない。
というわけで、前半は予告編にやられたな〜、外したかな〜と感じた。
後半観ていて感じ始めたのは比べる対象が違ってない?
これってタイムリープが重要なんじゃなくて、夫婦の話だよね。
実際にはタイムリープなんてなくて過ぎた時間は取り戻せないんだけど、
それがどんなに大切だったのか…。
比べるべきは愛妻家宮本あたりかな。
そう思うと2人の思いが胸に迫って熱くなった。
できることなら、安直な設定でも良いから死を回避できなかったのか。
そしてやはり、美談は活かして欲しかった。
ついでに書くと、私も人も動物も嫌いだし、
小さい頃は古生物学者になりたかったのでこの設定には大満足。
いやはや。
余韻がすごい作品
演技の難しさ
心に何かが残る
塚原あゆ子さんのアングル録りが好きです。どちらの思いからタイムストラベルしたのだろうか?松たか子さんの会話劇はドラマも含め大好きですが、15年前の姿は木村拓也さんと共演時代フラッシュバック 演者さんて本当に凄いな! 作品は、前半も後半もあるある日常で身近な出来事として受け止め易かったです。タイムトラベルにより、お別れまでの覚悟?みたいな、、感じでしょうか。理由が定かではないような?
個人的には、仲良く生活してる夫婦の姿が愛おしかったです。松たか子さんが引き出したのか、最近の作品も含め感じてましたが松村北斗さんの演技力、存在感、声、目を引きました。この作品は松村北斗さんで本当に良かったです。3年待ちのギョウザ、初めは着払い、後半は受けとるだけ。エンディングは同じ結果だとしても、一緒に食べて欲しかったな。
最後に、15年後の奥さんにもプロポーズ。貴方が好きですの言葉が羨まし過ぎて大好きです。数年ごとに思い出しては観返したい作品でした。
カンナと駈にまた会いたいです
鑑賞動機:塚原あゆ子&坂元裕二9割、予告1割
予告でもちらほらその様子はあったのでおそらく大丈夫だろうとは思ったが、かなりコメディ色が強くて良かった。出版年を確認するところ吹いた。
この最早ありふれたネタをどう捌いて味付けしていくかが腕の見せ所何だと思う(偉そう)。これで安直な作りだったら、感想が「うへえ」で終わるところだったが…。
いやそういう方へ行きそうでもあるんだけど…行かない。ああ、そっちかあ。個人的には生存至上主義だし、「運命」など無いし、「シュレーディンガーの子猫」圧倒的支持の立場なので、相入れないところもある。(回避しようとすると、より悲惨なことになるから、自罰的だったり諦念とはちょっと違うのだけどね)
タイムトラベルの仕組みほかもろもろがゆるすぎるのは好きじゃない。逆に状況設定や脇役、小道具の使い方、それと何といってもセリフ周りは、すごいなあしか言葉が出てこない。
松さん、やっぱりすごいわあ。松村くんをちゃんと観て認識したのは初めてだけど、松さん相手にここまでできれば上出来でしょう(さらに偉そう)。
何度でも観たくなる映画
運命は変えられなくとも、未来は変えられる
予告から切なさを感じて泣けてきた本作。どんなラブストーリーが展開されるのかと期待して公開初日に鑑賞してきました。予想とはちょっと異なる印象でしたが、ほんわかじんわりと沁みる素敵な作品でした。
ストーリーは、運命的な出会いから恋に落ちて結婚したものの、少しずつすれ違い、15年目にして離婚を決意した矢先に夫・駈を事故で亡くしてしまった妻・カンナが、車を運転中に偶然タイムトラベルできるポイントを発見し、初めて駈と出会った15年前に戻り、かつての駈への気持ちを思い出し、駈に再び恋をして、15年後の事故から彼を救うため、タイムトラベルを繰り返しながら未来を変えようと奔走する姿を描くというもの。
夫婦の絆を確かめ合うような泣けるストーリーかと思っていたのですが、意外にも終盤に差しかかる頃までずっと楽しい雰囲気で進行します。夫の死を回避すべく何度もタイムトラベルを繰り返し、あの手この手を試して奮闘するカンナの姿が、愛らしくてずっと観ていられます。カンナの必死さは伝わるものの、そこに悲壮感はなく、15年前の駈との新たな恋の始まりをさまざまなバリエーションで試しているかのようにも見え、カンナ自身が輝きを取り戻していきます。
そんなカンナと駈の間で繰り広げられるやり取りも実に楽しいです。おもしろみはなくとも、真面目で素直な人柄が滲み出るような駈に、カンナが惹かれるのはよくわかります。一方の駈も、自分を否定することなく受け入れてくれる明るいカンナに惹かれていきます。初対面で年齢差があるにもかかわらず、カンナに惹かれる駈の姿からも、彼の誠実さが伝わってきます。と同時に、二人が結ばれることはやはり運命であったと感じます。それなのに、そんな二人が未来では離婚を決意しているとはなんとも皮肉です。
しかし、それは、小さな選択の積み重ねが招いた、一つの結果に過ぎないのではないかと思います。駈とカンナの結婚、駈の事故など、人の力では変えられない運命は確かにあるのかもしれません。でも、それ以外の未来は、自分の選択一つでいかようにも変わっていくように思います。
作中、過去と現在と未来は同時に存在していると何度も語られます。きっとそれらは無数に存在しており、その組み合わせも無限にあるのでしょう。私も過去からやり直したいと思うことはありますが、きっと同じ選択をして、またこの現在にたどりつく気がするので、もうこれは運命なのでしょう。でも、無数にある未来のどこにたどり着くかは、これからの自分しだいです。今まで出会ったすべての人と、これから出会うすべての人に感謝して、気持ちのよい時間を過ごしたいものです。そして、未来の自分が後悔することのないようにしたいと思います。
主演は松たか子さんで、あまりにもキュートにコミカルにカンナを演じており、世の男性はみんな恋に落ちてしまいそうです。共演は松村北斗さんで、現在と15年前の振り幅の大きい駈を好演しています。脇を固めるのは、リリー・フランキーさん、吉岡里帆さん、森七菜さんら。
まだ余韻に浸っています
大切な人と過ごす時間を大事にしたくなる映画!
よくあるタイムリープものではなく、
自分の生き方を見直してみたくなる素敵な映画でした!
松たか子さん、松村さんは2つの年齢設定を違和感なく演技されていて、魅力的でした。
また、最後の手紙を読むシーンでは思わず涙が止まりませんでした…
同じギョウザでも冒頭のシーンと最後のシーンでは違ってみえて、心が温まる映画でした!
笑えて感動できる最高の映画!
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