ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
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人生を振り返る
♡
やり直しの果てに選んだもの
結論、幅広い年代に刺さる良作だったと思う。物語は松村北斗演じる夫と死別した松たか子がタイムスリップを繰り返し、夫の死を回避するものである。こうして文字に起こすとありきたりな映画のプロットに見えるが、そこはさすがの坂元裕二脚本で、味わい深く趣のある作品になっていたと思う。坂元節とも言われる独特の台詞回しは健在で、特にタイムスリップしている松たか子と何も知らない松村北斗と掛け合いは劇場がクスッと笑いに包まれることもあった。
タイムスリップした松たか子に全てを聞いた松村北斗は、自らの死を回避するよりも15年の結婚生活をやり直すことを選択する。生や死よりも、大好きな人と一緒に過ごす時間というのが彼にとってはなによりも大切だったのだろう。
物語の最後に松たか子が夫の靴下を間違えてブカブカのまま履いていた描写が、日常の中にある当たり前で小さな幸せを凝縮しているようで、とても素敵な表現だと思った。
遅くなってしまった2025年1作目、この作品でいいスタートを切れたと思う。
松村北斗さんの受けの演技堪らない
コミカルなタイムリープもの
倦怠期の夫が事故で他界。何故か出会った日に戻れるようになった主人公が、夫が事故死しない未来にする為に奮闘する映画。
思ったよりコミカルで楽しく見れる映画。
独特のセリフと松たか子さんの芝居が心地いい。
一度好きになった人のことは何度でも好きになる。
人が人を好きになる瞬間を、何度も見ることができる素敵な映画でした。
結末を変えることはできないが、過程は変えることができる。夫の決断も良かった。
ロビーでの告白が一番グッときた。
あとは餃子。
いい映画見ました。
まぁ、よくあるタイムリープ物です。
タイムリープものは難しい
坂元裕二監督特有の透明感ある映像に惹かれて鑑賞を決める。
まず、松たかこさんはこういうコメディエンヌぽい役がほんとにお上手です。自然に見える演技で笑わせてくれて…
カケル役の松村北斗さんも役のイメージにぴったりだったな。真面目でちょっとめんどくさい感じの人(笑)
でも私、やっぱりタイムリープものって苦手で。意味や仕組みを考えすぎてしまって没頭できないのです。
あんなに何回も出会ってもカンナのことを好きになる理由がわからない。説得力がない。運命とかっていうふわっとした理由では困ります。
最後の手紙で涙腺崩壊なんですが、その一方でカケルはあの時から15年、ずっと自分の死ぬ時がわかってて過ごしてたんだなと思うとかわいそうで。
カンナを悲しませないためにカンナファーストで生きるのがカケルにとってほんとに良かったのか?
なんだか切なくなってしまいました。
ということであまりカンナに感情移入できず、モヤモヤが残る映画でした。
愛の形
松たか子のチャーミングで芯の強い姿に私もカケルも救われて惹かれたと信じたい。松村北斗に心を揺さぶられ続けた2時間半だった。時空のミルフィーユをカケルだけが知っていたからこそのプロポーズまでの短さとその時のガッツポーズかと思ったけど違った。カケルは15年後のカンナに会いたくて今のカンナと出逢い、恋をし、結婚して、お互いを想い合いながら生き抜いたんだと思った。自分の信念を曲げずに。
幸せな15年間だったとカケルの言葉で記されていてよかった。遺影のカケルが笑っていてよかった。カンナがカケルとの15年を思い返す時に笑顔と幸せに溢れているようで良かった。今まで見た愛の形で1番素敵だと思った。
別れた妻への贖罪の私の物語
これは上手く行かなかったすれ違い、道を違えた夫婦の物語。
かく言う私自身も恋愛結婚したものの、家族で生活をする為に自分の好きな趣味を捨て、家族の為に生きてきました。
家族として生きるには自分の趣味は捨てなければいけないし、仕事が楽しく仕事人間になってました。
これが家族を支える選択だとあんなに大好きな趣味を捨て、社畜になりました。
減点方式の結婚生活⋯
でもそれは最悪ではない。
人は様々な犠牲で生きていく。
並行の交わらない、交わらないボールペン。からの無の生活。
これらを共感できる夫婦は少なくないと思います。
そして、まさにこれらは我が身の出来事でした。
寝室を分け、お互いの生活にお互いが邪魔で、辛くパートナーに当たる日々が続きました。
私は結果、前妻と離婚しました。
今は再婚し、それなりに幸せな生活を送っていますが、
この映画を見て昔の感情が、爆発してしまった。
歴史を改変する為にコメディを入れつつ試行錯誤するタイムリープ。
変わらぬ未来に、事故を起こさないために、結婚をしなければいいと言うシンプルで残酷な現実を発見した際には、赤い糸を切るという発想。二人は結婚しないとそこに気づいてしまう運命に、もう映画館で声を殺して大号泣してました。
でも、離婚したくないよ。声を絞りあげながら、君に会いたいと結婚生活を改める選択を選び幸せな15年を生きる新しい日々。
Xデーの最後まで妻を愛し、感謝の手紙を書く頃には私の顔はグチャグチャ。涙が止まりませんでした。映画見て大号泣したのはひさしぶりです。
これは、本当はこうありたかった自分の私の物語。
この映画を見て、前の奥さんに離婚したくない。やり直したい。
忙しく、日々の生活のすれ違いを理由にベットを別々にして本当にすまない。
影で支えてくれていた奥さんに苛立ちを態度に出して共同生活を見出してごめんなさい。
これは本当にあった私の物語。
私もミルフィーユのように過去に戻って、離婚したくない。自分のした罪を償いやり直したい。。。
伏線を回収し、少し強引な展開もツッコミを入れながらも、基本的に丁寧なSFとして描かれる事に関心しつつも自分の過去が覆いかぶさり冷静に見れてません。
自分の心があまりに抉られ、5回劇場に見に行きました。
過去の妻への贖罪が何度も足を運ばせています。
きっと、公開中。まだ行く事になるでしょう。
今、再婚しそれなりの幸せを掴んでいますが、過去の妻への贖罪が終わらぬ限り、映画館足を運び続けます。
今、パートナーとうまく行っていない人はパートナーに少しだけ優しくなれる素晴らしい作品と脚本です。
松たか子の若い時のハット息を飲む美しさ。
スーパーマリオのスターを取りキラキラして無敵になった状態の凄みを感じました。
私も肌にハリがなくなり、白髪が目立ち老いを感じる日々。
若く無敵で怖いものなど無かった若き自分を振り返り、人生平等に歳を重ねる残酷さ。
松たか子と同年代故に刺さる。
また妻への贖罪の為、劇場に足を運びます。
素晴らしい映画をありがとう。
でも少し大人の恋愛映画としてビター過ぎます。
だが。それがいい。
ファーストキスのタイトル回収をされた意味と感動は忘れられません。
餃子に始まり餃子で終わるのも素晴らしい。
また次の休み6回目の妻への贖罪をしてきたいと考えています。
ありがとう。そして元妻へごめんなさい。
一筋縄ではいかないストーリーも好きだけど、 キャスティングとかキャ...
一筋縄ではいかないストーリーも好きだけど、
キャスティングとかキャラ設定とかも好きすぎて、
試写会の後、2回見た
物事が色々うまくいかないところも好き
松たか子の声って、
役者としてよくないと思ってたけど、
この役だと、キャラのキツさが緩和されてとても良かった
ソファの真ん中はしっくりこない人生にしたい
見終わってすぐよりも、今の方がじわじわと映画の良さが押し寄せている。坂元さんの脚本って、例えの言葉のチョイスが面白くて素敵。結末は変えられなくても過程は変えられる。価値観が合わないじゃなくて歩み寄り。そういう風に近くの人を大切にしていきたいと思える映画だった。
んー、中途半端な感じが…
脚本と演出が中途半端。
どなたかも仰られてますが、主役二人の会話劇としてのお芝居はとても惹きつけられるモノがあったし、役のリアリティも感じて素晴らしかったと思います。
映画の根底のタイムリープの作りが甘い。見ている方がちょこちょこ、『んっ?なんで?』『んー、そうかなー…』と思ってしまう。映画を見ている側を素に戻させる。本編の導入からそんな感じだった。
もっと、彼をとても愛していた、だけど死んでもういない、そう言うのを見せてから物語に入ればその後の展開に興味を持って見れたのかなと思ってしまいました。
それに、主人公があんな気持ちのままで離婚しようとしてた、でもその彼が死んでしまった。偶然タイムスリップして若い時の彼と会った。驚くのは分かる、誰でも驚くでしょう。でもあんなすぐに好意を持てるか?『この人がいずれ私の人生をあんな風にしてしまう』そう思わなかったのか?好きになるか?私ならならない、距離を置く。
タイムスリップしたあと何故車を置いて走って行ったのか?車が故障した?帰りに乗ってまたトンネルに消えて行ったから故障ではなかった。何故?何故?が多すぎる。
主人公が離婚届を出しに行った時、隣の席に幸せそうなカップルを配置するのもイヤだった。リリーフランキーさんや吉岡里帆さんの使い方もあざとく中途半端。
映画の構築の全てに甘さを感じる。役者任せなところがほとんど。残念としか言いようがない。
ミノルさんの空気感、良かよ✨
設定がゆるい
タイムリープものなら最低限設定を詰めておいてほしい。
高速道路を走っている人は皆タイムリープできるの?
工事中の設定ならどうやって戻るの?工事期間しか戻れないのに何で道路は封鎖されてないの?未来が変わる設定なら何で死に方は変わらないの?...???
など、見ている間色んなことが気になってしまってあまり入り込めなかったです。
あと、カンナがタイムリープした最後の話し合いのシーン、
カケルは初対面なのに既に夫感出し過ぎでは...?
心に響くセリフもたくさんあったし、何より松たか子が可愛くてきっと全体的には素敵な作品だったと思うのですが、設定がゆるくて雑なので気が散って受け入れられなかったのが残念です。
これ、私のことだ。
タイムループものなのに、不思議なことに自分の人生と重ね合わせながら観た人が多いのではないでしょうか。私もその一人でした。
一度の離婚を経験し、現在は再婚している私にとって、映画の中の離婚前の生活は、まるで過去の自分を映し出す鏡のようでした。再婚して10年以上が経った今、良好な夫婦関係を保てているのは、初婚での経験があったからこそです。初婚生活の終盤では、自尊心が深く傷つき、一度死んだような気分を味わいました。しかし、その時の反省が今の自分と今の夫婦関係を築く礎となり、不思議なことに前妻への感謝の念すら感じる今日この頃です。
私にとって、最初の結婚生活の終わりは人生のやり直しの始まりでした。この映画は、かつての恋人との別れや、今まさに離婚や別れの危機に直面している方々の心にも、きっと深く響くことでしょう。
人生の歯車を動かすためには自分が変わるしかありません。
これからも大切な人を大切にしていきたい―そう強く思わせてくれる作品でした。この映画との出会いが、多くの人の人生を変えるきっかけになるはずです。少なくとも私の人生は、この映画によってまた一歩、良い方向に進んでいく。そんな確かな予感を抱いています。
小説感強めの映画 リズム良い
コメディパートに拍手
夫が死ぬ、くらいでないと愛は回復できないのかも…
高速道路の天井崩落をきっかけに過去のある一日だけにタイムスリップできるという設定は興味深い。
何回も何日も、工事中の高速道路のトンネルに突っ込んで一度も咎められないのだろうかとか、
同じ場面、同じセット、同じ役者での撮りなおしなので製作費が浮いただろう、
とか野暮なことは言わないのがお約束。
松村北斗が最初画面に登場した時、この人こんなに腹が出てたっけ、とすぐに違和感を感じたが、タイムスリップをした段階でなるほどと納得。
離婚届けを手にしたまま硯駈(すずりかける)は事故で無くなるのだが、あんな男死んで清々したとか、離婚成立前に死んでくれて生命保険がはいると喜ぶとかにならなくてよかった。
逆に言うと、配偶者が死ぬというレベルのイベントがないと夫婦関係は改善できないのかもしれないと独身者の私は勘ぐってしまった。
カンナ(松たか子)は夫の死を何とか回避しようとして奔走し、結婚自体がなくなればよいと思い立ち、15年前の夫からの恋の告白をひどい言葉で否定するところが、至高の愛の言葉になっているところは泣けるところだ。
その奔走が夫への愛を回復させる。
夫が死ぬという一番重い現実は変えられなかった。
しかしそこに至るプロセスは15年という貴重な時間となって残った。
既婚者は配偶者のありがたみが身に染みることだろう。
駈が死ぬ前日にカンナに手紙を残す。
そこまで冷静なら死を避けられそうにも思うが、それが出来ないというのが運命の受容というものなのだろう。
ああいう形で女性は言葉にして欲しいものなのだろうと妙に納得した。
しかし、行為や、出来事や、背景や、絵ではなく、直接「手紙の言葉」に愛を語らせるのは映画としてどうなの?と思わないではなかった。
ふ~ん。
松村北斗が硯駈のちょっと浮世じみたキャラをよく演じたと感心した。
追記
同じものを共有してしまう。ついうっかり、無意識に。
二人の親密性を表す良い描写だとは思うが、
そのアイテムとして靴下ってどうなんでしょう?
あれはサイズ感が半端ないので女性が男性物をはくとブカブカで大変な違和感の気もします。
夫婦あるあるなんでしょうか?(純粋な疑問)
年下のきれいな男に告白されるおばさまの夢。最近の定番でしょうか?
松たか子さんの魅力爆発って感じ
この作品は、タイムトラベラーものに分類されるのかもしれないが、この映画のポイントは、もしやり直せたら…ということ。そのためのタイムトラベルであって、その理屈はどうでもよいのである。
さて、なんだかんだあって、やり直せることになった。では何をどうするのかということが大事なのである。
離婚目前の夫婦でありながら、事故死した夫の命をとりもどそうとすることに迷いもなく全力を傾けるカンナに違和感がなく、すっと感情移入できてしまったのはどうしてだろう。そして、その奮闘を応援してしまうのはなぜなのだろうか。
簡単に離婚が成立する現代。物分かりがよすぎて、いいひとづらの人が多すぎる現代。その象徴のような夫婦の物語ではないかと思ってしまった。
二人がもっと、ホンネをぶつけ合い、わがままをいいあえば、結婚生活は、別の顔を見せたかもしれない。もちろん、こじれにこじれ、憎さ百倍になるかもしれないが、少なくとも、この二人の関係ではそうならなかったと思う。
ボタンの掛け違い。十分やり直しのきく、夫婦関係だったということ。
それが、大前提の物語なのだ。
だからほのぼのと面白く、ひとりでに応援したくなり、ふたりにぴったり感情移入できるのである。
ねじれにねじれた骨肉の愛憎劇なら、こんな気持ちにはならないのである。
ファースト・キッスという題名がいいではないか。30歳のこどもが大人になる15年間だったのかもしれないね。
それにしても、おばさんになった松たか子さんもいいね。若い頃も素敵だってけど、後ろ姿なんか、完全無欠のおばさんで、ほれぼれしてしまった。上手に年を重ねていらっしゃると思います。駈を演じた俳優さんは、初めて見たけど、いいね。松たか子さんに負けていなかったと思う。これからも注目したいと思いました。
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