ファーストキス 1ST KISSのレビュー・感想・評価
全711件中、521~540件目を表示
タイムスリップに至る展開はかなり強引。絵空事になりそうな話を現実世界に着地させたのが、ふたりの日常生活の描写のリアルさでした。
「花束みたいな恋をした」「怪物」の脚本家・坂元裕二と「ラストマイル」「わたしの幸せな結婚」の監督・塚原あゆ子が初タッグを組み、オリジナルストーリーで描いた恋愛映画です。
●ストーリー
結婚15年になる硯駆(松村北斗)とカンナ(松たか子)。恋愛気分の延長のようだった新婚時の初々しさも消え、互いに愛情よりも嫌悪を抱いていたのです。いつしか夫婦生活はすれ違っていて、離婚届けを出そうとしたその朝に訪れた夫の悲報。駆は出勤途中の駅で、線路に落ちた乳児を救おうとして、犠牲となったのでした。
思ってもいなかった別れに直面したカンナが、第二の人生を歩もうとしていた矢先、出勤途中の首都高のトンネルの崩落事故に遭遇してしまいます。とっさにハンドルを切った瞬間、カンナの車は別世界にワープしてしまうのです。その世界をさまよっていたら、死んだはずの駆に遭遇します。しかもそこにいたのは、初めて出会ったときの若き日の駈でした。カンナは、15年前の夏に戻り、自分と出会う直前の駈と再会したのです。若き日の駈を見て、やっぱりわたしは駈のことが好きだったと気づき、もう一度恋に落ちたカンナは、15年後に起こる事故から彼を救うことを決意するのです。
タイムトラベルは一定期間続き、その間何度も同じ過去に行き着き、20代の駈と気持ちを重ね合わせようとする40代のカンナ。
時間を行き来しながら、事故死してしまう駈の未来を変えれないかと願ったカンナは、、ある日過去が変われば未来も書き換えられることを知りえます。でも何度も何度も過去の世界で駈を誘導しようとしても、結果は何も変わりませんでした。
そこでカンナは思い至るのです。わたしたちが結婚して、15年後に夫は死んでしまうことに。
だったら答えは簡単!
駈への想いとともに、行き着いた答え。それは、わたしたちは出会わない。結婚しない。たとえ、もう二度と会えなくてもとカンナは決意するのでした。
そう決めた矢先に、カンナが15年前の世界から引き上げようとした時、若き駈から引き留められて、「君は何者?」と詰問されます。
すべてを知り、自分の身に起こる15年後のことを知った駈は、果たしてどんな決断をするのでしょうか?
●解説
過去と現在を行き来するいわゆるタイムスリップもので、狂ってしまった歯車を修正するというアイデア自体は、もはや珍しくありません。作品の成否は、どれだけ細部を豊かにしていくかにかかっており、坂元脚本はその積み上げに成功しています。読みにくい名前、一緒に食べに行くかき氷、電気の消し忘れ。挙げれぱきりがありませんが、恋が生まれ、気持ちがずれていくきっかけは、日常に転がっていたのです。
心に残るのはありふれた暮らしの景色や生活音です。皿を使わず、コーヒーが入ったマグカップの上にのせたトースト。つけっぱなしの電気。出会い直しを描く今作には、そんな日常を慈しみたくなる効能を強く感じました。
倦怠期を迎えていたふたりだったのですが、15年前に戻れば、そこにはかき氷や柿ピーにまつわる、いとおしい記憶があります。夫への愛ゆえに、駈が自分と結婚しない未来を選ぶように仕向け、奮闘するカンナ。その姿がコミカルであればあるほど、涙腺が刺激されてしまうのです。
結婚、恋愛、生活。その中で誰かと生きていくということ。言葉にすることで、カタチになったことで見えてきます、そのおかしみとかなしみ。本作もまた普遍的な物語で世界に通じるものながら、これまでにない坂元作品ともなっています。
松も松村も素晴らしい演技です。特に、松のやりすぎないコメディエンヌぶりは秀逸で、小気味よい塚原演出とよく調和しています。
また松はドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」などで、坂元の書くセリフに適度な体温を宿らせてきました。
今作ではどこかずれた真面目さを持つ駈を松村がチャーミングに演じ、声の響きが坂元の脚本との親和性を感じさせてくれます。
●感想
タイムスリップに至る展開はかなり強引で、なぜ起きたのか説明は一切ありません。ともすると絵空事になりそうな話を現実世界に着地させたのが、ふたりの日常生活の描写と離婚に至る経緯でした。
特にカンナが若き日の駆に説明する結婚後の実情は、身にしみました。カンナがいうには、恋愛期間中や新婚時代は、相手のいいところを褒め称え合うけれど、結婚してしばらく経ってしまうと、相手のいやなところを暴き立てて、裁き合う日々になってしまうというもの。いやはや映画の中とはいえ、そんなこと真顔で言われたら、百年の恋も一瞬で冷めてしまいそうになります。
でもラストで読み上げられる駆からカンナの手紙をしれば、そんな悲観もきっと和らぐことでしょう。
坂本脚本には、人間観察の鋭さを感じさせてくれました。そして悪しき運命でも、それが自らの信念に叶うなら、運命に身を投じ殉じていく選択もあり得ることを教えてくれたのです。
見たくなる要素が詰まった映画
設定がちょっと
設定も甘いし、トレンディドラマを観ていた中年女性に向けて、若い男との疑似恋愛を提供してやった感が透けて見えて気持ち悪かった。
この後、残された主人公は、全てをわかったうえで死すら受け入れた夫から、こんなにも私は愛してもらえて幸せって思いながら生きるの?
なんかすごい主人公にとってご都合主義なストーリーでとてもエゴイスティック
それに夫婦も恋人も、お互い思いやりが必要だと思うんだけど、このラストだと主人公は事情を知らないわけだから、元は不仲だった夫婦でも、夫が献身的に思いやりを示せばうまくいくと言ってるようで、不仲の理由は全部夫側が原因ってこともないだろうに、なんだかな〜って感じだった
結婚は、両者が教官の教習所
ここまでコミカルな作品とは思ってなかった。
導入はやや退屈で、2.5次元舞台っぽいのにあんなに予算と労力を使った理由も分かりません。
最初に過去の駈と出会った際に、どういうつもりで接していたのかもまったく読み取れなかった。
しかし、タイムトラベルのテンポが上がると面白くなる。
やはり松たか子はコメディの方が好き。
ズレた会話、抜けた行動など思いのほか笑わされた。
駈が16歳も離れたカンナに惹かれることに関しては、“ミルフィーユ理論”でなんとなく納得できる。
どの時間軸の話かもカンナの髪の長さと服装で判断できたり、色々と上手い。
反面、やや雑なところも散見された。
過去の自分と接触しなければいいだけなので、日を跨いでみないことに疑問が浮かぶ。
ベビーカーを落とさせない方向を試さないのにモヤモヤ。
また、脱線事故のパターンでも駈が死んでるのはおかしいのでは。(自責の念で自死したとかなら分かるが)
『STEINS;GATE』と違い時空転移のきっかけが駈の死ではないため、改変できない説得力も薄い。
演技に関しては総じて満足。
松村北斗は年齢で、森七菜もちょい役なのにヒロイン役の時とは声色を変えていたのはポイント高い。
「結婚しないこと」に辿り着いた後の部屋を出るまでの数秒の間は、近年稀に見る最高の“余白”だった。
結末は安易なハッピーエンドよりは好みだが、最後のカンナは我々が見てきたのとは別?元の彼女は??
コミカルさが後を引きすぎて、シリアスへの切り替えが上手くいかなかったのも惜しい。
駈の選択はカンナの悲しみを無視したエゴでもあるし。
現実的には、あれくらいのキッカケで15年間も夫婦円満になるわけないとも思ってしまい…
最後に、僕ならショートボブの吉岡里帆という最強キャラを前にして松たか子は選べません。
松たか子要素に加点
坂本裕二に塚原あゆ子、多分アイリッシュマン的CGだと思うが若い顔の松たか子カワイイので一点加点。あと森七菜の若者が良かった。松村北斗は悪くないけど硯くんのキャラがちょっとわからんかった。
タイムスリップの大筋はまあ良いけど、個人的には生き続ける方に二人して努力して行った方が健康だと思う。あと離婚寸前で届まで書いて出す日だった(出してなかったようだが)って設定はイラン。ラストで違う未来を描くための伏線なんだけど、二人がしっくりこなくなって話し合いを始めた位にしておかないと、やり直すモチベーションに無理が出てる気がした。
松たか子さんが素敵!
日常を大切に
前半はクスリと笑える所も多く、まぁ現実的には20代の若者が40代の初対面の女性をお茶に誘うか?と疑問は有るけど、そこは映画の話。動物嫌いを告白しちゃう面白い感性に興味を引かれたのだろう。
何度も会うのに毎回新鮮に恋に落ちる硯くん。勿論、硯くんにとっては毎回初なんだけど、俳優さんって凄いな。実年齢なんて関係ない。20代のカンナも40代の硯も何の違和感も感じない。2人とも本当に自然。
後半の怒涛の会話劇、引き込まれてずっと泣いてた。次の日目が腫れるくらいボロッボロ泣いた。
結末は予想がついてて、逆に喪失感が大きくなったんじゃないかって心配してしまうけど、幸せな思い出は人を強くさせるのかもと思ったり。
後悔しないように夫を大切にしなきゃなって改めて思いました。
印象4つ選びたかった泣けて笑えて悲しくて幸せ
松たか子さん、最初老けメイクでしたか?
本作品楽しく見ました。ただ、下記点は整理してもらえると良かった。
1) 若い頃のカンナ(松たか子さん)があの日あの場所で駈と出会うこと
2)あの頃のカンナは、「先生」と呼ばれているが、まだ駆け出し。と言うか、物語全体でデザイナーとしてどれくらいの地位と稼ぎなのか
3) いがみ合って、別れたのではない
4) キスは嫌がるのに、告白はスマホで録音
する事
まあ、もう少し単純にした方がよいかと。
それで、とても知りたいのが、最初のカンナは老けメイクしてました?終わりの方のカンナ(45才)は若くてきれいに見えました。
どなたか教えて下さい。
カケルの15年
何度も何度も何度も何度も失敗を繰り返すカンナ。その度にカケルと「はじめまして状態」になるのは面白かった。
でももしその一回でも成功していたら。カンナが戻った時生きているカケルはやっぱり2本のペンが触れ合わず真っ直ぐに置かれた状態の、寝室を別にしてまともに話さない夫だったと思う。
失敗の中の失敗。付箋をカケルに見られる予想外のミス。でも、だから話も生まれた。15年離れているのにしっかり夫婦の会話になっているのには笑ってしまったが。
その後現在に戻ったカンナは幸せな15年を過ごした二人、という感情になっているのだろう。気になったのは将来を知ったカケルの方だった。冷たい関係になるまいと夫婦で生き、カンナも最初のカンナとは違った妻になったと思う。
でもカケルは自分の命日を知っていた。知りながら15年を過ごした。やはり一日一日とその日が迫るのは怖かったのでは。そこだけは少しかわいそう過ぎないかと思ってしまう。遺影の表情が全く変わっていたことにかろうじて救いがあるが、カケルが送った15年に重さを感じる。
タイムリープも受け入れられる
素敵な作品
恋愛映画はほとんど観ないのですが、松たか子さんが主演である事とタイムリープものという事で観ました。
結果、この手の作品で初めて泣いてしまいました・・
自分の環境や心情の変化によるものかもしれませんが、変に感動を煽ってないのに、ラストにおけるシンプルな愛情が、とても沁みました。
パートナーの事を大切に思っている人は特に見てほしいです。
松さんのコミカルとシリアスな演技と、キラキライケメンを抑えた松村さん、とても良かったです。
タイムリープの原因とかはまぁ無くはないっしょ。みたいな感じで、あまり説明はなかったですが、作品中に深追いしても無駄w 歴史改変しても別の世界線という概念はこの手の話でどうしても付きまとうからね。
松さんの若い頃はVFXなのか、現代の技術力やるなっていうのと、小さい伏線があるのも、作品として面白いです。
一生一緒に居たい、の解
駈がカンナにした、「一生一緒に居たい」というプロポーズ。
初めはそんな気持ちだったのにすれ違いや嫌な所が見えて2人の関係は冷めていき、離婚届の判子を押すに至る。
では最初の人生の2人には何が足りなかったのか
それがこの映画の本筋なのかなと感じた。
「一生一緒に居たい」
そう感じる瞬間は、2人で居る"今"の時間がずっと続けば良いのに、そんな事を思った時に出る言葉では無いかと思う
ただ、本編で駈が辿り着いた「一生一緒に居たい」は
15年後の妻の姿を見て、2人の時間を過ごして、
この人とまた会いたい、大切な人が歳を重ねていく姿を見続けたい、そんな気持ちから出た言葉では無いのかなと思った
わたしはこれは最上級の愛なのでは無いかと思う。
わたしの大切なこの人はどんな姿のおじいちゃんになるんだろう、時間が許す限り側にいて幸せそうな姿を見続けたい
そんな事を自分が思える日が来たら、わたしはその人と一生一緒に大切にしたい、そう思う。
パラレルワールドの処理が今一つ。
もうあらすじについては予告編でも公開されているわけですが、妻が電車事故で亡くなってしまう夫を助けるためにタイムスリップを繰り返してポイントとなっているイベントを変えてその後の運命を変えようとする話です。
ツッコミ所満載ですが、松たか子さんと夫役のSixTONES松村北斗君の自然な演技とコミカルな展開で一気に退屈する事なく映画を楽しめました。化粧技術とCG処理を差っ引いても若い頃の松たか子さんは美しくて松村君が一目惚れすることに違和感無かったです。
ただ、パラレルワールドの描き方にはもう少し工夫が必要かと思いました。
意外とコメディ
過去に戻り、夫が死なない未来にするために妻が奮闘する話と、思った通りだったが意外とコメディだった。ラストは少し泣かせるが、タイムトラベルの仕組みが曖昧なために、あと一歩。せめて、ふてほどのようなタイムホールの設定がほしかった。それを考えずにコメディ部分を楽しんだらラストも泣けると思う。
松たか子の若い時の美しさはCG?15年後との年齢差を感じさせるが、そこを化粧や服で補う力技が、また笑わせる。パラレルワールドならば夫が死なない未来もあるはずだが、カンナの世界が変わらないのは元の世界に戻っただけだから?
駈の未来は変わらないが、他の設定(トウモロコシは皮ごと茹でるなど)は変わる。どうなっているのか?バック・トゥ・ザ・フューチャーのドクは、未来を変えた。これにはパラレルワールドが存在しないから?
一番変わったのは、15年間の二人の過ごした時間。人を思う気持ちが、一番大事ということか。最近、会話が少なくなったカップルや夫婦向け。
日常と身近な人を大切にしたくなる
またか…
ストーリーのねらいは?
まず、松たか子さんの大ファンです。
………ストーリーのねらいは最高でした。
で、構成なのでしょうか、演技なのでしょうか?松たか子さんのイメージをほぼ完璧に
表現させたのは監督なのでしょうか?
まず、女性俳優さんの感性に合うように作品の中で造作表現をここまで表す才能は凄いです。
(前半が私の幸せな結婚の表現にそっくり?)
やっぱ監督はそうなんだなーとおもいました。
(メトロに乗って)みたいな発端から始まりますが、夫婦の恋愛作品です。
…で、前半は最高でしたが、終盤のあれは
どうでしょうか?…終盤の主人公が戻ってのストーリーが………残念でした。
手紙が流れるくらいなら兎も角長い言い訳みたいな。
……でも作品はとてもいいです。
是非会場で。
全711件中、521~540件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。