「時をかけるおばさん」ファーストキス 1ST KISS セッキーかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
時をかけるおばさん
夫を交通事故で亡くした妻がタイムスリップを繰り返して未来を変える物語。
ストーリーはこの上なく単純。夫の交通事故による死を回避するために、過去に戻り試行錯誤を繰り返す。この手の設定は様々な作品で使い古されている。今を馳せる監督陣はこれをどのように利用したのか、見ものである。
結果的に、本作は凡庸なつくりとなっている。夫の死を回避するため、はじめは過去で小さな変化を起こし、未来の変化を確認する。それでも変わらないとなると、だんだんとその変化を大きくしていく。この過程で楽しめるのは松たか子さんが若い頃の夫ときゃぴきゃぴする姿のみである。
過去に戻る最後のチャンスで、ことのすべてを夫に話すシーンがあるが、そこでの会話が理解できない。あなたと、結婚するのか、ふーん、離婚するのか、はぁ。子供を守って電車にはねられるのか、かっこいいじゃん。この妻からの話を夫が本気で信じているか分からないが、あまりに緊張感がなさすぎる。雰囲気はただの雑談である。いくらラブコメ映画でもしめるところはしめてほしい。
最も気になる点として、なぜ事故の起こる日やベビーカーに注意するという簡単なことを伝えなかったのか。事故を回避するということを推進力として進んでいくこの物語。ここに僅かな疑問も残してはいけない。ここにブレがあると、愛とか思いやり以前の話となる。変えることのできない不条理の中で、できることをすべてやりきった。愛する人の未来を必死に変えようと本気で向き合う姿に人は感動するのである。
タイムトラベル系の作品ですべての観客を納得させるように作ることは難しい。それでも本作の内容には腑に落ちない方が多いのではないだろうか。
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