「坂元さんの脚本好きならぜひどうぞ」ファーストキス 1ST KISS toro koiさんの映画レビュー(感想・評価)
坂元さんの脚本好きならぜひどうぞ
三日間、スキーを滑りまくってからレイトショーでパートナーと視聴。眠い目を擦りながら頑張って一緒に観てくれました。
坂元さんの描く、人と人との掛け合いが大好きで大豆田や、カルテットと言ったドラマを中心に観ていたファンです。
とにかく坂元さんの作るセリフが好きです。どうしてそんなに綺麗で響く言葉選びができるんだろう、と思います。今回の映画も2人にしかわからない言語というか、雰囲気というか、世界観が本当に素敵でした。
ただ、生死を軸とするタイムリープものとしての、絶望感のようなものが足りないような気がしました。何度も何度も戻ってくる時の辛さをあえて描いていないのか、もっともっとしんどいだろうなぁ。と思いました。
映画を通して、納得できないこと(自分の立場ならもう一度この人と結婚して死を選ぶかなぁ、とか)はありましたが、全部を整えてそしていい意味で後ろに引き摺らない脚本に拍手。週末に見る映画はこうでなくっちゃね、と言った感じです。
好きなシーン
「もう一回!」と彼からの素敵なセリフをお代わりするところ。わかる…何度でも言って欲しいし、綺麗な格好して受けたいよね
全然目立たないシーンだと思うのですが、遺影の写真たてをティッシュで拭くシーン。これ、経験ある方はわかると思うのですが、遺影(特に新しいもの)って埃が目立つんですよね。身の回りの整理整頓はできないくらい疲弊していても、遺影の埃を毎日毎日ティッシュで拭いていた自分の背中と重なりました。あんなシーン、どうやって生み出すんだろう…そういう人を身近で見ないと気づかないシーンだな、と思います。
そういう、人として生きていくなかでの「あるある」がたくさん入っているところも見ていて面白いです。